チョウを相手に狩りを練習するハヤブサの写真が今年の「バードフォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」の鳥の行動部門で銀賞を受賞。カリフォルニアでこの写真を撮影した写真家は長年ハヤブサの写真を撮ってきたが、チョウと戯れる姿を初めて見たと語った/Jack Zhi/Bird Photographer of the Year

(CNN)2024年のバードフォトグラファー・オブ・ザ・イヤーでは、チョウを追いかけるハヤブサ、クロクマを捕食するヒメコンドル、サーフィンをするペンギンなどの作品が受賞した。

9回目となるこのコンテストは、鳥の美しさをたたえると同時に、鳥が直面する脅威にも光を当てている。カナダの写真家パトリシア・ホモニロ氏はトロントで窓や反射面に激突して死んだ4000羽以上の鳥を捉えた衝撃的な写真で大賞に輝いた。

8月に発表された研究によると、米国では毎年10億羽以上の鳥が窓に激突して死んでいる。致命的な激突から鳥を守るために活動する団体と連携するフォトジャーナリストであるホモニロ氏はこの悲劇を視覚化したいと考えた。同氏はチームとともに、死んだ鳥を同心円上に配置し、最も大きな鳥を中心に据えた。

鳥にとって反射面は風景の延長のように見えることがあり、結果として多くの鳥が全速力で窓に突っ込む。ステッカーや鳥に安全なフィルムなど視覚的な目印を貼るといった予防策は激突を防ぐのに役立つ。

毎年開催されるこのコンテストの主な開催動機の一つは保護活動だ。コンテストは世界中で鳥を保護する草の根活動に資金を提供する慈善団体バーズ・オン・ザ・ブリンクと提携している。バードライフ・インターナショナルが発行した世界の鳥類の状況を示す最新報告によると、地球上の鳥類の種のほぼ半分が減少しており、8種に1種が絶滅の危機にひんしている。

コンテストの責任者ウィル・ニコルズ氏は、このコンテストにより、人々は自分では見ることのできないものを見ることができると語る。「木の一番上にあるものを意識させることは、人々が自然を気にかけるようになるための重要なステップだ。人間は視覚的な生き物であり、写真はメッセージを伝えるのに極めて強力だ」

コンテストでは世界中の写真家が2万3000枚以上を応募し、8カテゴリーで競い合った。