【週刊現代】「弟がタンバリンで兄を半殺し。ギター破壊も日常」だった…世界一仲が悪いロックバンド「オアシス」再結成、ギャラガー兄弟の凄まじき《ケンカ史》
世界を驚かせた「突然の再結成」
世界が注目する兄弟ケンカがついに雪解けを迎えた。
日本時間の8月27日午後4時、世界的ロックバンド「オアシス」が再結成を発表した。公式SNSは「銃声が静まり、星が一列に並んだ。長い待ち時間は終わりだ」という声明とともに来年7月からスタートするイギリス、アイルランドでのツアー日程を告知。世界中を驚かせている。
再結成の発端となったのがフロントマンとギターを務めるギャラガー兄弟がSNS上に投稿した数字の羅列だった。音楽ライターが語る（以下「」は同様）
「発表前日となる26日、兄弟は自身のインスタグラムに『27.8.24』『8am』と数字が並ぶ内容を相次いで投稿。2024年8月27日、イギリス時間の午前8時に何かを告知する予告動画でした。再結成を匂わす内容だけに様々な憶測が流れました」
1991年にイギリス・マンチェスターで結成されたオアシス。バンドの中心メンバーとなるのが作詞作曲を手掛ける兄のノエル・ギャラガー（57）とボーカルを務める弟のリアム・ギャラガー（51）だ。
「世界一兄弟仲が悪いロックバンド」
「アイルランド系の貧しい家庭に生まれた兄弟が作る楽曲は瞬く間にイギリスの労働者階級の心を掴んだ。王道のロックサウンドから『第2のビートルズ』とまで呼ばれ、人気バンドへと成長。全世界でのトータルセールスは7700万枚以上を記録しています。中でも1995年に発表したセカンドアルバム『(What's the Story) Morning Glory？』はイギリスの歴代売上3位を誇り、社会現象とまでなりました」
しかし、2009年にギャラガー兄弟がケンカ別れする形でバンドは解散。以降も関係が修復することはなく、報じられるのは二人の壊滅的な関係性だけだった。SNSでの投稿はそんな最中での出来事だ。
「衝撃だったのはギャラガー兄弟がともに同様の動画をアップしていることでした。オアシスは『世界一兄弟仲が悪いロックバンド』と揶揄されるほど、両者の不仲は有名。
これまでも弟のリアムが再結成を示唆する内容をメディアで語ることはあったものの、兄のノエルは沈黙を守る、または暴言を吐くケースが多かった。しかし、今回は兄弟がともに同じ内容を同時間帯に投稿。絶望的だった再結成が現実味を帯びていると注目を集めていました」
「あいつはクソ野郎」「腰抜け」
解散後もギャラガー兄弟によるケンカや再結成に関する暴言は絶えず、解散から2年後となる2011年、リアムはメディアの取材に対し「ノエルとバンドをやるくらいなら自分のクソを食べたほうがマシ。あいつはクソ野郎だ」と発言。
ノエルも13年のインタビューで「オアシスを観たことがあるなら、それは良かった。もしなかったなら、ファッキン御愁傷様。俺もビートルズを見たことがない。そういうことだ」と再スタートに否定的な態度を見せた。
さらにノエルは昨年のラジオインタビューでは再結成をほのめかすリアムに対して「何か計画があるなら電話してくるべきだ。あいつが俺と話さないのはわかってる。腰抜けだからな。話はそこからだ。じゃなきゃ、あいつはちょっとずるい。電話してこい。お前が言うべきことを聞こうじゃないか」と挑発したことも。
この言葉にリアムも「お前は厚かましくも、俺を腰抜け呼ばわりするのか。よく言うぜ」と返答し、和解するには程遠い二人の距離感を露呈させた。
それでもファンを含め再結成を望む声は少なくなかった。
有名アーティストが仲介も…
「イギリスの人気バンド『1975』フロントマンのマシュー・ヒーリーもCBCのインタビューでオアシスについて『世界で一番クールかもしれないバンドでありながら、兄弟で揉めてるから、一緒にやらないなんて想像できるか。大人になった方がいい』と再結成を呼び掛けたこともありました。しかし、この発言に弟のリアムは『俺たちの勝手だ。ガキ』と反論。兄のノエルもマシューを『間抜け面のクソ野郎』と一蹴するだけでした」
