旅行に出かける際、あれもこれもと詰め込んで、気づいたらスーツケースがパンパンに…なんてことはありませんか? ここでは、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせたという、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)に、「旅の荷物をコンパクトにするコツ」を教えてもらいました。

60代、旅の荷物をコンパクトにする7つのコツ

旅行に持っていく荷物を少なく、軽くするコツを紹介します。

1泊2日の国内出張、3か月の海外旅行。旅行といっても、目的も期間もさまざまですが、どんな旅行にも使える原則です。

●1.軽くて小さめのバッグを選ぶ

旅行においては用途に合ったバッグを選ぶべきですが、その際、できるだけ軽くて大きすぎないバッグにしてください。

どんなに中身を軽くコンパクトにしても、バッグが大きくて重いと荷物はコンパクトになりませんし、入れ物が大きければ、その分、ものを詰め込んでしまいます。

この秋、日本に一時帰国しましたが、そのときつくづく、スーツケースは重いと感じました。なにも入れてなくても、スーツケースって重いですよね? スーツケースに比べるとバックパックは量が入りませんが、小回りが利くのでバックパックのほうがおすすめです。

●2.必要なものしかもたない

当たり前ですが、必要なものを最小限だけもつのが、荷物を小さくするいちばんの秘訣です。

旅行に行くとき、どうしても必要なのは海外旅行ならパスポート(ビザが必要な国もありますが)と財布。そして、ほんの少しの身の回り品だけです。適当に荷造りするのではなく、先にパッキングリストを書きながら、持参するものを厳選しましょう。

今回の里帰りでは、暇なときに塗り絵をしようと、塗り絵本と小さい色鉛筆セットを持っていきましたが、塗り絵をする余裕は一切なかったので、持って行くべきではなかったと反省しています。

●3.お土産は最小限に

人にあげるお土産も、自分用のお土産や記念品もできるだけ減らし、買うならかさばらなくて軽いものを選んでください。

身の回り品は少ない私ですが、里帰りするとき、毎回お土産がスーツケースのスペースを取り、荷物がとても重くなります。帰りは娘(25歳)が自分用に買ったものを私のスーツケースに入れるため、やはりスーツケースがものすごく重くなります。

今回は、母、弟、姪のリクエストに応えて、全員に普通サイズのメープルシロップを買って行きましたが、次からはお土産は廃止したいと思うほど荷物になりました。

どうしても人にお土産をあげる必要があるときは、事前に宿泊先に郵便や宅急便で送っておくといいでしょう。

●4.衣類は旅先で洗濯する

多すぎる衣類は、旅行バッグの中身を無駄に増やすので、最小限にしてください。旅先でのコーディネートを2〜3パターンぐらいにすれば、たくさんの服を持たずにすみます。

下着、ソックス、Tシャツなどは、旅先で洗濯するのがおすすめです。私はジャケットやジーンズには、衣類専用の消臭スプレー(ホテルにある)を振りかけ、そのほかは、洗面所で手洗いします。速乾性の素材を選べば、一晩で乾きます。

ちなみに、私はふだんから洗濯の回数は少なめです。

●5.トイレタリーは小分け・サンプルを利用

私は化粧品を使いませんが、多くの女性はさまざまなコスメを使用していますよね。普段使っている製品サイズのものはかさばるので、専用ボトルに小分けするか、サンプルを持って行ってください。

肌が弱いなど特殊な理由がない限り、使うコスメに対するこだわりは捨てましょう。ホテルのアメニティを利用すれば、わざわざ自分でスキンケア製品をもっていく必要はありません。

私の娘はコスメにこだわりがあり、ヘアケア、スキンケア、ボディケア、すべて普段自分が使っているものを旅先に持っていくので、ものすごく荷物が増えます。

●6.普段自分が使わないものは入れない

いつも自分が使っていて手放せないものだけを荷物に入れてください。「もしかしたら」「万が一のときのために」と考え出して荷造りすると、荷物はどんどん大きくなります。

旅行は普段とは違うから、もしかしたら体調を崩すかもしれないと、複数の薬を用意する、日本の食べ物が恋しくなるかもしれないからフリーズドライのみそ汁を詰め込む。このような品は、たいてい出番がありません。

私は普段薬もコスメも使わないので、パーソナルケア製品は、歯の手入れに使うものしか持参しませんでした。

●7.デジタルの利用

パスポートや飛行機のEチケットは、デジタルコピーだけでなく、プリントアウトしたものも、持っていたほうがいいと思います。しかし、仕事で使う資料や、旅先で読む本、身の回りのことをメモするノートなどは、デジタル化してしまったほうが荷物が増えません。

5年前に日本に帰ったとき、私は大きなスケジュール帳を使っていたので、該当の日付の部分だけコピーしてスーツケースに入れました。しかし今回、スケジュールはGoogleカレンダーとデジタルプランナーで管理していたので、紙のノートを持ち歩く必要がなく、その分、荷物を減らせました。

以上、旅の荷物を小さくするコツを紹介しました。衣類だけでなく、小物も、パッキングキューブ(収納袋)に入れてしまうと、荷物のかさを減らせますし(重量は変わりません)。素早く荷造り・荷ほどきができるのでお試しください。

筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、ここで紹介した以外にも、上手なものの減らし方や、ミニマリストになってよかったこと、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。