「イイ感じだったのに…」女の態度が急変。35歳男の2回目デートでのNG言動とは
今週のテーマは「LINEの返信は来るのに会ってくれない。女の心理は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:2回デートした女からLINEの返信は来るけど、会う日程が決まらない。これって脈ナシ?
SNSを見ていると、LINEの通知が鳴った。私は画面を切り替え、透からのLINEに返信をする。
― Toru:恵梨香ちゃん、ここの店とかどうかな?美味しそうな店見つけて
― Erika:美味しそうですね♡
― Toru:次一緒に行こうよ!
― Erika:いいですね!
嫌なことをされたわけではないし、バッサリ切る理由もない。
でも、もう一度2人きりで会うのは面倒だなと思っている自分がいる。
A1:ちょっと変わっているけれどいい人だなと思った
透と出会ったのは、友人の結婚式だった。披露宴が終わり、二次会へ移動した時に初めて話した透。
「新婦のゆかちゃんのお友達ですよね?」
急に話しかけられてビックリした。でも塩顔で、私のタイプだったこともあり笑顔で返す。
「そうです。初めまして、恵梨香です」
「透です。今日の式、良かったですよね」
「はい、感動しました!」
話の流れで、お互いに既婚者か否かの話になった。
「え!透さん、独身なんですか?」
「そうなんですよ。この会で独身なの、僕と数人くらいじゃないかな。結婚願望はあるんですけど、なかなか相手が見つからなくて…」
― あれ?これは良い出会いがキタ!?
新郎の友人と出会える、というのが結婚式に参加する嬉しい特典だ。
この日は、透と連絡先を交換し、その翌日彼はすぐにデートに誘ってきた。私はYESと返事をして、透とデートすることになる。
初デートでは、彼のことをもっと知りたくて色々と話を振ってみた。
「じゃあ透さんは、3年前に独立されたんですか?」
「そうそう。コロナ禍だったし、いろんな人に反対されたけど、どうしても挑戦してみたくて」
経営者と知り、私も単純なのでテンションが上がる。一方で、独身で将来有望な経営者である彼が独身である理由はどこにあるのだろう、と勘ぐってしまう。
「そうだったんですね…。でもカッコイイ!」
「ありがとう。恵梨香ちゃんは?」
「私は専門商社で働いています」
「何系の専門商社?」
ここからお互い仕事の話になり、私もつい熱くなる。すると、透が感心したような顔をしている。
「恵梨香ちゃんって、賢いってよく言われない?」
「私ですか?全然ですよ」
「そう?すごいスマートだから、話していて楽しいなと思って」
「そんなそんな」
話を聞き出したり聞くのは上手いかもしれないけれど、自分が賢いと思ったことはない。
そう思っている時だった。急に、透のスマホが鳴った。
電話かと思ったけれど、何かが違う。よく見ると、アラームが鳴っていた。
「え?この時間のアラーム?」
女性だったら、サプリを飲む時間のアラームをかけている人はいる。でも男性で21時に鳴るアラームってなんだろう…。
そう思っていると、透の口からは想像していなかった言葉が飛び出した。
「あぁ、これね。僕仕事人間だから、ご飯を食べ終わる時間とか決めていて」
「…すごいですね」
「時間キッカリに動かないと気が済まなくてさ」
聞いても、よく理解ができない。
ご飯なんて、食べたい時に食べるものではないのだろうか。それにその理論に当てはめるならば、この食事も21時で強制終了となってしまう。
「今日は大丈夫なんですか?」
「もちろん。今日はデートだから例外」
― さすがに今日は大丈夫なんだ。
そう思ったけれど、普段の彼のルーティンを崩しているのかと思うと申し訳ない気持ちにもなるし、時間が気になってしまう。
だからお店を出ても2軒目へ誘える雰囲気でもなく、そそくさと解散することにした。
「もう少しいたいんですけど、今日は帰りますね。お忙しいなかありがとうございました。あと、ご馳走さまです」
「また次も会える?」
「もちろんです♡」
― 彼のルーティン、大丈夫だったかな。
帰りのタクシーの中で、そればかり考えてしまった。
A2:意識が高すぎて、自分には無理だと思った
二度目のデートも透のほうから誘ってきてくれた。私たちは、一度目のデートから3週間後、『スチーム Dim sum&Wine』に行くことになった。
「意外に早く会えて嬉しい」
「そうですか?3週間も空いちゃいましたけど」
「そう?3週間後ってベストなタイミングじゃない?付かず離れずというか、間が空きすぎず近すぎずで」
「私はもう少し早めに透さんに会いたかったですけど」
私は彼氏ができると、たくさん会いたい派。でもきっと、忙しい透は違うのだろう。
― この人、彼女に構う時間とかあるのかな…。
そんなことを考えながらも、私は今日も透の話を聞き出そうと、適度に自分の話を混ぜながら会話を盛り上げる。
すると透が面白いことを言い始めた。
「恵梨香ちゃんって男性の扱いが上手いよね」
「そんなことないですよ」
「百戦錬磨って感じ。今まで振られたことある?勝率何%?」
― 勝率!?勝率って、なに?