オアシスを解散まで追い込んだ二人の軋轢はどのようなものだったのか。兄弟ケンカ史を紐解くと再結成がいかに紆余曲折の末の出来事だったのかが伺える。
両氏の仲が鮮明化されたのがデビュー直後となる1994年に行われたロサンゼルスでのライブだ。
「オアシスは同年にファーストアルバム『Definitely Maybe』を発表。そのツアーのなかで弟のリアムがドラッグを使用していたことが発覚し、兄のノエルが激怒。罵り合いとなり、挙句はリアムが持っていたタンバリンでノエルを殴りつけるトラブルにまで発展したとされています。激怒したノエルはバンドを一時脱退。すぐに復帰しましたが、この一件で二人の関係性が世間にも広く知られました」
その後もツアーやレコーディングを行う度に兄弟仲は悪化。ケンカは絶えず、その度にライブのキャンセルが相次いだ。
ついには法廷闘争へ
「1996年に開催されたツアーではリアムが喉の不調を訴えて不参加を発表。しかし『調子が戻った』と再びライブに復帰しようとする弟を見て、ノエルが激怒。再び熾烈なバトルを繰り広げています」
兄弟ケンカはバンド内に留まらず、ついには司法の場へと移った。
「09年のイギリス公演では『喉の調子が悪い』とリアムが公演を急遽キャンセル。しかし、ノエルは『ただの二日酔いだ』とこき下ろした。返す刀でリアムは兄の提訴を発表。この時は実際にリアムが病院で喉頭炎の診察を受けていたことが分かり、ノエルが謝罪。ただその後もノエルは『リアムがギターを振り回してきたこと』や『自身の妻に対してのリアムの暴言』をまとめた供述書を裁判所に提出するなど骨肉の争いとなっていました」
そして09年8月、行き過ぎた兄弟ケンカはバンド解散へと着地する。
「パリ公演で出演直前に2人が口論となり、リアムがノエルのギターを叩きつけて破壊。怒ったノエルはその場を後にし、オアシスは解散。もちろん公演は直前で中止になっています。壊されたギターはのちにオークションにかけられ、約5200万円で落札されています」
「再解散の可能性も…」
2020年に公開されたドキュメンタリー映画『リアム・ギャラガー：アズ・イット・ワズ』では解散劇の真相についてリアムはこう語っている。
「解散のきっかけについてはリアムは『ノエルが雑誌のインタビューで俺がオアシスの秘密を垂れ流してると話していた』と説明。そのことを彼がノエルに咎め、兄弟ケンカへと勃発。ノエルが自身の大事なギターを壊したことに腹を立て、自分も兄のギターを破壊し、バンドは解散したと語っています」
一方、ノエルは地元・イギリスの雑誌取材で解散当時をこう振り返っている。
「デイリースターのインタビューでノエルは『（ケンカをして）俺は、クソ食らえ、俺は家へ帰る、ファックオフ！って言った、だけど時間が経つにつれて、ライブをやれば良いものになったかもしれない。ライブをやった方が良かったのか、それはわからない』と未練とも取れる発言をしていて、話題を呼びました。しかし、解散後もメディア上での兄弟による応酬は続き、再結成は絶望的というのが大方の予測でした」
そんななかで降って沸いた今回の発表。待ちに待った両氏の和解とバンド再始動にファンたちの喜びもひとしおだが、ライターはこう不安視する。
「一時的に良好になったとしてもこれまでの2人の関係性はまさに最悪。またケンカが起きれば即ライブの中止、オアシス解散もあり得る。正直に言えば無事にツアーを走り切れる可能性としては低いと感じてます」
来年後半にはヨーロッパ以外の大陸公演も計画中だというオアシス。果たしてギャラガー兄弟は無事に同じステージに立てるのか。世界が注目する兄弟ケンカの行方やいかに。
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