【ネタバレ】モラハラ、DV気質、不倫。三拍子そろった夫に妻が反旗をひるがえす!『離婚まで100日のプリン』
【最初から読む】モラハラ・DV・不倫のクズ夫と離婚するまでの軌跡を描く『離婚まで100日のプリン』
結婚したら配偶者の性格や態度が変わってしまった…というケースは、よく聞く話ですよね。
漫画『離婚まで100日のプリン』の主人公・プリ子の夫も、結婚後にモラハラやDV、同僚との不倫が発覚した残念な男性です。今回は、プリ子がそんな夫との離婚を果たすまでとその後をご紹介します。
記事の後半で、最終回のネタバレに触れています。ネタバレしてほしくない!という方はご注意ください。
■モラハラにDV、やりたい放題の夫が不倫まで⁉
妊娠中に体調不良になったことで看護師を辞め、専業主婦になったプリ子。出産後は必死に赤ちゃんのお世話をする毎日でしたが、夫のプリ彦は家事や育児にあまり協力的ではありません。
慣れない育児に奮闘中の妻を気遣うでもなく、自分の要求だけを突き付けてきます。
プリ子を見下したような発言も止まりません。
そんなモラハラにもめげずに夫と話し合おうとするプリ子でしたが、怒ったプリ彦は壁を蹴って穴を開ける始末。
会話も成立せず、気分次第で怒鳴り、時には物に当たる夫。次第にプリ子は、プリ彦が帰宅する時間になると震えが出てしまうように。彼女の心は、限界に近づいていたのです…。
一方のプリ彦には言い分がある様子。看護師として働きしっかりと収入を得ていたプリ子が、妊娠をきっかけに仕事を辞めたこと。さらに出産してからの妻は子どもにかかりきりだったため、プリ彦は、もっと自分にかまってほしかったよう。子育てに頑張る妻に対して、ある意味自分勝手な言い分です…。
そんな彼は、思わぬ行動に出ていました。
妻以外の女性に癒しを求めたのです。
その女性とは、夫と同じ会社の後輩・馬場いちご。周囲からはババロアと呼ばれています。
プリ彦とババロアは、昼休みや終業後に密会を続けており、なんとその関係は1年以上も継続している様子。結婚願望の強いババロアは、プリ彦が離婚して自分と再婚してくれることを切望しています。
■サレ妻の友人に背中を押されて…
ある日、プリ子はプリ彦の脱ぎっぱなしのスーツのポケットから、女性もののピアスを見つけてしまいました。彼女は夫の不倫を疑いますが、証拠はありません。
しかしプリ子は、晩酌中に寝落ちした夫のスマホのLIME画面に信じられないものを発見してしまうのです。
それは夫と不倫相手とのラブラブなトーク履歴でした。
すぐさまプリ子は、地元の友人であるナタデコ子に連絡します。事情を話すと、共通の友人であるタピ岡が離婚していること、原因は彼女の元夫の不倫であることを教えてくれました。
早速プリ子は、タピ岡に相談してみることに。
タピ岡に連絡はしたものの、子どもがいることもあり離婚するまでのふんぎりがつかないプリ子でしたが、夫のスマホに残された不倫の決定的な証拠を見つけてしまいます。
それを見たことで、やっと決意が固まったプリ子は、タピ岡に離婚を目指して進めることを告げます。
まずプリ子が始めたのは、不倫相手を特定することです。夫宛てに届いていた年賀状をもとにフェイスブックを検索。
簡単にはいかないだろうと思っていたプリ子でしたが、意外にも相手はすぐに見つかりました。そしてプリ子は、夫が寝た後でLIMEをチェック。不倫の証拠を次々にゲットしていきます。
離婚を決意したプリ子でしたが、最大のネックはやはりお金のこと。
プリ美の保育園探しが難航して心が折れそうになりながらも、そのたびに夫のこれまでの行いを思い出し、覚悟を固めるプリ子なのでした。
■【ネタバレ】夫と不倫相手を一刀両断!
