今週のテーマは「盛り上がったデート。でも女が急に冷めた理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:2度目のデートは“中目黒の和食店”をチョイス。その後、女からの連絡が途絶えたワケ




― 私のこと、なんだと思っているんだろう?

それが、辰也と二度目のデートを終えた後の素直な感想だった。

すごく嫌なことをされたわけではないけれど、「もう会わなくても良いかな」と思ってしまった。

選り好みはよくないのはわかっている。でも、辰也とのデートは、正直時間の無駄な気がしている。


A1:会話上手で、気遣いができる点


辰也とは、男女3対3で開催された食事会で出会った。辰也は、顔も良かったし最初からいいなと思っていた。しかも、会話も上手で、食事会では話を盛り上げていた。

他のメンバーもいい人ばかりで、この食事会はかなり楽しかった。みんなで行った2軒目で、私は辰也に近づいてみる。

「辰也さんって、今本当に彼女とかいないんですか?」
「うん、いないよ。早く結婚もしたいし、結構ガチで探しているんだけど」

― まさかの結婚願望アリ…!?

イケメン、独身30代前半。そこに結婚願望アリときたら、これは婚活市場において需要しかないだろう。

「え〜すぐに見つかりそうなのに!」
「じゃあ…綾奈ちゃんでお願いします(笑)」
「ウケるんですけど」

軽いノリだけれども、嫌なチャラさではない。むしろ盛り上げるために言ってくれているのがわかったので、好印象だった。

だから解散後、私から連絡をしてみた。するとすぐにデートをすることになり、辰也が予約してくれた目黒の『レストラン ユニック』へと向かう。




「この前の食事会、楽しかったね」
「本当に!あの後、誰か他の子とは連絡取っていますか?」
「男側はみんな友達だから、あの後悠太と1回飲んだけど。女性側は、綾奈ちゃんだけだよ」

他の女性と連絡は取っていないという誠実さは大事だから、探ってみたけれど、辰也は私以外の女性とは連絡を取っていないようで安心した。

「そうなんですね、良かった」
「綾奈ちゃんは?」
「私も、辰也さんだけですよ」

そんな会話をしながらも、改めて辰也のことを観察してみる。いい人だし、何より話が面白い。

「じゃあ辰也さん、2年間彼女いないんですか?なんで?こんなに素敵なのに…」
「なんだろうね〜。彼女は欲しいと思っているんだけど。綾奈ちゃんは?絶対にモテるよね」
「私はこの前彼氏と別れたばかりで」
「その男も見る目がないね。俺だったら絶対にこんな素敵な子、離さないけどな」
「辰也さん…」

「デート慣れしてるなぁ」と思いながらも、褒め方も会話のテンポも良い。会話が途切れそうになったら、さりげなく話題を振ってくれるしスマートだ。

お店のシグネチャーメニューでもある「月の輪熊のパイ包み」を食べながら、私はこの先どう進めるべきか考える。




「辰也さん、明日は早いですか?」
「ううん、早くないよ」

今日のデートは楽しかったし、もう少し一緒にいたいので自分から2軒目に誘ってみた。

「もう1軒行きません?」
「行こう!!」

2軒目へ移動しても会話は弾んだし、距離感も近くなる。

「辰也さんって、本当に素敵ですよね。話も面白いし、楽しいし」
「そんなことないよ。それは綾奈ちゃんが聞き上手だからだよ」

不意に彼と視線がぶつかる。辰也は話すときに、私の目をまっすぐ見つめてきてくれる。それも良かった。

「綾奈ちゃん、本当に美人」
「ありがとうございます」
「そろそろ敬語やめない?」
「わかった」
「そういえば、綾奈ちゃんは食事だと何系が好き?」
「和食とかかな…?」

会話の流れで、次のデートもスムーズに誘ってきてくれた辰也。

「わかった!次は和食に行こう。僕が好きな店が近所にあって。定食屋さんなんだけど、本当に美味しいから綾奈ちゃんを連れて行きたい」
「行ってみたい♡」

― 次も楽しみだな。

そう思っていた。しかし二度目のデートで、私は気がついてしまった。


A2:お酒が入っていないと、つまらない男だった。


二度目のデートで辰也が連れて行ってくれたお店は、前回話していた中目黒にある和食店さんだった。

辰也の家の近くにあるそのお店は、華美ではなくシンプルでこじんまりとした和食店…というより彼が言っていたとおり定食屋さんだった。

もちろん、それは全然いい。「行ってみたい」と言ったのは私だし、しっぽりとしたお店は嫌いじゃない。

ただ私は、デート開始早々の辰也の言葉に「え?」となった。

「ごめんね、今日はこんな感じで。ちょっとお酒もナシでいいかな」
「もちろん!」

― あれ?今回って二度目のデートだよね?気合入れていたのは私だけなのかな…。

もちろんお酒は飲めない人もいるし、無理強いは決してしない。

でも、今日は二度目のデート。まだもう少し、デートに対して頑張ってほしいという気持ちがある。

「お酒、飲まなくて大丈夫?疲れてて…」
「辰也さんが飲まないなら、私も大丈夫だよ」

しかも、辰也は食事をしながら「疲れた」を連発している。




デートに対する気合の入れようで、女は男の愛情の大きさを測る。

辰也は二度目で早々に、私に対する扱いが雑になっている。もし本気で私のことを好きだったら、二度目のデートはもう少し頑張るはず…。

― 私のこと、ちょっと適当な感じかな?

「辰也さん、普段お食事どうしているの?」
「こういう店が多いかな」
「和食が好きってこと?」
「そうだね。胃が休まるし(笑)」
「連日外食だと疲れちゃうよね」

そして何より、話がつまらない。

「ここ、美味しいね」
「でしょ?好きなんだよね、この店」
「美味しい〜。この牡蠣フライ、最高」




― あれ?こんなに話盛り上がらない人だったっけ…?

そう思うと、もうダメだった。

「辰也くんって、実は普段あまりお酒は飲まない人?」
「そうだね…特に今日みたいな日は飲まないかな」
「そうなんだ」
「綾奈ちゃんは?毎日飲んでる?」
「まさかまさか。こういう外食のときは飲むけど、基本的に家だと一滴も飲まないかな」
「わかる、一緒だ。昔は連日飲めたけど、30歳を過ぎた途端に毎日飲むのが辛くなってきて」

シラフになって気がついたけれど、辰也はお酒が入っていないとつまらない男だった。

「辰也くん、まだ34歳とかでしょ?」
「そうだけど…綾奈ちゃんも、この歳になったらわかるよ」

特に会話も盛り上がることもなく、ただ時間だけが過ぎていく。牡蠣フライをひとつ食べ終わった時点で、私は早くも家に帰りたくなった。

「今日は…どうする?どのみち酒も飲めないしやめとく?」

もちろん、今日は2軒目は行かないに決まっている。

「うん、辰也くん疲れてそうだから今日は解散にしよう!」
「わかった。ごめんね」
「ううん。またすぐにね」
「来週は会えると思う」
「わかった。連絡取り合おう」

そう言いながらも、心の中では「きっともう連絡はしないんだろうな」とわかっていた。

交際する前に、お酒が入っていないデートは絶対にすべきだなと改めて思いながら、辰也への気持ちが急に冷めていくのを自分でも実感していた。

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デート中に女が帰りたくなった理由