レストラン&バーと家具のショールームが融合し、新しい食の楽しみ方を創る!

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青山一丁目駅の真上に位置する青山ビルヂングの2階にオープンした「STELLAR WORKS Restaurant(ステラワークス レストラン)」がおもしろい! レストラン&バーと家具のショールームがクロスオーバーし、ランチからバータイムまで思い思いの時間を楽しめます。

家具とクロスカルチャーしたレストラン&バーが誕生!

この奥に家具のショールームとレストラン&バーが広がる

青山一丁目交差点に立つ「青山ビルヂング」は2018年に地下1階から3階までをニューヨークの「エースホテル」や「ヴィセロイ」など、オシャレなホテルを設計し、米国で最も人気のあるデザインユニット「ローマン&ウィリアムス」がリノベーションしたことで多くのメディアから注目されました。2階と3階は「Aoyama Treehouse」という会員制施設でしたが、その中にあったモダンフレンチ「ARBOR」は一般開放されていたので、常に賑わいを見せていました。

「Neri&Hu」の椅子とテーブル

それから6年、彼らが再び2階をリニューアルし、家具ブランドである「STELLAR WORKS」のショールームが誕生しました。その中に「STELLAR WORKS Restaurant」をつくり、食と家具のクロスカルチャーを体感できる新しい空間となったのです。彼らが得意とする最新のデザインと古いものの良さを調和させることは、こちらでも「ARBOR」から受け継いだ真鍮とオークウッドの空間やバーカウンターに、新しい椅子やテーブルを組み合わせるなど、そこかしこに見られます。

鍵盤と弦は四大ピアノメーカーの一つ、ライプツィヒのブリュートナー製

テラスの手前には小さなホームパーティーができそうなソファセットを配置、その横にはデンマークの照明デザイナー、ポール・ヘニングセンがデザインした「PHグランドピアノ」が置かれています。このヴィンテージモデルは日本にはここにしかない貴重なピアノです。ここにある家具が自宅にあったらと想像するのも楽しい!

入江 誠シェフ

この店で腕を振るうのは、西麻布「ÉPICOUL」のシェフでもある入江 誠さん。服部栄養専門学校卒業後「クイーン・アリス」で石鍋裕氏に師事。5年間の修業を経て渡仏し、「ラ・コート・ドール」「ルカ・キャルトン」などで研鑽を積み帰国。南青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」の料理長に就任するとミシュラン二つ星を獲得するなど、華やかな経歴の持ち主です。

「ここに戻ってこられて感無量です」

実は入江さん、「ARBOR」のエグゼクティブシェフでもありました。「営業した4年間のうち2年は緊急事態宣言の影響を受けたので、実質2年という短い期間でしたが、最後の日は350人以上のお客様にご来店いただき、絶対にここに戻りたいと思っていました。2022年にクローズした後も当時のオーナー会社がそのまま残してくれたので、ピザ窯も健在で本当にうれしい」と話します。

空間、家具、料理が「伝統とモダン」という世界観でリンクする

シグネチャーカクテル「STELLAR」をはじめとする家具をイメージしたカクテルをぜひ!

こちらにはバーが3つもあるのが気になりたずねてみると「ニューヨークのレストランにはたいていウェイティングバーがあります。予約時間より早く到着して一杯飲んだり、席が空くのを待っていると誰かと出会ったり、食事するだけでなく、その店に行くことを楽しんでいるのがいいなと思って」と入江さん。ここもそんな“コミュニティレストラン”として存在できたらと、レストランの中に1つ、エントランスにスタンディングバーと20時からオープンする「THE BAR」の2つを設けています。

「ギリシャ風ムール貝のマリネ」2,300円

メニューは“伝統とモダンを意識したボーダーレスな地中海料理”がコンセプトのアラカルトで、メインディッシュよりも前菜やピッツァ、パスタの種類が多く、シェアを楽しむスタイルです。

