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ドラマは、と国内外で大きな話題となったが、第9話『紅天』もまたベストエピソードと大絶賛だ。この回に登場した鞠子の名シーンについて、裏側にこめられた意図を製作陣が米に明らかにしている。

この記事には、「SHOGUN 将軍」第9話『紅天』の極めて重大なネタバレが含まれておりまする。まだ観ておらぬ者は、絶対に読んではなりませぬぞ!

この記事には、「SHOGUN 将軍」第9話『紅天』の極めて重大なネタバレが含まれておりまする。まだ観ておらぬ者は、絶対に読んではなりませぬぞ!

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「SHOGUN 将軍」第9話『紅天』で、戸田鞠子(アンナ・サワイ)はその生涯最大の大芝居に打って出る。藪重、按針と共に大坂城入りした鞠子は、虎永の正室・桐の方と静の方を連れて江戸に戻ると宣言。しかし石堂はこれを退け、彼女は事実上の軟禁状態となった。城の兵たちは、許可状がなければ門を通せないと鞠子を足止めする。

鞠子側の兵と城の護衛の間で激しい斬り合いが繰り広げられ、門前はたちまち惨状である。様子を見下ろすばかりの大老衆も、日和るのみで手出しをしない。これをもって鞠子は、意に反して囚われの身となったことを抗議。矢が振る砂利道も動じずに歩みを進め、一本の薙刀を振り回しながら男たちに立ち向かう。彼女の決死の覚悟に驚く落葉の方。そして鞠子は、胸に帯びていた真の使命を口にする……。

プロデューサーのジャスティン・マークスは、この場面における鞠子の勇姿について、「『マトリックス』的」にしたり、「ガールパワー」的な瞬間を与えないようにしていると、米に語っている。脚本家たちとの間では、「鞠子にはパンクロックの要素がある」との解釈が、よく話されていたそうだ。

鞠子は薙刀一本で護衛たちに対峙するが、「彼女の持っている武器は、相手を殺すためのものではない。あの武器は、彼女の意図を示すためにあるのです」と、マークスはその意図を解説する。

また、門へと向かっていく鞠子が草履で砂利道を歩く音を拾ったのは、この回の監督を務めたフレッド・トーイによる演出だったそうだ。いかに彼女が容易く足を滑らせるかという危うさを伝え、彼女がどれだけ窮屈な思いをし、前に進むためにどれだけ意志の努力を行なっているのかを表現しているのだという。

マークスと共にプロデューサーを務めるレイチェル・コンドウはこのシーンについて、「鞠子を弱いキャラクターとして描かない」ことがポイントだったと話している。「彼女には侍たちの壁を切り抜けることができません。しかし、“弱さ”という概念と、彼女の持つ威厳のバランスをどう取るかです」。

鞠子は前に進み、薙刀を手にし、男たちに振りかざす。「大事なのは、彼女は勝つために戦っているわけではないことです。デモ活動のために戦っている。パフォーマンス・アートなのです」と、マークスは話している。「ある意味、彼女は生涯を通じて、その門を通り抜けようとしてきました。それが全てなのです」。

「これだけの多勢を相手に、戦うことはできませぬ」。鞠子は声を上げる。「この者たちのせいで務めを果たすことがかなわぬなら、かような不名誉を背負うて生きてはいけませぬ。私は日没に自害いたしまする」。鞠子の運命は、まもなく劇的な形で完遂されるのであった……。

「SHOGUN 将軍」はで独占配信中。

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