--どんなものと連携させていたのですか。

建部:「MyFitnessPal」というアプリと、アンカー社の体重計「Smart Scale P3」です。アプリは有名な「あすけん」のようなもの。そちらでもよかったのですが、自分には「MyFitnessPal」の方がしっくりきました。

「Smart Scale P3」もいわゆるスマート体重計で、乗ると同時に登録した端末に情報が送られる代物です。それらの情報が統合されることで、体重や見た目以外の些細な変化にも気づけるようになるから、「自分は間違っていない」と安心感が生まれます。

ダイエットに「正解」はあるけど、仕事には…

--途中で挫折しそうになることはなかったのでしょうか?

建部:ありませんでしたね。ダイエットって、目指したいゴールと進捗が明確に見えるじゃないですか。もちろん停滞して不安になることはあると思いますが、それでもセオリーははっきりしている。対して仕事となると、正解がまったく見えない(笑)。目指す方向性から施策から、手探りで立ち向かわなければならない苦しみに対峙していると、ダイエットはまさしく心の支えとして機能していました。

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「あちら立てればこちらが立たぬ」ではなく、「一挙両得」を達成してみせた建部編集長。編集者ならではの、柔軟かつ俯瞰的視点こそが、なによりの成功の秘策と見えた。

 ほぼ絶食生活は真似してよいものではない。けれど、変化を促す周囲の後押しを逃さず掴み、己のものとして乗りこなす姿は、記憶に焼き付けておきたい。

<取材・文/海原あい>

【海原あい】
コンビニで買えるビール類はほぼ全制覇しています。本は紙派。さらに調味料と服とスペースエイジ系のインテリアを収集しているため、収納不足に陥りがちです。好きな検索ワードは「備忘録」