現役引退の記者会見をする元大関貴景勝=21日、東京・両国国技館

 大相撲秋場所13日目の20日に現役引退した元大関貴景勝(28)=本名佐藤貴信、兵庫県出身、常盤山部屋=が21日、東京都墨田区の両国国技館で記者会見し「燃え尽きた。横綱を目指す体力と気力がなくなった」と時折目を潤ませながら語った。大関在位30場所で優勝4度。今後は湊川親方として常盤山部屋で後進を指導する。

 近年は首の痛みに苦しみ、2度目の大関陥落で関脇だった今場所は3日目に休場した時点で「心の中では決まっていた部分はあった」と明かす。175センチ、165キロの体で奮闘した相撲人生を振り返り「手をいっぱいに伸ばしたが、横綱には届かなかった。引き時だなと思った」。休場から1週間以上がたった11日目(18日)の夜に引退を決断した。

 埼玉栄高3年の2014年秋場所に貴乃花部屋から初土俵。激しい突き、押しを得意とし、19年春場所後に22歳で大関に昇進した。28歳1カ月での引退は、昭和以降昇進で最高位が大関の力士では大受に次いで2番目の若さだった。殊勲賞3回、敢闘賞2回、技能賞2回。引退相撲は未定。

現役引退の記者会見で、花束を手にする元大関貴景勝。右は常盤山親方=21日、東京・両国国技館