Googleが、スマートテレビ向けOSであるAndroid TVの次期バージョンであるAndroid TV 14を発表しました。Android TV 12から一足飛びでリリースされるAndroid TV 14には、主に消費電力やアクセシビリティの改善などが盛り込まれています。

Android Developers Blog: Everything you need to know about Google TV and Android TV OS

https://android-developers.googleblog.com/2024/05/android-14-and-compose-on-tv.html

Android 14 for TVs brings new energy modes, hope of better apps

https://9to5google.com/2024/05/15/android-14-for-tvs/

Android TV 14 Arrives With a Retooled Picture-In-Picture Mode

https://www.howtogeek.com/android-tv-14-arrives/

Android TV 14では、ユーザーは3つのエネルギーモードを選択できます。1つ目は、Google アシスタントやGoogle Castのネットワーク機能を通じてスリープを解除できる「最適化モード」で、2つ目はテレビの電源状態に関係なくGoogle HomeやGoogle アシスタント、Google Castをオンラインで使える「エネルギー増加モード」です。

そして、新しい「低エネルギーモード」では、テレビがスタンバイ状態の際に重要なアップデートを除くすべてのネットワーク機能をオフラインにすることで、電力の消費を抑えることができます。



Android TV 14には他にも、色補正やテキストの表示オプションなどの新しいアクセシビリティ設定が導入されています。ユーザーは、リモートショートカットを使ってこれらの機能の有効化と無効化を切り替えることができますが、実際にどのように機能するのかについてはまだ明かされていません。Googleは、これらの機能の一部の動作はテレビ本体ごとに異なる可能性があるとしています。

Googleはまた、一部のモデルで「ピクチャー・イン・ピクチャー」モードがサポートされることも発表しました。この機能は本来、Android TV 13の新機能として2023年にリリースされる予定だった機能で、技術的には2016年のAndroid TV 7以降のすべてのバージョンでサポートされていたとのこと。テレビ本体の処理速度の問題で実装が見送られてきましたが、今回のAndroid TV 14のアップデートによりGoogleから認定された一部のモデルに解禁されることから、それ以外のモデルのメーカーもピクチャー・イン・ピクチャー実装の動きに追随するのではないかと期待されています。

ピクチャー・イン・ピクチャーはストリーミングアプリ、ビデオ会議アプリ、スマートホームアプリで使用可能で、例えばテレビの隅にあるセキュリティカメラからのライブフィードをストリーミングするといった使い方ができます。また、ピクチャー・イン・ピクチャーのオーバーレイ表示が画面上にあるコンテンツを隠してしまうのを防ぐ「キープクリア」APIも提供されます。



さらに、Android TV 14ではGoogleのAIであるGeminiの導入も部分的に進められる予定で、海外メディアのHow-To Geekは「おそらくユーザーの好きな俳優や映画を元にAndroid TVのホーム画面をパーソナライズするのでしょう」と予想しています。

Android TV 14を搭載したデバイスは、2024年の後半に登場する見通しです。ただし、スマートテレビのメーカーは既存モデルのメジャーアップデートを行わない傾向があるため、例えば記事作成時点での現行バージョンであるAndroid TV 12がインストールされたスマートテレビを使っている人は、そのモデルでAndroid TV 14を使えない可能性が高いと、How-To Geekは述べました。