50代からは老後に向けて、家族と家事シェアしませんか。「今は9割の家事を私が担当していますが、以前は夫は仕事が多忙で家事参加はゼロ。現在は少しずつ夫の家事を増やしているところです」と教えてくれたのは、50代の夫婦ふたりで暮らすミニマリストのブロガー・本多めぐさん。家事を上手に手放すコツについて語ります。

1:業務は完全に任せる

高い所の掃除、自分の部屋の掃除など、わが家では家事の一部を「完全に」夫に任せています。筆者が中途半端に、手や口を出さないことが最大のポイント。
完全に任せることで、相手は「自分の業務」と認識し、仕事と同じレベルで考えて行動してくれます。家事も家での「仕事」ととらえ、自分のやりやすいように生活に組み入れてやってくれます。

そうなると、必要な洗剤や掃除道具も自分でそろえるようになりました。自分の仕事だったら、やりやすいように工夫するようです。

妻が見かねて掃除をしてしまうと、相手もやってくれるんだと思うので、いっさい手を出さないのがポイントです。任せたところの掃除についてはまったく手を出しません。

買物も一部を任せています。相手の買ってきたものはなんでもありがとうと言って受け取るのがコツ。お惣菜や飲み物、果物など、2人で食べられて私が好きなものを選んできてくれます。たまに買い忘れがあっても指摘せず、自分で買えばいいかと思っています。

2:当たり前にしない。毎回必ずお礼を伝える

毎回大げさなくらい、やってくれたことにはお礼を言うようにしています。掃除、買物、ちょっとしたものを運ぶことも、ありがとうと伝えます。人は、日常的にやってもらったことに慣れてしまい、当たり前と思いがち。そのため筆者は、毎回感謝を夫に伝えるようにしています。結果、相手も気持ちよくやってくれる模様。

自分だって、毎日料理をつくっていて、それに対して感謝されたい。当たり前に思っていて欲しくないので、相手にもそうするとよいと思います。

3:相手がしたくれた家事に対して、文句は言わない

毎回お礼を言うことに加えて、さらに「文句は言わない」もポイントです。改善してほしいことがあっても、よっぽどじゃなければ伝えません。もし意見を求められたらそのときだけ、柔らかく伝えてもOKだと思います。しかし、文句やダメ出しは避けることに。

自分がつくる料理に家族からダメ出しされたら、やる気なくなってしまいます。相手にされて嫌な事はしないほうがいいです。それより感謝の気持ちで、たまに失敗もあるよね、とおおらかに接する。気持ちよく相手がやってくれることの方が、将来的にお互いハッピーだと思っています。

もし、自分がどうしても譲れないこだわりがある場合、それはこだわりが強いほうが役割を全部担うのがベターです。たとえばキレイ好きでホコリが気になる夫と、気にならない妻がいるなら、気になるほうが担当したほうがうまくいくと考えます。

4:家事を夫婦で分担することを、先送りしない

老後もずっと夫婦二人で過ごす時間は続くもの。しかし、家事を担う妻がいつまで健康でいられるかわかりません。家事シェアについて、早いうちにある程度分担して「家事は2人でやるもの」と認識を変えていくのは大事だと思います。そうしないと自分になにかあった場合、残された夫も困りますよね。

また、家事をしない夫は、定年退職した後、家に居場所がないという場合も。仕事を分担しておくことで、退職後も家にいる理由ができますし、必要な存在であり続けられます。

たとえば「昼ごはんは夫がつくる」など、家にいても家事してくれるならとても助かりますよね、今すぐは無理でも、いつかは家事を分けられるように少しずつ進めてみませんか。

2人の居場所は2人でつくる、そんな心がけがあれば、この先の長い人生を円満にすごせるのではないでしょうか。