ベトナムの定番ファーストフード「バインミー」。手軽にエスニックを楽しめることもあり、近年は日本でも専門店ができるほど人気です。材料を揃えれば、簡単に本場の味が再現できますよ。


今回は、ベトナム名物バインミーの作り方のほか、特徴や歴史もご紹介。話題のベトナム料理のレシピも10選ピックアップしたので、ぜひ参考にしてくださいね。

■バインミーとは?
バインミーとは、柔らかいフランスパンに切り込みを入れて、肉や野菜をたっぷりはさんだベトナムのサンドイッチです。具材をはさむ前にパンにレバーペーストを塗り、仕上げに「ヌクマム」という魚醤を振りかけて食べるのが本場流。ベトナムではバインミーの屋台がいたるところにあり、ソウルフード的存在です。


バインミーは本来ベトナム語で「パン」を意味し、パンに具材をはさんだ「バインミーサンドイッチ」が省略されて「バインミー」と呼ばれています。ちなみにベトナムでは、パンはフランスパンのことを指し、これは19世紀末にフランスの植民地だったことがルーツです。

当時は「フランスパン=高級品」という位置づけだったため、ベトナム国内では少量の小麦粉に安価な米粉を多めに混ぜて焼き上げるようになり、現在のベトナム風フランスパンが生まれました。従来のフランスパンよりもふんわりと軽い食感なので、具材をたっぷりはさんでも食べやすいのです。

■超簡単! 本格バインミーの作り方
具材は豚肉や鶏肉のチャーシュー、大根やニンジンのなます(甘酢漬け)、パクチーなどをはさむのが定番です。こちらのレシピは、焼豚とナンプラーを使った野菜の甘酢漬けで超簡単に本格バインミーが作れます。

意外と簡単!本格バインミー(ベトナムサンドイッチ) by 近藤瞳さん


【材料】(2個分)

大根 5cm
ニンジン 5cm
セロリ 5cm
<調味料>
  ナンプラー 小さじ 2
  砂糖 小さじ 2.5
  レモン汁 小さじ 4
  赤唐辛子(輪切り) 少々
焼豚 80g
キュウリ 1/2本
バゲット 1本
  ピーナッツオイル 少々
パクチー(香菜)(ザク切り) 適量

【下準備】

1、大根、ニンジンは皮をむいて細切りにする。セロリは筋を引いて斜め薄切りにする。大根、ニンジン、セロリは分量外の塩をもみ込んで10分置く。



2、焼豚は、厚さ3mmにスライスする。キュウリは斜め薄切りにする。

【作り方】

1、<調味料>の材料が入ったボウルに、水気をしっかり絞った大根、ニンジン、セロリを加えて和える。10分置く。



2、バゲットは端を切り落として、長さを半分に切る。厚さ半分の切り込みを入れて、トースターで軽く焼く。ピーナッツオイルを薄くぬる。

ピーナッツオイルがなければ、ゴマ油で代用してください。



3、バゲットにキュウリ、焼豚、(1)、香菜をはさむ。



【このレシピのポイント・コツ】

サイドメニューのバナナは、皮をつま楊枝で星型にこすり、10分置いています。



■コスパ抜群! 豚しゃぶバインミーの作り方
豚こま肉を使うのでボリューム感があり、コスパも良し。カリッとしたアーモンドやシャキシャキの紫玉ネギも入って、食感も楽しい一品です。しゃぶしゃぶ肉が余ったときに作ってもいいですね。

豚しゃぶバインミー(ベトナム風サンドイッチ)


【材料】(2人分)

バゲット(ソフトタイプ) 2/3本
<豚しゃぶ>
  豚肉(こま切れ) 150g
  砂糖 大さじ 1
  ナンプラー 大さじ 1
<ニンジンなます>
  ニンジン 1/2本
  干しエビ 小さじ 1
  砂糖 大さじ 1.5
  酢 大さじ 1.5
  赤唐辛子(刻み) 少々
  塩 適量
  アーモンド 10粒
バター 15g
レバーペースト 大さじ 2
紫玉ネギ 1/8個
パクチー(香菜)(刻み) 適量