彼女が考えた作戦は、子どもとともに実家に帰り、母に助けてもらいながら仕事を探す、というもの。仕事をしていることは保育園探しの武器になります。看護師ならさらに優先的に入れることもあるらしく、プリ子は、一度は激務のため辞めた看護師として復職することに。
それからのプリ子は、養育費や慰謝料について離婚経験者のタピ岡に相談しつつ、離婚準備を進めていきます。
実家に引っ越すための荷造りも終え、タピ彦には来週から実家にしばらく帰ると告げました。
すぐさま夫はプリ子に嫌味を言った後、即行で不倫相手に連絡し自宅に誘ったのでした。
プリ美とともに実家に帰ったプリ子でしたが、自宅を出る前に、室内に見守りカメラを仕掛けていました。運よくいけば、これで夫が自宅に連れ込んだババロアとの不倫現場を撮影できるとふんだからです。
不安になりながら迎えたその日の夜、見守りカメラのブザーが異変を告げました。プリ子の予想通り、プリ彦がババロアを家に連れ込んだようです。
仕掛けた罠にまんまとハマった夫と不倫相手に、離婚と慰謝料を請求することを堂々と宣言するプリ子。
そして気が滅入りましたが、自分の親にはすべてを正直に話しました。
娘のためにも自分が人生に妥協しない姿勢を見せたいプリ子は、不倫して自分と娘を裏切った夫を捨て去るつもりなのです。
こうして迎えた夫との話し合い当日。
店に入ってくるなり声を荒げてきたきた彼をプリ子は冷静に論破し、ノートにまとめた養育費や慰謝料についての要求を淡々と突き付けます。
プリ彦の記憶の中の妻は、怒鳴ればいつも萎縮していました。しかし今日は違います。プリ子が落ち着き払っていることに驚いた様子のプリ彦を残し、店を去る彼女。その後、夫とはメールで離婚の条件を話し合い、夫からの養育費の不払いを防ぐために公正証書も作成しました。
一方の夫と不倫相手は、お花畑な精神状態なようで、ババロアは同僚に、もうすぐ離婚するプリ彦と結婚することをばらしてしまいました。
案の定、プリ彦とババロアの不倫のウワサは、すぐさま社内を駆け巡ったようです。
離婚と再婚に突き進むプリ彦には、社内の冷たい視線も、同僚からの忠告も届きません。
■【ネタバレ】不倫が会社にバレたふたりの末路とは
離婚協議書の作成もすみ、プリ子はついに離婚届をゲットしました! あとはそれを役所に提出するだけです。
念願かなって晴ればれしたプリ子の一方で、プリ彦は悲劇に見舞われていました。
不倫の話を聞いた上司から、プリ彦かババロアのどちらかが会社を去るようにと迫られたのです。
プリ彦は男である自分が職を失うのはまずいと、退職を固辞。
怒った彼女はプリ彦を問い詰めました。その日以降、ババロアのプリ彦に対する態度は明確に冷めていきました。
一方、プリ子が就職面接のためある病院を訪れたときのこと。
どこか見覚えのあるイケメンドクターに声をかけられます。それは近所に住んでいたお兄さん・ケイキで、プリ子の初恋の人でもありました。予想外のうれしい再会に心躍るような気持ちのプリ子。
その日の夜、ババロアから冷たくあしらわれて意気消沈したプリ彦から復縁の申し出がありましたが、すっぱりと断りました。
役所で離婚届を提出したプリ子は、新しい一歩を踏み出したのです。
■【ネタバレ】元夫、不倫相手からの信用もなくす
不倫によって信用をなくしたプリ彦は、異動を命じられます。ショックを受けた彼は、そっけない態度を続けるババロアの気持ちを確かめるように、彼女を問い詰めます。
「オレ達…結婚するんだよね⁉」
しかし会社を辞めざるをえなくなった恨みは深いのか、ババロアの態度は冷たいまま。
痛い所をついてくるババロアの言葉に怒りを隠せず、プリ彦は壁を殴ってしまいます。それを見たババロアはDV男の気配を感じ、「距離をおきましょ」という言葉を残して去っていきました。
プリ子は、ケイキの職場のBBQ会に招かれていました。その場の会話をきっかけに、プリ子は、ケイキくんが元妻の不倫が原因で離婚し独り身であることを知ります。
プリ彦に見切りをつけたババロアは、会社の後輩・パンナコッ太を飲みに連れ出していました。彼女は彼を新しい恋人にしたかったようですが、パンナコッ太には「ムリ」と拒絶されてしまいます。
「自分のことも他人のことも もーちょい大事にしたほうがいいっすよ」
そう言い残しパンナコッ太はさっそうと帰ってしまった…ように見えましたが、実は飲みすぎたババロアのため、何も言わずにタクシーを拾ってくれていました。優しい一面もあるようです。
■【ネタバレ】自業自得! 居場所をなくした元夫
面接を受けた病院に採用され、ケイキと同じ職場で看護師として働き始めたプリ子。初日こそ緊張していましたが、職場の同僚は優しい人ばかりでひと安心です。
ババロアは、パンナコッ太とスイーツを食べに行きます。ババロアの悩みを聞いてくれるという約束でしたが、彼女の不倫の話題になって…。
あまりにもズケズケとした物言いをするパンナコッ太に、たまらずババロアは、何か自分に恨みでもあるのかと聞いてしまいました。「内緒」と言うパンナコッ太ですが、まったく納得できない彼女は、社内で見かけたパンナコッ太の友人を呼び止め、彼の過去を探ってみることにしました。
転職先は見つからないまま、退職の日を迎えたババロア。社内不倫で信用を落とした彼女を温かく送る人はおらず、むなしさがつのります。
