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【第1話】から読む。

前回からの続き。私(ヨウコ)には娘が2人います。長女のミユキ(28歳)と次女のアヤ(21歳)です。10年前に夫に先立たれてからは、女手ひとつで娘たちを育ててきました。しかしある日、就職してひとり暮らしを始めたアヤが「帰省しない」と言い出し、さらに私が怒ると「娘をやめる」とまで……! 最初はショックを受けた私でしたが、次第に腹が立ってきました。恩を仇で返すようなことをしてくるアヤを、もう二度と受け入れるつもりはありません。しかしお隣の友人ユリさんは、こうなった原因は私の考え方やふるまいにあると言います。



「これが昔から反抗的な態度をとる子だったら、『もういい加減にして!』ってなるのも分かるんだけれど……」ユリさんはアヤが小学生だった頃の出来事を話しはじめました。



授業参観のあとアヤと一緒に帰ってきたというユリさん。元気のない様子が気になり、そのときのアヤの言葉をよく覚えているといいます。「きっと……仕事がなくても来ないと思うけど……」「お母さんは忙しいし」「私よりお姉ちゃんの方が大切だから……」



「そりゃ我慢させることもあったかもしれないけれど、アヤもいつも『大丈夫』って言っていたし……」「アヤちゃんの『大丈夫』は……、きっとヨウコさんに向けたものじゃなかったのよ。『大丈夫』って、自分自身に言い聞かせてきた言葉だったんじゃないかしら」さらにユリさんは、最近娘さんから聞いたというアヤの様子を教えてくれました。「ウチの娘がね。この前の連休にアヤちゃんのところに遊びに行ったらしいのよ」



お隣のユリさんからは、私の方がアヤに見切りをつけられたのだと言われました。なんで私がアヤなんかに……。いつだってアヤは自分から「大丈夫」と言っていました。私が「大丈夫」という言葉を強要したことなんて一度もありません。けれど私は何か大きな勘違いをしていたのでしょうか……? 「お母さんを意識しなくてもいいって、こんなに世界が明るいんだ」「生まれてはじめて自分らしくいられる」その言葉を聞かされて私は呆然としてしまいます。自分の娘の話なのに、まるで知らない子の話でもされているかのような気持ちになったのでした。

【第9話】へ続く。

原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子