【下準備】

1、干しエビ、アーモンドはそれぞれ粗く刻む。

2、紫玉ネギは縦に薄く切る。

紫玉ネギの辛味が苦手な場合は、水に放って辛味を抜き、ザルに上げて水気をきってください。



【作り方】

1、鍋に湯を沸かし、火を止めて豚肉を入れてほぐす。再び強火にかけ、煮たったらザルに上げて水気をよくきる。



2、ボウルで<豚しゃぶ>の砂糖とナンプラーを合わせ、(1)をからめる。



3、ニンジンは皮をむいて薄い輪切りにし、さらに細切りにする。<ニンジンなます>の材料をボウルに入れ、しんなりするまでもむ。



4、バゲットは長さを半分に切り、厚さ半分の切り込みを深く入れ、切り込みにバターとレバーペーストをぬる。



5、<豚しゃぶ>と<ニンジンなます>の汁気をきって(4)にはさみ、紫玉ネギと香菜をのせる。





■旅行気分! ベトナム料理の再現レシピ10選
中国やフランスなどの文化が入り混じり、独自の発展を遂げたベトナム料理。日本人にも食べやすく、おうちで気軽に楽しめる人気レシピをご紹介します。

・フォー



フォーとは米粉で作られた平たい麺で、鶏の出汁をベースとしたあっさりスープに入れ、鶏ささ身、紫玉ネギ、パクチーなどをお好みでトッピングします。栄養バランスが良くヘルシーなので、美容食としても人気です。

・バインセオ(ベトナム風お好み焼き)



米粉やココナッツミルクを混ぜた薄い生地に肉や野菜、エビなどを詰めて焼き上げる料理です。オムレツのように見えますが、卵は使わず、ターメリックで着色しています。ひと口大に切ったら、お好みの香草や葉物野菜を一緒に巻き、つけダレにつけていただきます。生地ごとに具材を変えてもいいですね。

・鶏のミークアン(ベトナム風麺料理)



太めの平打ち麺に鶏肉やエビなどの具と甘辛ダレをからめていただく、ベトナム中部のリゾート地、ダナン発祥の汁なし麺です。レシピではフォーを使って作ります。アーモンド、パクチー、赤唐辛子などをお好みでトッピングし、全体をかき混ぜて召し上がれ。

・ゴイクン(ベトナム風生春巻き)



ライスペーパーを使った生春巻きをベトナムでは「ゴイクン」と呼びます。こちらのレシピは、生ハムの旨みとバジルの香りが食欲をそそります。スイートチリソースなどにつけてどうぞ。見た目も華やかで、パーティーやおもてなしにも良さそうですね。

・ベトナム風地鶏のカレー



揚げたサツマイモ×鶏肉を組み合わせる、ベトナムの定番カレーです。ココナッツミルクやナンプラーを入れることで、甘みがありつつも奥深い味わいに。仕上げにライムを絞って爽やかさもプラスしましょう。バインミーとも相性抜群です。

・ベトナム風白身魚の天ぷら



ナンプラーで下味をつけ、ターメリック入りの米粉でサクッと揚げるベトナム風の天ぷら。軽い食感でいくらでも食べられそうです。ビールのおつまみとしても最高ですよ。レシピのようにニンジンの甘酢と一緒に味わうとGOOD!

・ベトナム風エスニック鍋



旨味たっぷりの牛スープにショウガやニンニク、赤唐辛子、レモングラス、ニョクマム(ナンプラー)を効かせます。汁まで飲み干したくなる美味しさですよ。 ピリ辛&さっぱりで飽きずに食べられます。野菜たっぷりなのもうれしいですね。

・ベトナム風牛肉とクレソンのサラダ



ベトナムでは「ゴイ・ボー」という、ビタミン豊富な牛肉サラダが人気です。牛肉の旨みとクレソンのほろ苦さがよく合います。砕いたアーモンドがアクセントに。この1品でお腹を満たせそうです。ナンプラー風味のエスニックダレをかけて召し上がれ。

・小豆の温かいチェー(ベトナムデザート)



甘く煮た小豆にタピオカやフルーツを加えて、ココナッツミルクでいただくベトナムの伝統的なデザートです。日本のぜんざいに近く、やさしい甘さで心身を解きほぐしてくれます。寒い時期は温かいものがおすすめです。

・バインフラン(ベトナム風プリン)



ベトナムのプリンはカラメルではなく、コーヒーソースをかけるのが特徴。砂糖の代わりに練乳をたっぷり使います。少し硬めの食感で、どこか懐かしい味わい。濃厚な甘さとコーヒーの苦みのバランスが絶妙な大人のデザートです。

ベトナム料理でおなじみのフォー、ライスペーパー、ナンプラー(魚醤)などの食材は日本のスーパーでも取り扱っています。今回ご紹介したレシピを参考にして、おうちでベトナム料理を堪能してくださいね。
(川原あやか)