トルコのチグリス川で見つかったメソポタミアバーベル(レオパードバーベル)。デミローレン通信提供。(2024年1月18日撮影、提供)。(c)AFP PHOTO / HANDOUT / DHA (DEMIROREN NEWS AGENCY

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【AFP=時事】トルコは18日、絶滅したと思われていた魚「メソポタミアバーベル」がチグリス(Tigris)川で目撃されたと発表した。

 メソポタミアバーベルはレオパードバーベルとも呼ばれ、コイに似た形をしており、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れのある野生生物をリストアップした「レッドリスト(Red List)」で、「深刻な危機(CR)」に分類されている。

 環境保護団体によると、メソポタミアバーベルが野生で最後に目撃されたのは10年以上前で、絶滅したと懸念されていた。

 トルコのイブラヒム・ユマクリ(Ibrahim Yumakli)農業・森林相はSNSに「わが国の生物多様性の保護と発展にとって朗報だ」と投稿した。

 発見したのは、大統領の名を冠したレジェプ・タイップ・エルドアン大学(Recep Tayyip Erdogaq University)の研究者と、Re:wildやSHOALといった自然保護団体のメンバーから成るチーム。

 同大のクネイト・カヤ(Cuneyt Kaya)准教授は「絶滅寸前まで追い込まれた生物種が困難な状況を乗り越え、しぶとく生き延びていることを発見したときの感動は格別だった」と語った。

 メソポタミアバーベルはかつて、トルコ東部とシリアの一部、イランやイラクの河川に数多く生息していた。だが、環境保護団体によると、地元の農業を支えるためにチグリス・ユーフラテス(Tigris and Euphratess)川水系に設置されたダムと汚染によって生息数が激減した。

 IUCNは先月、世界の淡水魚種の25%が絶滅の危機に瀕していると報告した。

【翻訳編集】AFPBB News

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