写真:AP/アフロ

 8月17日、日本マクドナルドが公式Xにアップした、AIによるプロモーション動画が物議を醸している。

「話題の動画は、生成AIで制作された『マックフライポテト』のプロモーション動画です。8月19日から始まる同商品の250円セールを告知するためのもので、楽曲にあわせて、マックフライポテトを手にした若い女性が次々と登場する約15秒間の動画です。

 動画内のイラスト生成とアニメーションは『Kaku Drop 架空飴』(@KakuDrop)さんが担当しています。

 動画冒頭、小さく『※本件映像は生成AIにより制作しています』との表記が出ますが、最後に登場する女性の指が『6本あるように見える』などの指摘も出たことで(現在は修正)、視聴者からは批判の声が相次いでいます」(芸能記者)

 実際に動画を観てみると、ビジュアルにすぐれた若い女性が次々と登場するポップな動画ではあるものの、どこか違和感があるのは否めない。公開された動画に対してはX上で、

《単純に不気味》

《AIにチャレンジは良いけどマクドナルドのコンセプトに合ってないよね。ただAI使ったってだけ》

《しょうもないまとめサイトにしか表示されない整形顔バナーやん》

《正直動画が気持ち悪いのでモス買います》

 など、多くが違和感を表明したものだ。

 企業がAI広告に走る理由を広告代理店関係者が語る。

「2023年には、伊藤園が『お〜いお茶 カテキン緑茶』のテレビCMに、日本で初めてAIタレントを起用して話題となりました。生成AIによって制作されたテレビやインターネットのCMは、徐々に増えています。

 最近では、今年5月に衣料品販売チェーン『しまむら』が生成AIで制作されたファッションモデル『瑠菜』を起用したことも世間の関心を集めました。しまむらは、AIファッションモデルを起用した理由について、産経新聞の取材に『人間のモデルを起用すると、撮影から広告までに時間がかかり、スピード感で課題があった』と回答しています。

 CMに起用したタレントのスキャンダルが報じられると、企業にとって大きなダメージとなりますが、AIモデルならそのような心配もない。AIモデルの起用には常に賛否が湧き起こりますが、企業側にとってはメリットが大きいので、これからも広まっていくとみられます。

 ただ、同じマクドナルドで言えば、現在男性アイドルグループのNumber_iが起用され、ファンが “応援” するために購入しています。広告のキャスティングは単なるビジュアルだけでなく、熱量のあるファンを引きつけることが狙いになるケースも多い。そこに “人間” の勝機があると思います」(広告代理店関係者)

 この先、CMに登場するのがAIだらけになるのは、勘弁してほしいものだが……。