Googleの生成AIは「Bard」から「Gemini」へ!モバイルアプリなども提供開始

Googleは8日(現地時間)、同社が開発・提供してきた生成AIサービス「Bard」を新たに「Gemini」( https://gemini.google.com/ )として展開していくと発表しています。引き続き、GeminiのPro 1.0モデルは40以上の言語で230以上の国・地域にて無料で利用できるほか、新たにより高性能なUltra 1.0モデルに対応したGemini Advanced(現時点では英語版のみ)を提供し、さらにAndroid向け「Gemini アプリ」をリリースを含むモバイルアプリも提供開始しているということです。

Gemini Advancedは同日より日本を含む150以上の国・地域で英語版を利用でき、利用可能言語は今後順次拡大する予定となっており、料金はクラウドストレージサービス「Google One」新しいプラン「AI Premium Plan(以下、AIプレミアムプラン)」として月額19.99ドル(日本では税込2,900円/月)で提供され、初めて使えう場合には2カ月の無料トライアルも用意されており、Google Oneの既存の2TBプランと同等のすべての特典が含まれるとのこと。

またAIプレミアムプランでは間もなくGmailやGoogle ドキュメント、Google スライド、Google スプレッドシートなどで「Gemini for Workspace(旧:Duet AI)」を使えるようになるということです。なお、Gemini Advanced の公開に先立って同社では広範な信頼性と安全性のチェックを実施しており、これには外部のレッドチームへの参加も含まれるとしています。

一方、モバイルアプリについてはAndroid向けGeminiアプリが同日より配信開始されているほか、iPhoneなどのiOS向け「Google アプリ」(英語版のみ)でもGeminiやGemini Advancedを同日より今後数週間以内に順次利用可能になるとし、また来週より日本を含むさまざまな国・地域では英語版に加えて日本語版と韓国語版のAndroid向けGeminiアプリとGeminiに対応したiOS向けGoogle アプリの提供が開始されるということです。


Android向けGeminiアプリ

GoogleではOpenAIが開発して傘下のOpenAI LPやMicrosoftによって提供されている生成AIサービス「ChatGPT」に遅れながらも昨年にBardを発表し、これまで同社ではBardによってGoogleが開発するAIモデルを体験できるようにしてAIを使って利用者の想像力を刺激して生産性を高める新しい方法として活用されてきましたが、昨年末に新たにGoogleの最も高性能なAIモデルであるGeminiを発表していました。今回、GoogleではGeminiが同社のAIモデルの核となる高度なテクノロジーを反映した製品であることを明確に伝えるため、今後はBardをGeminiとして展開していくことにしたということです。

合わせてこれまでBardで提供してきたPro 1.0モデルに加え、Ultra 1.0モデルに対応したGemini Advancedを提供開始し、サードパーティーの評価者によるブラインド調査では主要な他の生成AIサービスと比較して最もパフォーマンスの高い会話型AIのひとつと評価されたとし、コーディングや論理的推論、ニュアンスを含んだ指示の理解、クリエイティブなプロジェクトでの共同作業などといった複雑なタスクの能力が大幅に向上しているとのことです。またGemini Advancedではより長くより詳細な会話が可能になるだけでなく、以前に質問したコンテキストに基づいた質問への理解能力も向上しているとしています。



例えば、GoogleではGemini Advancedの利用によって
・学習スタイルに合わせた段階的な説明、クイズ、議論などを作成させることによる個人的な家庭教師として活用する
・アイデア作りや多様なコーディングアプローチの評価に活用してより高度なコーディングシナリオをサポートする
・新しいコンテンツの生成、トレンドの分析、オーディエンス拡大に向けた改善方法などのブレインストーミングなどといったデジタルクリエイターのアイデア実現のサポートする
などができるとしており、利用するにはGoogle OneのAIプレミアムプランに加入する必要があり、日本を含む150以上の国・地域で英語版のみですが、すでに利用可能となっています。なお、Gemini Advancedの最初のバージョンは現在のAIの進化を反映しており、今後も継続的に進化していくほか、今後も新機能の追加が予定され、拡張されたマルチモーダル機能やよりインタラクティブなコーディング機能、より深いデータ分析機能などに対応予定だということです。


Bard becomes Gemini | Ultra 1.0 and a new mobile app



Gemini Advanced with Google’s Ultra 1.0 model

一方、新たにスマートフォン(スマホ)など向けモバイルアプリでもGeminiは提供され、スマホなどでGeminiがより簡単に使えるようになることによって外出先でのテキストや画像での質問や会話などが可能になり、さまざまな用途で活用可能で、例えば、パンクしたタイヤを撮影して対処方法を検索したり、パーティーの招待状に使う画像を生成したり、メッセージの返答の作成をサポートしたりというようなさまざまな場面で使えるので会話型かつマルチモーダルで役に立つAIアシスタントへの大きな一歩となっています。

モバイルアプリではAndroidならGeminiアプリまたは「Google アシスタント」からGeminiをオプトイン(オンに)すれば、Google アシスタントを起動する通常の方法でもGeminiを簡単に使えるようになり、例えば、一部のスマホなら電源ボタンの長押しや画面端のスワイプで起動したり、「OK Google」と話しかけることで使えるようになるとのこと。これにより、Geminiに簡単にアクセスできるだけでなく、画面の状況に合わせたサポートが可能になり、撮影した写真のキャプション作成や読んでいる記事についての質問などが簡単に行えます。

またタイマーの設定や通話、スマートホームの制御などなどといったGoogle アシスタントの多くの音声機能がGeminiアプリを通じて今後利用できるようになるほか、さらに多くの機能をサポートする予定だということです。iPhoneなどではGoogle アプリからGeminiが使えるようになり、Google アプリにてGeminiボタンをタップしてGeminiに質問するだけで画像の生成やソーシャルメディアに投稿する文章の作成を助けたり、旅行計画を立てたりなどすることができるようになっています。


アプリ名:Google Gemini
価格:無料
カテゴリー:仕事効率化
開発者:Google LLC
バージョン:1.0.603736800
Android 要件:6.0 以上
Google Play Store:https://play.google.com/store/apps/details?hl=ja&id=com.google.android.apps.bard



アプリ名:Google アプリ
価格:無料
カテゴリー:ユーティリティ
開発者:Google LLC
バージョン:302.0
互換性:iOS 15.0以降またはiPadOS 15.0以降が必要です。
App Store:https://itunes.apple.com/jp/app/id284815942?mt=8





記事執筆:memn0ck


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