練習に励む武居由樹(撮影・棚橋慶太)

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 「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(9月3日、有明アリーナ)

 元WBC世界フライ級王者で1位の比嘉大吾(志成)の挑戦を受ける王者・武居由樹(大橋)が20日、横浜市内の大橋ジムで公開練習と記者会見を行った。

 5・6東京ドームでジェーソン・マロニー(オーストラリア)に判定勝ちして王座を奪取した武居は「マロニーに勝ったことですごく自信もついた。チャンピオンになったという責任感を持って練習に取り組んで真剣にやったので、全体的にレベルアップしたんじゃないか」と、心技体の成長を感じているよう。

 初防衛戦となるが、「K−1チャンピオンとしてボクシング界に負けたら終わりくらいの気持ちで来ているので、別に今回がどうっていうことはない」と、思うところは変わらないという。

 マロニー戦の前に同門の4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥にハードなマススパーでボコボコにされたことが話題となったが、今回は「この前やったマススパーはやらなかったんですけど、集中トレーニングにも参加して、普通の当てないマスも何回かやらせてもらったので、マロニー戦よりは一緒に練習させていただきました」という。尚弥からは「当てないマスをやった時に何個かアドバイスをいただいたので、それをイメージしながら練習しています」と明かし、「当然それは言えません」と内容は秘した。

 比嘉のトレーナーを務める野木丈司氏は長く大橋ジムのトレーニングも担当しており、武居、武居のトレーナーの八重樫東氏、「10年近く前から大橋ジムに出稽古に来ていて最初から知っている」(大橋秀行会長)という比嘉ともども、マロニー戦までは「長い間、一緒にトレーニングしてきた仲間」(八重樫氏)でもあった。

 大橋氏は「野木さんには本当にお世話になってきて、大橋ジムの強さの根本にあるのは野木さんのトレーニングってすごく大きい」と感謝しており、「試合をやるとなると、全員がすごく複雑な気持ちだと思う」と本音を吐露。この日、視察に訪れた野木氏も「同じです。大橋会長にはものすごくお世話になっていますし、大橋ジム大好きですし」と首肯した。

 もっとも、野木氏が「結果がどうあれ、それで後腐れができるもんでもないと思ってますので、勝負に徹して一生懸命やります」と言うように、試合では両陣営とも勝負に徹する。大橋氏は「恩返しを試合にぶつけたい。こちらが絶対に勝つ気持ちでいきたい」、八重樫氏は「敬意を持って試合に臨みたいし、しっかりとリスペクトを持って倒しに行きたい」と必勝を期した。

 マロニー戦前に比嘉から激励されたという武居も「今回は跳ね返させてもらいます。お互いKOを狙う選手なのでKO決着だと思うので。自分だけがいいパンチを当てて倒しきりたい。絶対、派手に倒せると思う」とKO宣言。

 比嘉について「近い距離を狙ってきて、回転力が早い、強いのパンチを打ち込んでくるのをどう対処するか。パワーにも気をつけたい。自分の得意な距離、大吾さんを近い距離に入れないで、強いパンチを自分の距離から当てて倒すのがポイント。八重樫さんからちゃんと作戦は聞いています」と、キーポイントを距離に置いている。

 大橋氏は「激闘になって、KO決着になると思う。本当にすごい試合になると思う」と、死闘を予告していた。