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 言うまでもなくヴェルダー・ブレーメン戦での敗戦後、バイエルン・ミュンヘンに笑顔など1つも見当たることなどなかった。この敗北の味はあまりに耐えがたいものであり、それは結果に対するものではなくむしろ、内容自体に関してのもの。「70分以上にわたって、彼らから勝利への意欲というものが感じられていなかった」と、DAZNに対してトゥヘル監督は苦言を呈した。「明らかに不十分なものであり、動きはまったく見られず、考えられないほどのカウンターを相手に許していたんだ。対人戦もずさんで時に傲慢で、構造は完全に崩壊していた。最後の20分で立て直したところで全く不十分であり、この敗戦は当然のことだといえる」

 またトーマス・ミュラーも「必要に駆られて力加減していた」チームへの批判に同調しており、「そもそもプレー自体があまりに遅すぎた」と指摘。「オフェンスに関していえば、確かに極端に深く構えるチームとの対峙は困難としても、それでもじゃあサイドに振り分けるとか、事態を打開しようという試みを続けていくもの。でもチームには闘争心というものがなかったんだ。曖昧なプレーで精力性に欠け、戦う姿勢として決して褒められたものではなかった」結果、ヴェルダー・ブレーメンに28試合ぶりに黒星を喫することになったのである(通算対戦成績22勝3分1敗)。「自ら猛進していこうという気概に欠けていたんだよ。僕たちの選手の多くは違いを生み出せるけど、でもそれができなかった。だから選手それぞれが自問自答すべきだ」

 このことについて、トゥヘル監督は「選手たちは、履き違えた気持ちで戦っていたのではないか」と疑問の声を挙げる。「まるで勝ち点10でもリードしているような、そして火曜日にはチャンピオンズリーグの試合でも控えているかのような、ある種の高揚感なのかスローモードなのかわからないが、本来であれば積極的なプレーを展開して模範を示したかったものの、それは皆無だったよ。これは誰か選手1人どうこうという問題ではない、我々はチーム、自分たちへの責任を顧みて、そして問題の解決をはからなくてはならないのだよ」

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 つまりはブレーメンに0−1とリードを許した後半64分に、バイエルンが攻撃的に臨むためミュラー、テル、ゴレツカを投入し、そのミュラーからより守備的な守備へのシフトを告げられたリロイ・サネが、あからさまに不満の色を如実にみせていた事は、「確かにその事自体はよしとは見ていない」としつつも、「そもそもリロイが好まないことを受け入れるのに、数分時間がかかるタイプだという事は把握しているし、チームの一員としてその後にプレーを見せていた」ことからも、これが「敗戦の決定的要因ではない」ともコメント。あくまで「チーム全体として、前向きなエネルギーが絶対的に不足しており、リロイがみせた10秒程度のぐずりにどうこう言っている場合ではない」と語った。

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 その一方で貴重な決勝弾を古巣相手に決めてみせた、ミッチェル・ヴァイザーは「今日は完璧な1日といえるね。そうなれば相手がバイエルンであろうとも勝てるものさ」と満面の笑みを浮かべ、ただ後半59分の得点シーンについて特に誇張することなく「良いプレーができたし、いろんな状況をうまく乗り越えられた結果だと思う」と回顧。あくまでチームとしての成功を強調しており、「僕たちにとって素晴らしい試合だったね。ここで勝利するために必要なこと、その全てを僕たちは出し尽くせたと思う。良いプレーをみせ、オフェンスでも正しいことができていた。苦難にも耐える覚悟もあったよ」と言葉を続けている。事実ミュンヘン出身のGKツェッターラーが特に終盤で好セーブを連発する場面も見受けられており、「僕らの勝利なんてクレイジーだよ。とにかく一丸となって戦い、物事がうまく運ぶ必要があった。それができた」と胸を張った。
 

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 改めてオレ・ヴェルナー監督は「今日は何もかもが我々にとってうまく転がる1日となったね。そして選手たちは素晴らしい仕事をしてくれ、守備面では本当に最高のパフォーマンスを見せていくれていた。オフェンス面でもトラジションゲームであらゆる部分をみせられていたよ」と当初の思惑がうまく実践できていたと指摘。「そのうちの1つはマッチプランという意味で、そして別の意味では選手たちそれぞれのプレーという意味で。こちらの方がより重要なことであり、それが本当に素晴らしかった」と惜しみない賛辞をおくっている。「決して物おじすることなく、前のめりに戦っていたよ。全員にそれがいえる。誰かを特定する必要もない。選手たちは自分たちの力を示してくれた。これはチーム、ブレーメンにとって本当にいい事だ」あとはそれを来週のフライブルク戦でも発揮しなくてはならないという事だ。

ブレーメン:ボレは夏まで残留、ラップは再び2部へ

 先日にアイントラハト・フランクフルトは、現在ヴェルダー・ブレーメンにレンタル移籍中のラファエル・ボレについて、ブラジル1部ポルト・アレグレと移籍で合意したと発表。ただしその移籍時期については「遅くとも夏」と明言を避けていたのだが、改めてブレーメンのフリッツSDは「我々は彼を手放すつもりはない。彼はうちにとって重要な選手であり、それにこれから新たに選手を慣れさせていくような余裕もない」と今季いっぱいまで残留する事を明らかにした。ただしニコライ・ラップに関してはその限りではなく、出場機会に恵まれていない27歳の守備のスペシャリストは、ブンデス2部カールスルーエに移籍する可能性が高い。同選手は昨季にも出場機会を求めて、同じくブンデス2部カイザースラウテルンにレンタル移籍していた。