40〜50代は、「どんな服を着るか」で、年齢より若くも老けても見えてしまうもの。老けないクローゼットとは一体どんなものなのか、スタイリストの地曳いく子さんに教わりました。固定観念にとらわれず、常に自分をアップデートしていきましょう。

老けて見られないために、知っておきたい服の選び方

「若づくりと思ってやっていたファッションの工夫が、かえって老けて見える原因になっている」と教えてくれたのは、スタイリストの地曳いく子さん。地曳さん直伝の老けないクローゼットのつくりかたとは?

●5年先、10年先を考えて買うと老ける

5年後、10年後の自分を想像して「これなら着れるかな」なんて考えて買った服を、今着て老け見えするのは当たり前! 40、50代なら2、3年先をめどに「何回着られるか」を考えて買い物をする方がいいでしょう。

私も若い頃は「一生着られるから!」と高価なカシミアのコートを買いましたが、今は重くて着ないし、そもそも気候が変わってきているので、私はほとんどダウンコート以外着なくなってしまいました(苦笑)。

自分の気分もライフスタイルも、数年で変わるもの。「そのとき」が来てから考えられるよう、お金はとっておきましょう。

●“○○をもっていなければ”という固定観念はいらない

ジャケットやバッグ、時計など、「大人ならこのアイテムをもっていなければ」みたいな話、昔はよく聞きましたよね。でも、自分の生活に必要ないものは、結局もっていても着ずに服が老けていく一方。モデルでもインフルエンサーでもない自分に、だれもそんなことを求めていません(笑)。

それなら、そんな固定観念は捨てて、自分の基準でものを選ぶセンスをみがいた方が、ずっと若々しくいられます。

50歳を機に、自分に似合うもの・必要なものを確認する「おしゃれの棚卸し」をするのもおすすめですよ。

●50代のコンサバはじつは落とし穴

「カジュアルはあんばいが難しそうだけど、コンサバならずっと同じでいいでしょ」と思いがちですが、コンサバこそ、気をつけないと老け見えを招く落とし穴。洋服自体に変化が少ない分、ヘアスタイルやメイクに相当トレンド感がないと、ものすごく古く見えてしまうんです。

また、最近はトレンドがカジュアル化しているので、あまりにもかっちりしたジャケットや高いヒールは昔っぽく浮いた印象に。ジャケットならジャージー素材、パンプスはポインテッドのミドルヒールにするなど、きれいめ志向でも少しカジュアルにすると今っぽくなりますよ。

●失敗を糧とするか、繰り返すか

正直、おしゃれも人生も、死ぬまで失敗の連続です。私は60代ですが、つい最近も予定になかった高価なピアスを買ってしまって…。とにかく今はたくさん身に着けて、元を取ろうとしていますよ(笑)。

失敗は苦い経験ですが、“今の”自分が楽しむことを忘れてしまったら、それこそ老けるのではないでしょうか。失敗を糧にして学びとするか、忘れてまた繰り返すかは自分次第。

50代まではまだまだ失敗して大丈夫。諦めたら、おしゃれの道はそこで終了です。楽しく年齢を重ねるために、たまには挑戦してみては?