首・肩・背中のコリや頭痛、だるさ。これらの不調の原因のひとつでもある「自律神経の乱れ」は、普段なにげなく使っているものが引き起こす可能性もあるようです。うつメンタルコーチの川本義巳さんが、自身の経験から語ります。

体調不良で気分が落ち込み、うつ病も疑うように

今年に入ってから体調不良が続いていた私。症状としては、肩と首と背中のひどいコリ、息苦しい感覚。頭痛やだるさが続き、手足がすごく冷える感覚もありました。ほかにも、食いしばりがひどかったのかアゴに少し痛みがあり、疲れている気もしました。

仕事がハードな時期だったのと、プレッシャーがかかるような出来事があったりしたので「きっと疲れているんだな」と思っていました。対策のためにリフレッシュする時間を意識的に取ってみたり、マッサージや温泉に行ったりと工夫はしてみたのですが、なかなか快方に向かいません。

この状態が2か月くらい続くと、さすがに気分も滅入ってきます。自分でもちょっとしたことに過敏になっているのがわかりました。加えて「病気かもしれない」という不安も芽生え始め、頭の片隅に「もしかして、うつ病が再発したのか?」という考えが浮かぶようになりました。

首・肩・背中のコリ、息苦しさ、冷え、頭痛。これらの症状はうつ病のときにも表れるもので、私も経験があります。もう20年以上前のことですが体はちゃんと覚えていて、こういう症状が出ると、うつ病のことを思い出したりします。

おかげさまで私自身はそうなったときにケアする方法を知っていますから、そのままうつ病になることはありませんでした。でも体の不調は取れません。

思いもよらないことが不調の原因だった

さまざまな不調が出てきたのと同じ頃、ドライアイの症状にも悩まされていて、ものが見づらくなっていました。

私は近眼と老眼両方なので「遠近両用メガネ」を愛用しています。手元が見づらくなったことで頻繁にメガネを着けたり外したりするようになっていました。おそらく老眼がすすんだのだろうと思い、とりあえずメガネをつくり変えてみることにしたのです。

メガネ屋さんでそのことを伝え検眼をしてもらいました。すると驚くべき事実が発覚しました。それは「視力に対して、今のメガネのレンズの度数が強い」ということでした。

度が合わなくなった原因は定かではありませんが、そのメガネは2年ほど前の視力に合わせてつくったものだったので、視力が快復していると考えるのが自然のようです。そんなことがあり、新しくつくり直してもらったメガネに変えたところ、2日ほどですべてこれまでの不調が解消されていったのです。

自分の体に合わないものを使っていると、アンバランスが生まれやすくなり、そこから自律神経が乱れることがあります。自律神経系の症状はうつ病と似ているため、一度うつ病や抑うつを経験している人は勘違いをする可能性もあります。

私の場合はメガネでしたが、ほかにも洋服や靴、アクセサリー、バッグなど日常的に使っているものが今の体に合わなくなって不調につながることもあるようです。もし、なんとなく不調や違和感があるのなら、体やメンタルのチェックだけでなく使っているものも見直してみることをおすすめします。