ハライチ岩井 野呂佳代の体型揶揄でSNS大荒れ…「“いじり”で笑いを取る時代」の終わりの始まり

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5月9日、ハライチ岩井勇気が自身のXを更新し、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演していた野呂佳代の体型を揶揄する投稿をして波紋を呼んでいる。

岩井は《野呂さんでかいなー》というコメントとともに、同日に放送された『ダウンタウンDX』(読売テレビ・日本テレビ系)に出演した野呂の姿を投稿し、揶揄したのだ。これに、野呂自身がレスし、気にしない様子を見せていることから大きな問題にならなかったが、一部SNSでは、《岩井は空気を読まない発言がウリなのかもしれないが、これは違う》 《職場のいじりがクッソつまらない男と同じことをするな》などと批判が止まらない。

確かに、『お笑い』の世界には、ネタやギャグとして、他人の容姿を揶揄するだけでなく、自分の容姿を笑いのネタにしている芸人が、令和になった今でも存在する。しかし時代は変わったーー。

「“容姿いじり”という言葉さえなかった時代でも、本来は許されることではなかったのです。今はコンプライアンスが声高に叫ばれるようになり、パワハラ、セクハラはもちろん、ルッキズムも厳しく糾弾される時代です。多くの人が視聴するテレビは特に注意を払わなくてはなりません。

たとえお笑いであっても、スルーすることはできません。番組やテレビ局、番組スポンサーに即クレームが来て、最悪、番組打ち切りに追い込まれることだってあります」(キー局バラエティ番組担当プロデューサー)

かつては、『どつき漫才』というジャンルが存在し、相方を叩いたり蹴ったりすることで笑いを取るコンビはたくさんいたが、その言葉自体が死語となりつつある。まだ存在はしているが確実にその数は減っている。

暴力的な行為はもちろんだが、落とし穴を仕掛けたり、パイを投げつけたり、バラエティ番組の定番ドッキリや罰ゲームも危険性を考慮して、おとなしめとなっている。そんな時代に、しかもSNSで、同業者でもタレントの容姿をいじるのは、たとえ冗談だとしても許されはしない。岩井に非難の声が集まるのは当然のことだろう。ただ、こんな声も……。

「業界内に、“どつき”や“容姿いじり”をいまだに肯定する考え方があるのも確か。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でのクロちゃんに対するドッキリや、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の温泉同好会で、女性芸人を冷水に落としたり。『ウエストランド』の井口浩之の身長いじりだったり……。

正直、『テレビ局にクレームさえ来なければやっても大丈夫』というのが制作側の本音で、『いじり笑い』に逃げる演出はもうしばらく続くでしょう」(民放バラエティ番組ディレクター)

しかし、これからの時代は、お笑いタレントも芸人もひんしゅくを買わない、品のいい笑いで勝負しなければならない、と言うのはお笑いタレントを多く抱える芸能プロの幹部だ。

「好感度が落ちることがなく、息の長いタレントは意味もなく他人の悪口を言ったり、貶めたり、罵詈雑言を浴びせたりはしません。代表的なのは所ジョージさん。タモリさんや笑福亭鶴瓶さんもそうですし、あれほど毒舌だった有吉弘行さんも今はキャラ変でファンが増えました。

元祖毒舌タレントのようなビートたけしさんだって、意味もなくむやみに他人を口撃したりはしません。常にキツイ言葉を発している印象がある上沼恵美子さんやお笑いコンビでいえば『サンドウィッチマン』もそうです。だから多くの人たちに長く愛されているのです」

「芸人はめちゃくちゃやるから芸人であって、面白いんだ」という声はなくならないが、少なくとも笑いを取るために他人を貶めようとするのは、もはや芸でもジョークでもないと肝に銘じなければならないだろう。

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