KNB北日本放送

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北陸新幹線が福井県敦賀まで延伸開業して、16日でちょうど1か月です。富山の観光に延伸の効果は表れているのでしょうか。

15日に全線開通した立山黒部アルペンルート。運営する立山黒部貫光が、観光客の増加に期待を寄せるのが北陸新幹線です。

立山黒部貫光 見角要社長
「北陸新幹線が敦賀まで延伸しましたので、大阪からのお客様が立山へ来るアプローチが短くなったということで、これは非常に期待しております」

敦賀延伸から1か月の16日朝、新幹線富山駅の改札前は多くの旅行客でにぎわっていました。

新幹線で岡山から来た観光客
「今から立山に、きのうからのアルペンルート。(延伸で)だいぶ時間短縮になったみたいですから、一度乗ってみたいなという形で、今回初めて乗れてよかった」

新幹線で神戸から来た観光客
「ガラス美術館行ったりとか(富岩)水上ラインに乗ろうかなと思っています」

JR西日本が16日に発表した、敦賀延伸から1か月の金沢と福井の間の利用者数は、上り下り合わせて72万人余りで去年の同じ時期より26パーセント増えました。

コロナ禍前の2019年と比べても、12パーセント増えています。

富山県内には、どんな効果をもたらしているのでしょうか。

地域経済が専門の富山国際大学の大谷友男准教授は、宿泊予約サイトの状況を分析し、地震被災地の能登を除いた北陸地方の宿泊施設の3月の稼働状況をまとめました。

指数が100に近いほど稼働状況が良いことを示しています。敦賀延伸開業の3月16日の前後で比べると、富山県全体では11.6ポイント上昇して69.5に、宇奈月温泉のある黒部市では18.1ポイント上昇して76.6と高水準でした。

また宇奈月温泉旅館協同組合によると、3月の宿泊者数は石川からの宿泊が去年の3倍に。福井からも2倍以上と大幅に増加しました。一方で関西からの宿泊者は去年に比べて64.3パーセントと減少しました。

敦賀延伸に伴い、北陸と関西の行き来は敦賀で乗り換えが必要になりました。宇奈月温泉の組合は、乗り換えが心理的なハードルになっているのではとみています。

16日の富山駅でもこんな声が。

新幹線で大阪から来た観光客
「(乗り換えが)8分だったので、私らの年齢だと大丈夫だけど歳いかれてる方はちょっとしんどそうやったです」

間もなく始まる大型連休に観光客を富山に呼び込むために、いっそうの魅力発信などがカギを握ります。

新幹線延伸をきっかけに、福井や石川と連携して北陸の周遊観光をアピールすることも誘客につながりそうです。