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(MCU)は、ただいまマルチバース・サーガのまっただなか。ところが『デッドプール&ウルヴァリン』の場合、「マルチバースは背景でしかない」という──。監督のショーン・レヴィが語った。

思えば、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)からマルチバースの概念を取り入れたMCUだが、その扱い方には苦慮を重ねてきた。ソニー・ピクチャーズ製作『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズが軽やかにマルチバースを操り、別のところでは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)が成功を収める中、MCUはマルチバースゆえにフランチャイズ全体が拡散し、いくつもの問題が浮上してきたのだ。

たとえばスケールの大きな物語をどこに着地させるのか、「死んだキャラクターも別バースでは生きている」という“命の軽さ”にどう向き合うか。実際に『デッドプール&ウルヴァリン』でも、『LOGAN/ローガン』(2017)で死んだはずのヒュー・ジャックマン版ウルヴァリンが復活を果たしている。また、どうしてもマルチバースの設定は複雑でわかりづらくなりがちで、それが“MCU疲れ”を招いた一因ではないかともいわれているのだ。

この状況で、『デッドプール&ウルヴァリン』はいかにマルチバースのコンセプトを取り込みながら、観客の心に迫る作品を目指したのか。

米にて、デッドプール役のライアン・レイノルズは「感情を揺さぶるかどうかは、(登場人物の)生死とはほとんど関係ありません」と語った。監督のレヴィも、「『デッドプール』は決して宇宙の戦いやユニバースを救うようなシリーズにはなりません」と強調している。

「(『デッドプール』シリーズの魅力は)非常にきちんとしたキャラクター。この映画には大きなスペクタクルもありますが、私たちの心に刺さるのはローガン(ウルヴァリン)やウェイド(デッドプール)の危機なのです。マルチバースは背景でしかありません」

この発言は先日、レヴィが本作をMCUの初期作品になぞらえたことにも響き合っている。本作は「MCUの世界的危機よりも、キャラクターの危機のほうがずっと大切」な映画だとのだ。

もっともマルチバースといえば、“やりたい放題”ができることもひとつの魅力で、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)などにもそうした側面はあった。同じく“やりたい放題”が魅力のデッドプールがそこに参入した結果、両者の相乗効果は発揮されるのかどうか。すでに予告編では、崩壊した20世紀フォックスのロゴが、まさに文字通り“背景”に横たわっているが……?

映画『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月24日(水)世界最速公開。

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