「50代はじつは片づけどき」と教えてくれたのは、ライフオーガナイザーのお仕事で散らかったおうちを訪問することが多い下村志保美さん。バブル時代を体験した50代女性のおうちにありがちな「捨てられないもの」について教えてくれました。

1:バブルのころの「一生物の服やバッグ」

今の50代はバブル時代を経験し、ブランド物のトレンチコート、スカーフ、バッグなど高価なものをおもちです。

【写真】今の気分ではないリアルファーのストール

ですが普段はコートもスカーフも高価なものを気を使いながら使うより、じゃぶじゃぶ簡単に洗うことができるものの方が気楽に使えるからと、出番がない。肩パット入りのワンピースは、がんばれば着られるかもしれないけれど、着て行く場所がない。

当時流行したリアルファーのストールも「いいもの」なんだけどなんだかしっくりこない。

ブランド物のバッグも重さが気になる、小さすぎる、肩が凝る…。結局いろんなものをさっと入れられるトートバッグやリュックの方が使いやすし、最近の流行りのバッグを持つことがほとんどで、結局これまた出番なし。

だけど「いいものだし」「一生物だし」「娘が使うかも」と手放せなくて、身につけないけれど捨てられない服やバッグ、小物がクローゼットにたくさん。「クローゼットがパンパンなのに着る服がない」という悩みの種に。

バッグなどはブランドによっては今でも高価買取が可能ですし、衣類はリサイクルショップに持って行ってみましょう。想像以上に安い金額になるかもしれませんが、それがそのものの今の価値ということです。

2:普段使いできない「ブランド食器」

50代以上のお客様のお家に片づけに伺うと、過剰な量の食器をおもちのケースが多いです。たまってしまう大きな理由のひとつが、結婚式の引き出物やギフト。

参列した結婚式の引き出物のちょっとしたブランド食器、結婚祝いにいただいたブランドのグラス、カトラリー。いい物ではあるものの高価だから普段使いには気を使うし、食洗機に入れられないものが多いのでなかなか使う気になれない。だけど捨てられない。

なので普段使い用にと、おまけでもらった食器やなんとなく流行った食器をもっている。結果として、大量の食器が家にあることになっています。

もちろん収納スペースに余裕があるならまったく問題なし。だけど使う気になれないけれど捨てたくない食器があることによって食材ストックがあふれたり、よく使う食器が取り出しにくかったりしたら、それはただのじゃまもの。

箱入りのものであればリサイクルショップに持って行くとか、思いきって普段使いにして、割れてしまったら潔く処分するのも方法のひとつです。

3:写真のネガ、大量のアルバム

青春時代には使い捨てカメラやインスタントカメラの全盛期だった今の50代。念の為にと残してあるネガや、思い出が詰まったポケットアルバムなど、「いつか整理しよう」と思いながら30年以上もち続けているものはありませんか?

いつかなにかのために、と思うのであれば今日から整理をしましょう。袋から取り出しアルバムから取り出してまとめるだけで大きさがコンパクトになります。

その際に、似たような写真は厳選しましょう。写真であれば、スマホできれいに撮って写真自体は処分したほうが見返す回数が増えるかもしれません。

こういう写真類はクローゼットや納戸の奥の方に眠っていることが多いのですが、これらをコンパクトにすることで、上記の「使わないけど捨てられないもの」を保管するスペースが生まれます。

50代は片づけどき。場所も時間も有限です

50代といえば人生の折り返し地点を過ぎたところ。まだまだ若いといえば若いですが、体力や気力、そして経済的な余裕も少しずつ下り坂になって行く年代でもあります。時間が有限であるということにも気づいているでしょうし、また空間も有限であり、快適な暮らしのためにものの見直しが必要であることにもじつは気がついているのではないでしょうか。

いつか片づけよう、いつか整理しよう、いつかやろう…そう思っていることに「今こそケリをつける時期である」と私は考えています。大人になってからの20年、30年、使うことなくもち続けた物にケリをつけましょう。

60代に入るとまた暮らし方は大きく変わるでしょう。そのときに気持ちよくスタートするために今、片づけてみませんか?