計画中の新居の窓の位置や大きさ。図面を見るだけでは、気づけないことも多いものです。4年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、明るい家にするため、西側にあるリビングと寝室の窓をワイドなタイプに変更しました。すると、夏は強烈な西日でエアコンが効かない暑さ、冬は窓辺にたまる寒気に悩まされることに。詳しく語ります。

新しい家は自然光がたっぷり入る明るい家にしたい

筆者は、4年前にハウスメーカーで注文住宅を建てました。妻と2匹のネコと暮らしています。延床面積27坪の総2階の家で、リビングは2階に配置しました。

それまで住んでいた賃貸住宅では、リビングを除いて、昼間でも電気が必要でした。トイレや洗面脱衣室には窓がなく、朝、身支度をしたりトイレに入ったりするときも、必ず電気をつける生活。また、玄関回りにも窓がないため、玄関の電気をつけなければ真っ暗という状況でした。

もし家を建てるなら、日中でも電気をつけなければいけないような、暮らしはしたくない。自然光が入る明るい家にしたいと、夫婦の意見が一致していました。

 

各部屋に窓を2か所&2階リビングの間取りに

建てる家は、明るい家にしたいという思いから、2階リビングのプランに決定。これなら日中の大半を自然光で過ごせるはずです。

それだけでなく、窓も多めに取りつけました。たとえばキッチン。リビングに向くL型カウンターキッチンで、リビングの先にある西側の窓からの採光が期待できます。ですが、調理中も手元まで明るさがほしいと思い、東と南にも2つの窓をつけました。これで朝も、明るいキッチンに。

ちなみにわが家は、クローゼットやパントリーなどの収納以外は、どの部屋も窓が2か所あります。

リビングと寝室の窓は横幅240cmにサイズアップ

上は2階の間取り図です。LDK(14.75畳)の西側につくった窓は、ワイドな横幅240cmに。当初の提案では、この窓よりやや小さいサイズの窓になっていました。しかし、明るいリビングにしたいと、ワイドな窓へサイズアップしたのです。

 

こちらは1階の間取り図です。リビングの真下に寝室があります。そこで、寝室の窓も、リビングと同じ場所に配置しました。リビングの西側の窓をサイズアップしたので、それに合わせ、寝室の西側の窓も横幅240cmあるワイドな窓に。

 

こちらは西側の立面図です。窓のサイズをそろえたことで、外観の雰囲気もよくなったと思っていました。

夏になるとワイドにした窓に強烈な西日が!

筆者夫婦が入居したのは4月。冷暖房を必要としない、比較的過ごしやすい季節でした。朝起きて2階リビングに向かうと、すでに電気をつけなくてもいい明るさになっていて感激。

日中は、2階のLDKだけでなく、どの部屋、どの場所にいても、電気をつけずに自然光の明るさで過ごせます。自然光の光は心地よく、窓のサイズをアップしてよかったと満足していました。

 

ところが、夏になると状況が一変します。

連日続く猛暑。午後にはワイドにした西側の窓を、強烈な西日が直撃。エアコンをつけていても効かないほど、家の中が暑くなってしまうのです。あわてて、窓の外にサンシェード(写真)を取りつけました。

 

冬は窓辺に冷気がたまり室温が急降下!

また、冬も問題発生。日のあたらない窓辺は、とても寒いのです。朝早くにカーテンやハニカムシェードをあけると、窓からの冷気で室温が下がり、温めていた部屋が冷えてしまうことに。

 

わが家は、リビングと寝室のワイドな窓には、ハニカムシェードを使用しています。しかし、冬は、起きてすぐにあけることはありません。日がのぼって、窓辺が暖まってからあけるようにしています。

それでも冷たい冷気を、ダイレクトに浴びることがありました。それは氷点下になった冬のある日。いつものように日がのぼってから、ハニカムシェードをあけたときのことです。

むやみに窓を大きくしてしまうと断熱性が下がり、夏や冬の暮らしに影響がでることを実感しました。

西側の窓は大きくするより、小さくした方がよかった

4年住んで感じたことは、リビングや寝室は南にも窓があるため、西側の窓をワイドにしなくても十分に自然光が確保できたということです。大きくするのではなく、逆に小さくするとよかったのかもしれません。

ワイドな窓にして断熱性が下がり、夏がくるたび、大きなサンシェードの取りつけにひと苦労しています。

今さらながら、図面を見て暮らしをイメージできなかったことを反省。窓を設置する位置や大きさが、省エネや日常生活に大きく関わってくることを、身をもって感じています。