今津寛介・旭川市長(左)に報告書を手渡す再調査委員会の尾木委員長(30日午後2時32分、北海道旭川市で)

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 北海道旭川市の公園で2021年3月、中学2年生だった広瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)が凍死体で見つかった問題で、市の再調査委員会が6月30日に公表した調査結果について、広瀬さんの母親が2日、代理人弁護士を通じて談話を発表した。

 いじめと自殺の因果関係などを認めた調査結果に「とても辛(つら)い答えですが、しっかり受け止めたいと思います」と記した。その上で再調査委員や全国からの支援などに感謝の思いをつづった。

 再調査では、広瀬さんの死を「いじめ被害を主な原因とする自殺だった」と認定した。広瀬さんが自殺直前まで投稿していたSNSを分析し、「こわい」「死」など、長期にわたっていじめの被害に関わる言及を確認できたことが認定に大きく影響した。母親は、広瀬さんがいじめのフラッシュバックで苦しんでいた様子を目の当たりにし、「こんな分析ができるのかと驚き、同時に、とても悲しい気持ちになりました」と記した。

 再調査では、クラスで広瀬さんの特徴的な行動をまねして笑うといった行為や、クラス外の特定の関係で行われた計7件についても「いじめ」と認定され、「クラスでのいじめが、当該生徒の孤立感を生み、クラス外、それから学校外の人間関係に依存していくという大きな要因になっている」との判断を下した。

 この点について、母親は「教室で受けた『いじめ』がどれほど爽彩を孤立させたのか。性的いじめが、どれほど爽彩の心を傷つけたのか。(中略)残酷すぎる現実に、胸がえぐられる思い」とした。

 公表までの期間を「長くて辛い日々」と振り返りながら、「再調査の結果は以前とまったく違うものになりました」と評価し、「ぼんやりしていたいじめの姿が、とてもはっきりと見えるようになったことに驚いています」と記した。

 再調査委や、再調査を決断した市長への感謝の言葉をつづりながら、「本当にありがとうございました。引き続き、みなさまのお声を励みに頑張っていきたいと思います」と結んだ。