ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第15回は“愛知編”
![愛知県のご当地インスタントラーメン食べ比べ](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/5/5/55926_1562_fb1298b7_609910f9-m.jpg)
●タヌキが目印のかわいいラーメン
最初に紹介するのは、大正5年に愛知県豊橋市で誕生した山本製麺が昭和39年から発売し、現地を中心に今なお愛される「ポンポコラーメン」。ご当地ラーメンのインスタント版ではなく、インスタントラーメンがご当地グルメという、いつもと逆のパターンだ。
まずは、スープからいただいてみよう。ゴクリと飲み込むと、「うんうん、これこれ」。初めて食しているのに、求めていた味そのもので懐かしさすら感じるから不思議だ。しっかり醤油と化学の味わいがブレンドされており、派手さはないけど、じんわり美味い。
次はちょいと太めのちぢれ麺をズルズルいただくと、「うーん、ノスタルジック」。ちょいと粉感があって、子どもの頃にお婆ちゃんが作ってくれたインスタントラーメンの思い出が蘇る。
総評
ご当地感★★★★★
汁の個性★★★☆☆
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★★★☆
合計15ポイント
豊橋で愛され続けるインスタントラーメンであり他のエリアで見かけないことから、ご当地感はマックス。麺、スープともになじみ深いせいで個性としての星は伸び悩んだが、土産度も高ポイントとなり、まずまずの結果となった。
●人気店の甘辛味をラーメン化
辛さが選べる「赤から鍋」が人気を博す、名古屋発祥の飲食店が監修。鍋の〆のような満足感が得られるか楽しみだ。麺は細めのノンフライ麺で、4分ほど茹でた後、同じ鍋に液体スープを入れると完成。
スープはオレンジ色にも近い鮮やかな赤色で、なかなか辛そうだ。香りは通常の醤油や味噌ラーメンとも違う、韓国料理のような奥行きを感じるが、さてお味はどうか。
やはりスープからズズズとすすると、「お、辛い!」。と一瞬思いや、さっと辛みが去ってコチュジャンのようなコクが姿を現す。そして、同時にそこそこの甘みが登場。「あれ、最初に辛かったのって勘違い?」。実際、スープを飲むほどに甘さが強くなっていく。
お次は麺をズルルっといただくと、「うん、やっぱほんわか甘いっす」。辛みもなくはないけど、細ちぢれ麺にスープがしっかり絡んて、コクのある甘みが圧勝。名古屋名物である味噌カツのソースも筆者にはかなり甘く感じるし、さすが名古屋、オリジナリティ溢れる「からさ」の表現力に感服でござる。
総評
ご当地感★★★★★
汁の個性★★★★★
麺の個性★★★★☆
お土産度★★★★☆
合計18ポイント
地域の人気店監修に加え、味わいが如何にも名古屋らしいことからスープの個性とともにご当地感が星五つを獲得。好き嫌いが分かれそうな味ながら土産度も星四つとなり、かなりの高得点をマークした。
●今や全国で人気を博すスパイシーラーメン
最後にいただいたのは、今や名古屋名物として全国に広まっているスパイシーなラーメン。名古屋に古くからある中国台湾料理店「味仙」の店主が、台湾のタンツー麺なるメニューをアレンジし「台湾ラーメン」として提供したのが発祥だといわれている。
特徴は、ピリ辛スープにニラとひき肉がたっぷり入っていること。ゴマの香りが際立つ担々麺とはまた違う、刺激的な一杯だ。講釈はこの辺にして、ではその味わいを確かめてみよう。
まずは赤茶色のスープをズズッと口に含んでみると、「おう!」。ガツンとした辛さが駆け抜け、その後に醤油の旨みがフワリと残る。激辛とまではいかないが、額から汗がじわりと滲むくらいスパイシーだ。
次は「赤から麺」同様の細めのノンフライ麺をズバババっといただくと、「辛さ復活!」。ニラの香りと相まって、奥行きある味わいが楽しめる。アジア料理が苦手でもこの美味さにハマる人は多いだろう。しかし、これを地域の名物にしてしまう名古屋飲食界のバイタリティにも驚かされる。
総評
ご当地感★★★★☆
汁の個性★★★★☆
麺の個性★★★★☆
お土産度★★★★☆
合計16ポイント
ご当地感や汁の個性は、本来、星五つのポテンシャルを秘めているが、今では全国でも人気の味わいであることから星四つ。また辛さが苦手な人もいることから、土産度も星四つとなり、刺激的な味の割に安定感あるスコアとなった。
●愛知県らしさを感じて大満足
今回のご当地ラーメンは、オリジナリティやバイタリティといった、さまざまな側面で愛知県らしさを感じることができ、大満足な結果となった。次回からも、その土地ならではのエッセンスが感じられるラーメンに期待したい。(エフェクト・山葉のぶゆき)