アートな街“東京丸の内”に最新アート作品が集結! 無料で楽しめるGW穴場スポット

写真拡大 (全8枚)

東京・丸の内の行幸地下ギャラリーで、若手アーティストの作品が集まる展覧会「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI(アートアワードトーキョーマルノウチ) 2024」が開催。入場無料で最新アートを見られる注目の展覧会をご紹介!

最新アート20点が集結!

アートアワードトーキョー丸の内 2023 グランプリ受賞作品 浅野克海「この世界、魂を震わすモノ」

【女子的アートナビ】vol. 333

「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI(アートアワードトーキョーマルノウチ) 2024」(以下、AATM)とは、若手アーティストの発掘・育成を目的とした現代美術の展覧会です。

今年で18回目の開催となるAATMでは、日本全国にある主要な美術大学・芸術大学・大学院18校からノミネートされた147点の作品から選ばれた20点を展示。初日となる4月25日(木)には、グランプリなど各賞が発表され、丸ビル1Fマルキューブで表彰式が行われます。この表彰式は、オープンスペースで開かれるので、誰でも観覧可能です。(詳しい日時は、最後のInformation欄でご確認ください)

AATMの会場となる「行幸地下ギャラリー」は、JR東京駅の地下道と直結。地下鉄丸ノ内線の改札を出てすぐの地下通路にあります。まさに駅チカで、しかも入場無料。東京に遊びに来たついでに、気軽に立ち寄れる場所です。

アート界のプロが厳選!

会場イメージ(昨年の様子)

本展で審査員を務めるのは、美術館の学芸員や芸術大学の教授、ギャラリー代表など7名の専門家の方々です。

審査員のひとり、東京都現代美術館 学芸員の藪前 知子さんは、一次審査を終えたあと次のように述べています。「今回の審査では、コロナ禍の特殊な環境の中で制作の第一歩を踏み出さなくてはならなかった世代が、どのように独自の表現に到達しているのかにおのずと注目することになりました。空間の欠落や身体の痛み、外界との違和感が一層研ぎ澄まされているのを感じ、とても刺激を受けました」

ラーメンのアートも…!

磯崎海友《ラーメン依存症》Photo: Takafumi Kato

では、今回展示される20作品のなかから、いくつかピックアップしてご紹介していきます。

まずは、依存をテーマにしたユニークな版画作品《ラーメン依存症》。色彩や線のタッチなど、一見するとおしゃれなイラスト風なのですが、ラーメンをわしづかみにして口に含む女性の姿はけっこうグロテスク。シャワーからも水の代わりにラーメンが流れていて、異様な光景です。

作者の磯崎海友さん(多摩美術大学 大学院)は、ご自身の制作について次のよう述べています。「依存を描くことを通して、人の生き様を垣間見る。生きることを見つめる。私にとってはその行為自体がとてもポジティブなことだ。」

本展では依存に関する他の作品も展示予定です。

原ナビィ《ぶっちぎり》

続いては、力強い作品《ぶっちぎり》。げんこつの描写にすごいパワーを感じます。作者の原ナビィさん(東京藝術大学)は、本作について「ぶっちぎりの絵。楽しんで描いた。」とコメントを発表。作品もコメントもインパクトがあります。

山口遼太郎《そら ひかり》

また、本展では、絵画だけでなく立体作品も展示されます。《そら ひかり》は、静謐な雰囲気が漂ってくる不思議な陶芸作品です。制作した山口遼太郎さん(京都市立芸術大学 大学院)のコメントは、次のとおり。「日常に溢れる小さなひかりをモチーフに、陶土で小さく繊細な造形を行った。静かな場所にキラッと何かが光る場面や風景を表現した。」

鈴木晴絵《〈あなたのための森〉積み木のチェック》Photo: 古賀 慧道

次の作品《〈あなたのための森〉積み木のチェック》も立体作品。積み重ねた小さな木材の上に、かわいい木のオブジェがちょこんと乗っていて、素朴なフォルムですが何か惹き付けられます。本展では、版画と立体を組み合わせたインスタレーションによって、素朴さの奥に潜む作家の世界を表現します。

作者の鈴木晴絵さん(女子美術大学 大学院)は、次のような詩的なコメントを寄せています。「事物に意味を付け縛るのは私。それを刻み、複製し、重ね合わせる。いつのまにか私から解放され森になる。あなたのための森」

※2024年3月卒業・修了時点の大学名を明記しています。

アーティストに質問&感想もシェアできる!

また、開催中のアートイベントを見つけられるスマートフォンアプリ「PINTOR(ピントル)」を使えば、本展で展示されている作品の解説を読むことができます。

さらに、作品について質問を投稿すると、アーティストから回答をもらうことも可能(※一部参加作家を除く)。ほかの来場者と感想をシェアすることもでき、より深く楽しいアート体験ができます。

ぜひ会場で!

本展では、全20作品が会場でどのように展示されるのかも見どころのひとつです。ネットの画像だけで作品の迫力や魅力は伝えきれないので、ぜひ現地でアートが放つエネルギーを体感していただきたいです。

また、本展会場からすぐ近くにある「丸の内仲通り」付近には、草間彌生、ヘンリー・ムーア、舟越桂など世界的アーティストたちの彫刻やオブジェ全19点があちこちに展示されています。もちろん、これらの作品も無料で鑑賞できますので、ぜひ今回の若手アーティストたちの作品と一緒にご覧ください。

Information

会期:2024年4月25日(木)〜5月12日(日)11:00〜20:00※最終日のみ18:00まで※観覧可能時間は変更になる場合がございます※4月25日(木)丸ビル1F マルキューブにて表彰式を行います。(16:00〜17:00)展示会場:行幸地下ギャラリー ※入場無料 【審査員】(五十音順)今村有策氏(東京藝術大学大学院美術研究科 教授)木村絵理子氏(弘前れんが倉庫美術館 館長)後藤繁雄氏(編集者、クリエイティブディレクター、京都芸術大学 教授)小山登美夫氏(小山登美夫ギャラリー 代表、日本現代美術商協会 副代表理事)建畠晢氏(埼玉県立近代美術館 館長)藪前知子氏(東京都現代美術館 学芸員)野口玲一氏(三菱一号館美術館 学芸員)