レバノン南部でイスラエル軍の攻撃を受けて立ち上る煙。イスラエル北部から撮影(2024年9月23日撮影)。(c)Jalaa MAREY / AFP

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【AFP=時事】イスラエル軍が23日に実施したレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)に対する空爆について、レバノン保健省は少なくとも492人が死亡し、1645人が負傷したと発表した。死者のうち35人は子どもだとしている。

 イスラエルは、首都ベイルートの「標的攻撃」を含め、レバノン南・東部で約1300か所を空爆し、ヒズボラの「多数の」戦闘員を殺害したと発表した。

 一方のヒズボラは、ベイルートへの攻撃は同組織のナンバー3の司令官、アリ・カラケ(Ali Karake)氏を狙ったものだとする情報を受け、同氏は安全な場所に避難したとして生存を主張。

 さらに、イスラエル軍がレバノン南部と東部ベカー平原(Bekaa Valley)を攻撃したことへの報復として、イスラエル北部ハイファ(Haifa)近郊の同国軍の施設と基地2か所に向けロケット弾を発射したとした。

 紛争がイスラエル南部とパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界からイスラエル北部のレバノン国境に移ったのを受け、アラブ諸国はイスラエルを強く非難する一方で、同国とヒズボラに全面戦争を回避するよう呼び掛けている。

 イスラエルの主要同盟国である米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、「避難民が安全に帰還できるよう事態の沈静化に努めている」と表明。国防総省は、中東に米軍の少数部隊を追加派遣すると発表した。

【翻訳編集】AFPBB News

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