ドル円、今日の高値を一時更新も続かず=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ロンドン市場で広がった円安の調整で始まった。日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁会見で、早期の追加利上げ期待をけん制する姿勢が見られたことなどから円売りが強まり、ドル円は141円台から144円40銭台まで上昇。高値から少し下げてNY市場を迎えると、143円50銭前後まで調整が入った。

 ウォラーFRB理事が、年内後2回の米FOMCでの利下げについて、ともに0.25%との見方を示し、ドル買いが強まると、米債利回り上昇を受けたドル全面高に、ロンドン市場の高値を超えて一時144円49銭まで上値を伸ばした。もっとも週末を前に144円台後半を買い上げる勢いはなく、少し下げて144円ちょうど前後での推移となった。

 市場は11月について0.25%利下げと0.50%利下げの見通しが拮抗、12月までには1回の大幅利下げを織り込んでいるが、ウォラー理事などから大幅利下げに慎重な姿勢が示されたことで、ドル売りポジションを整理するきっかけとなった印象。

 ユーロドルはドル全面高局面で1.1136を付けた。その後買い戻しが入り1.1170台を付けている。

 ユーロ円はロンドン市場でのドル円の上昇が円安主導で、ユーロ円などクロス円も同様に上昇したのに対して、NY市場での動きがドル主導となったことで、動きが落ち着いた。160円台半ば前後を中心とした推移。

 ポンド円も同様でロンドン市場で189円00銭前後から192円手前まで買われた後、191円台半ばでの推移。

MINKABU PRESS 山岡