荷物をまとめて会社を出ようとした彼女を呼び止めたのは、プリ彦でした。
落ち着くまで一緒に暮らそうと言う彼に、ババロアは泣きながら言いました。
「もう終わりにしましょ サヨナラ」
プリ子がプリ彦と離婚して2か月が経過しました。新しい職場にも慣れ、子どもも元気に育っています。幼馴染であり同僚の医師でもあるケイキの存在も大きく、離婚してよかった…そう実感する日々です。
一方のプリ彦は、異動先が正式に決まりました。新天地である小菓市(おかし)は、プリ子の実家がある場所です。知り合いのいない土地で心機一転、頑張るつもりのプリ彦ですが、どうやらこちらの支社にも不倫のウワサが届いていたようで、他の社員から向けられる視線は冷ややか。
自分の居場所がどこにもない…と落ち込んだプリ彦は、元妻と娘の存在を思い出し、プリ子の実家へと足を向けます。そこで、自分の元妻とケイキが談笑しているのを目撃し、衝撃を受けます。
■【ネタバレ】不倫被害者でなければ分からない心の傷
求職活動中のババロアは、思うところがあり、パンナコッ太を呼び出していました。彼女は、プリ彦と別れたことを告げます。
そして、パンナコッ太が不倫する人間を毛嫌いする理由を彼の友人から聞いたことも明かします。友人の話によると、パンナコッ太の母親も過去に不倫をし、そのせいで家族がバラバラになったそう。
実際の不倫の被害者を前にして、過去に自分がしていたことを懺悔するババロア。「私 ちゃんと幸せになりたい 今からでも…変われるかな…?」と泣きながら問いかける彼女に対し、パンナコッ太は「知らねーよ」と言い放ちます。
そのときババロアのスマホに着信が。
それはプリ彦からでした。会社にも居場所がなく、元妻の元にも戻れないと悟ったプリ彦は、いちるの望みをかけてババロアと復縁するために電話をしてきたようです。
ババロアに代わって電話に出たパンナコッ太は、プリ彦を「キモイ」と一喝。
突然のことに言葉を失うプリ彦をそのままにして、勝手に通話を終わらせてしまいました。そして彼は、呆気にとられた様子のババロアに対し一言。
「失敗で人は決まらない 失敗のあとが人を決めるんスよ」
その言葉は、パンナコッ太からババロアへのエールでした。
プリ子からもババロアからも完全に振られたプリ彦は、プリ子との離婚を後悔していました。いまならまだやり直せるのではないかと自分勝手な思いが募り、彼はプリ子の実家へと向かいます。
その日プリ子は、ケイキと娘とともに動物園に出かけていました。家まで送り届けてくれたケイキが帰宅した瞬間、プリ彦に肩を掴まれ「あいつは誰なのか」と詰問されます。
プリ彦にはもう関係のないことだと言い返すプリ子でしたが、プリ彦はしつこく食い下がってきます。するとそこに帰ったはずのケイキが! その場をとりなし、プリ彦を帰らせてくれました。
その後も、プリ子と娘のことを心配するケイキ。ストーカーのようになってしまったプリ彦から二人を守るため、ある策を思いつきます。それは、プリ子と娘を自分の家に呼び寄せ、一緒に暮らすことでした。
ある日の終業後、一緒に暮らさないか、とプリ子に問いかけるケイキ。
予想もしなかった展開に焦ったプリ子は、「お付き合いしようってことかと思った」とおどけます。するとケイキは「もちろんそのつもりだよ」と。
「プリ子ちゃんが好きです 子どもの頃から大切な人でした」
プリ子の目は、喜びの涙であふれていました。
■【ネタバレ】それぞれの決断の先にあったもの
ババロアは、新しい職場にも慣れ、仕事にもやりがいが出てきました。さらには職場で気になる人もできたようです。その男性の名前はカス寺。ババロアが過去に不倫し慰謝料を払ったことがあることも知ったうえで、彼女に好意を伝えてきたそう。
ババロアの返答はこれからのようですが、仕事にも恋愛にも誠実に向き合うと決めた彼女はどういう未来を選ぶのでしょうか?
一緒に暮らし始めてから1年後、プリ子とケイキは結婚しました。それからさらに時は過ぎ、プリ子のお腹には子どもが宿っています。あの当時赤ちゃんだったプリ美も成長し、新しい生命の誕生を一家で待ちわびていました。
そして迎えた出産当日。家族全員での立ち合い出産に臨んだプリ子は、元気な男の子を産みました。
離婚と再婚を経てたどり着いた、プリ子の満ち足りた生活。産院から退院して久しぶりに戻った自宅で、家族4人で布団に横たわりながら、プリ子は幸せをかみしめるのでした。
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モラハラに不倫と、予想を上回るひどい夫ぶりを見せたプリ彦が自業自得なラストを迎え、彼からのひどい扱いを耐え忍んだプリ子が幸せになる、そんな勧善懲悪な展開にスッキリ! …なのですが、本作の魅力はそれだけではありません。
不倫していた過去を反省し「幸せになりたい 私変われるかな?」と口にしたババロアに対し、パンナコッ太が「知らねーよ」と突き放す場面。そしてその後の「失敗のあとが人を決める」という彼のセリフ。
自らの強い意志と覚悟があれば、人はやり直せる、という作者の信念を感じます。
実は本作には続きがあり、ババロアとパンナコッ太のその後も描かれているようです。自分の犯した罪と向き合ったババロアは、幸せをつかむことができるのでしょうか? この先もまだまだ目が離せません。
文=山上由利子