スポニチ

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 賞金レースも残すは約2カ月となった。この時期のG1は選手のモチベーションもかなり高い。そんな中で迎えるボートレース若松の開設72周年記念「G1全日本覇者決定戦」は9月27日に開幕。スポニチはシリーズの注目選手を5回に渡って紹介する。1回目は土屋智則(39=群馬)。今年は尼崎グラチャンで2回目のSG制覇を決めた。意外性の男が身につけた安定感。決して、侮るなかれ。

 驚きのグラチャンVと言えば失礼か。昨年の戸田クラシックでSG初制覇の土屋。2年連続SGVを予想したファンは少なかった?それもそのはず、昨年はオールスター以降のSGで予選敗退続き。グランプリも見せ場はなかったのだ。優出した今年の平和島クラシックは転覆失格。昨年のSG優勝はたまたまだった?そんな周囲の評価もある中で迎えたグラチャン。力強く駆け抜けた。そこに驚きは皆無。土屋は強い。周囲が一目置く男に昇格した。

 「振り返ると、昨年は守りに入っていました。SGを勝ったのに18人に入ればいいって思っていました」

 これはグラチャンV後のコメントだ。昨年は欲がなかった。腹八分での走り。それゆえ、トライアルは2ndではなく、1stスタートとなった。本番でも結果が出ずシリーズ戦回り。壁に跳ね飛ばされた。今年は違う。SGを優勝しても賞金上積みに飢えている。

 「賞金面で余裕ですか?そんなことはないですよ。6人に入りたいですから。ダービーに出られない分、G1で、と思っています」

 びわこ72周年終了時点で、賞金ランクは6位にいる。来月のダービーに出場しない土屋にとってこれからが正念場だ。一つのレース、特に賞金の高いG1は重要であり、だからこそ、若松周年には準備万端で挑む。

 「最近の調子はいいと思います。ペラはグラチャンを勝った時をベースにしていてどこに行っても同じ。合ってくれています。若松も嫌いじゃないです」

 今年のSG覇者に敬意を表してか、2日目ドリームに5号艇で登場する。勝負の10月&11月。土屋の濃密で激アツの秋が始まった。