そんなものを気にしてデートをしたことなんて、一度もない。
「そんな計算、したことないですよ〜」
「本当?普通しない?」
「しないです(笑)」
面白い人…。この時までは、その程度に考えていた。でもデートが進むにつれて、私の笑顔は徐々に引きつっていく。
「透さんって、普段どういう生活をしているんですか?」
「僕?普通だよ。大体6時過ぎくらいに起きて、ニュースを見たり英語を勉強したりして。8時前には会社にいるかな」
「早っ…すごいですね」
聞いた私が悪かったのかもしれない。
「そうなのかな。恵梨香ちゃんは?」
「私は超ギリギリまで寝ています(笑)一応10時までには会社にいるかログインしないといけないので、それまでには…という感じですかね」
とにかく私は朝が弱い。本当は会社だってすっぴんで行きたいくらいだし、特に冬なんて1秒でも長く布団にくるまっていたい。
でもそんな私とは対照的に、きっと透は朝から素晴らしく有意義な時間を過ごしているのだろう。
「そうなんだ。面白いね、そういうの」
― 面白いのかな…。
とりあえず楽しんでくれたならば良かった。でもさらに透は変なことを言い始めた。
「ちなみに、恵梨香ちゃんのKGIって何?」
― KGI!?あぁ、彼はデートで「KGI」とか使っちゃう系か…。
「KGIですか?」
「そう、人生の。例えば僕は一応結婚して…いや、結婚はKPIか。会社を上場させて、可愛い奥さんと楽しく幸せに暮らしたいなと」
彼との会話が、段々とネタに思えてくる。
― 意識高い系男子とは、まさにこういう人のことを言うのか…。
なんて感心しながら、私は彼を目の前に地蔵と化す。
「透さん、結婚願望あるんですね」
「もちろん!恵梨香ちゃんは?」
「私もあります。今年で31歳なので、そろそろ結婚もしたいですし」
といっても、私と彼とは一生一緒には暮らせないことが、容易に想像がつく。
「ちなみに恵梨香ちゃんは、休みの日とかは何をしているの?」
「私は溜まっていた家事をしたり、あとは家でゴロゴロしたり…夜は友達と飲みに行くことが多いです」
人様に見せられないくらい、外と家の自分は違う。
休みの日はスウェットで家に引きこもり、ハマっているK-POPアイドルのダンプラなどを極力ベッドから動かずにSNSで漁り、食事は基本的にデリバリー…。
そんな姿を透が見たら、きっとドン引きするだろう。
「お酒は、結構飲む人?」
「そうですね。飲むのは好きです。透さんは?」
「僕は誘われれば行くけど、何も用事がなかったら自分からは飲まないかな」
「想像つきます」
めちゃくちゃ良い人だけれど、そもそもの価値観が違いすぎる。
そう悟ったものの、別に切る理由もない。なぜなら結婚願望のある素敵な人だから。でも一緒にいると、疲れる。
「今日で二回目のデートか…。次、三度目だね」
「そうですね」
「恵梨香ちゃん、また次回だね」
しかも帰り際、意味深すぎることを言われて一瞬固まってしまった。
“三度目のデート理論”を彼は信じているのだろう。次にデートをしたら、もう交際と思っていそうだ。
だから私は、怖くて三度目のデートの誘いをかわし続けている。
▶【Q】はこちら:2回デートした女からLINEの返信は来るけど、会う日程が決まらない。これって脈ナシ?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:3月16日 土曜更新予定
男の家で女が見てしまったものは…