下味もしっかりとつけられている

この「ギリシャ風ムール貝のマリネ」はムール貝、2年熟成の「きたあかり」、オクラとエシャロットをヨーグルトと白味噌でマリネして味に深みを持たせ「ベルガモットパウダー」でレモンバーベナの香りと胡椒の余韻を残します。入江さんと言えばスパイスを前面に出した料理が特徴的ですが、こちらではそのスパイスは余韻を残す役割として使います。

エディブルフラワーを使い華やかに

口にして驚いたのはジャガイモの味わい。塩分濃度を決めてニンニクとタイムの香りをつけ沸騰させた湯に2年熟成の「きたあかり」を入れ、そのまま85℃で15分火入れしているそう。食材一つひとつにとことん向き合うからこそハイレベルな皿になるのです。

人気NO.1は絶品生地のピッツァ!

国産にこだわった生地

ここを訪れたらぜひ食べたいのがピッツァ。「ピッツァは生地で7割ほど味が決まる」と北海道産「ハルユタカ」の強力粉とその全粒粉を7:3の割合でミックスしたオリジナルの粉は、香りが高く、ほんのり甘みのある生地に仕上がります。ソースは富士吉田市から取り寄せたホップをコンフィにして練り込んだマヨネーズ。ほろ苦さがこの生地にぴったり!

全粒粉が入ると歯ごたえもしっかり感じられる

こちらは入江さん渾身の「炭火豚のホップピッツァ」です。具材は豚肉とマッシュルーム。豚肉は塊のまま強火でグリルして中心をレアに仕上げ、スモークをかけています。チーズは2種類を使い風味豊かに仕上げます。

増田煉瓦社製のピザ窯

オーダーメイドのガス窯に入れて470〜480℃で3分ほど。きれいな焦げ目がついたところで引き上げます。湯気が立ちのぼり熱々の状態で手早くカットし、マイクロハーブをトッピングしてテーブルへ。

「炭火豚のホップピッツァ」2,200円

目の前でスプレーしたビネガーの香りの後に「江戸前ハーブ」の青々しい香りが鼻腔をくすぐり、口にすると今度は豚肉とホップの香りが追いかけてきます。ここまで香りを細分化できるのはフランス料理歴30年の経験によるもの。夏には入江さんが出会った小田原「木下農園」のレモンを塩漬けにし、セミドライトマトとこの豚肉のピッツァがお目見えするそう。これも楽しみ!

枠にとらわれず自由に楽しめる!

自家製からすみバターをのせた「からすみバタートースト」1,200円

「シャンパン、ビールに最高です!」と入江さんがすすめてくれたのが、この「からすみバタートースト」です。オーストラリア産ボラのから済みは塩味が控えめでバターに混ぜると格別においしくなるそう。どことなく馴染みの味がするのは鮎の魚醤を入れているから。

上からからすみをたっぷり削りかける

「焼きたてのバゲットに厚くカットしたカラスミバターをのせると、バターの底面だけが溶けてバゲットにしみこんで表面はまだ冷たいまま。これがたまらないんですよ!」と入江さん。ダイニングフロアーを回る「STELLAR WORKS」のディジェスティフ(食後酒)ワゴン、「James Bar Cart」で運ばれてくる自家製レモンチェッロと合わせてデザート代わりにするのもいい!

背徳感MAX!!!

何を食べたら良いか迷ってしまう人にはシグネチャーディッシュの「ホタテ貝と塩レモンのリゾット」が含まれる「ディナーコース」8,200円や、アミューズ、サラダ、メインにコーヒーが付く「ショートコース」3,900円、「ブランチコース」6,900円、「ヴィーガンコース」6,900円などのコース料理を用意し、「僕も積極的にホールでサービスしているので、なんでも相談してください」と心強い。ランチにディナーにバータイム、思い思いの時間を好きなように楽しみたい人に寄り添ってくれる店が誕生しました。


<店舗情報>
◆STELLAR WORKS Restaurant
住所 : 東京都港区北青山1-2-3 青山ビル 2F
TEL : 050-5593-0369

※価格はすべて税込

文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 撮影:溝口智彦

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