動物園にも戦争の影、餓死の危機 ガザ
![パレスチナ自治区ガザ地区南部のラファ動物園で、おりの合間に干された洗濯物(2024年1月2日撮影)。(c)AFP](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/5/b/5b215_1351_1f14b979_c40ddc47-m.jpg)
動物園を経営するアハメド・ジュマー(Ahmed Jumaa)さんはオウムを肩にのせながら「状況は極めて悲惨だ。食料も、水も、医薬品も、何もかもない」と嘆いた。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの戦闘が始まってから3か月近くが経過した。世界保健機関(WHO)は、ガザにはごくわずかな支援物資しか入ってこないことから、飢えと疾病がまん延する危険性を警告している。
避難してきた人々は、おりの間にテント代わりのシートを張った。おりの中を歩き回るライオンやひどく痩せたサルの合間に、色とりどりの洗濯物が干されている。
大人たちは手に入る物で食事を作り、子どもたちはおりの中の動物を眺めている。どの動物もおなかをすかせている。
「餌がないので死んでしまった動物もいる」とジュマーさん。「ライオンが子どもを産んだが餌をやれず、子どもたちは死んでしまった」「サルや鳥も同じような状況だ」
最後の手段として、乾いたパンを水に浸してから食べさせているという。
国連(UN)によると、ガザ地区の住民の85%が避難民となっている。
ジュマーさんは「戦争当初は何とかやれたが、今では手に負えなくなっている」と語った。
肉は不足しており、価格も70シェケル(約2700円)から400シェケル(約1万6000円)にまで高騰した。
ジュマーさんは現在、動物愛護団体による支援を待っている。それが最後の希望となっている動物もいる。
【翻訳編集】AFPBB News
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