イタリア・セリエA、インテルのフランチェスコ・アチェルビ(2024年2月10日撮影)。(c)Alberto PIZZOLI / AFP

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【AFP=時事】サッカーイタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)に所属する同国代表DFフランチェスコ・アチェルビ(Francesco Acerbi)が、ナポリ(SSC Napoli)でプレーするブラジル出身のファン・ジェズス(Juan Jesus)に人種差別的な発言をしたとされる件で、イタリアサッカー連盟(FIGC)は26日、証拠不足を理由に調査を打ち切ったと発表した。

 アチェルビは今月行われたナポリ戦でジェズスに差別的な発言をした疑いが持たれていた。調査の結果によっては10試合の出場停止処分を科され、その場合はインテルでのシーズンは終了となり、6月14日開幕の欧州選手権(UEFA Euro 2024)も出場不可になる可能性があったが、連盟は差別を裏付ける外的な証拠がなかったとして、処分を見送ることにしたと説明した。

 この決定について、ジェズスが所属するナポリは「あぜん」としているとするコメントを発表し、「彼(ジェズス)が誤解したとは考えづらい」と主張。今後は、連盟主導の「見せかけでしかない」反差別の取り組みには参加せず、「新たな信念と決意を持って、われわれ自身が率先して取り組んでいく」と表明した。

 ジェズスは問題の試合後、ピッチ上でアチェルビからの謝罪を受け入れたと明かし、「ピッチで起きたことはピッチにとどまる」と話していたが、その翌日にアチェルビが人種差別的な発言はしていないと否定。これにジェズスが反発し、「きょうのアチェルビの発言は実際に起きたことや彼がピッチ上で言ったことと完全に矛盾している」と怒りをあらわにしていた。

【翻訳編集】AFPBB News

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