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 日本テレビの看板番組「24時間テレビ」が危機を迎えている。47回目となる今年の「24時間テレビ」(8月31日=土〜9月1日=日)。例年ならGW前にメインパーソナリティーが発表されるのが恒例だが、今年は出演者や企画内容などが一切公表されていない。関係者が声を潜めてこう話す。

「24時間テレビ」旧ジャニーズ起用めぐり日テレ内が真っ二つ! 募金横領事件いまだ後を引く

「メインパーソナリティーが決定していないようなんです。日テレは例年のようにSTARTO ENTERTAINMENT社(旧ジャニーズ事務所、以下S社)の所属タレントを起用したいと考えていた。しかし、いざ発表しようという段階になってS社が慎重姿勢を示し、待ったがかかってしまったんだとか。予定されていたキャスティング案が一度、白紙に戻ったと囁かれています」

 これまで日テレと蜜月関係にあったS社がここにきて距離を置こうとしているという見方もあるようだ。芸能プロ関係者が話を継ぐ。

「日テレを取り巻くスキャンダルの多さに危機感を抱いているようです。以前は『24時間テレビ』に所属タレントを出演させることはイメージアップとなりプラスの要素しかありませんでしたが、今年は違う。下手したらイメージダウンになりかねませんね」

 その理由は2つあるという。1つは昨年10月期に放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者である漫画家・芦原妃名子さんが急死した事件の検証発表が大いにこじれたことだ。

「まだまだSNSなどでは中途半端だという声が圧倒的。芦原さんの死にしっかりと向き合っていないという声が強いんです。バッシングの渦中にある日テレのチャリティー番組に出演することはリスクが大きいとみられています」(前出の芸能プロ関係者)

 自社の創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題が完全に解決していないS社はバッシングにナーバスになっているのだという。

 更には「24時間テレビ」を取り巻くスキャンダルだ。昨年11月に日テレ系列局の日本海テレビ幹部局員がこともあろうにチャリティー募金を横領するという前代未聞の事件が尾を引いているという。

「8年近くも横領を繰り返していたんです。視聴者の善意を踏みにじる行為でチャリティー番組の関係者として絶対にやってはいけない行為です。最終的に日テレは全ての責任を日本海テレビに押し付け、6月の人事で幹部局員が日本海テレビに異動したが事件の根本的解決にはなっていない。いまや日テレ局員の左遷先が日本海テレビになっただけの話です。現在も日テレはこの事件に対し大々的な記者会見を開かずスルー状態になっています」(事情通)

 頼みの綱のS社にもソデにされそうな日テレ。現在も出演交渉を重ねているがこじれているとの噂が大勢だ。その結果、今年の「24時間テレビ」のS社枠の出演者は放送前日もしくは当日の発表になる公算が大きいという。

「チャリティーマラソンランナーも同じ理由で当日の発表になりそうです。毎年、S社のタレントが出演するチャリティー企画は名物コーナーですが、今回は名ばかりで取ってつけたようなロケVTRになりそう。また、例年『24時間テレビ』内で放送されるチャリティードラマには残念ながらS社所属タレントの起用を見送ることになるかもしれない。7月には決まらないと収録が間に合いませんから」(制作関係者)

 旧ジャニーズのタレントの出演拒否、尾を引く「セクシー田中さん」問題、そしてチャリティー番組の根幹を揺るがす募金横領問題という“三重苦”を抱える「24時間テレビ」。番組としての使命はとうに終えたのかもしれない。