ジュニアユース選手らの行為が物議(写真はイメージ)

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サッカー・J3リーグのFC今治(愛媛県今治市)が若手を育成するためのアカデミーに所属する複数のジュニアユース選手が、試合中や試合後に挑発的な行動をしていたと、X(旧ツイッター)上で指摘され、FC今治が公式サイトで説明と謝罪を行った。

選手らが中指を立てたとするX上の投稿もあったが、クラブ側は取材に否定した。ただ、「挑発行為と捉えられてもおかしくない振る舞い」はあったといい、選手らを厳重注意処分にした。

「挑発行為と捉えられてもおかしくない振る舞い」

FC今治は、鹿児島ユナイテッドFCと2023年11月19日にホームの今治里山スタジアムで対戦した。試合は、約3400人の観客が観戦し、アウェイとなる鹿児島サポーター席には約300人がいた。残り試合もわずかな中で、お互いのJ2昇格をかけた熱戦になり、今治が逆転して2−1で勝った。

ところが、その日のうちに、観戦していた今治のジュニアユース選手3人が、鹿児島のサポーターを終始ヘラヘラ笑うような挑発行為をしたと、サポーター側からX上で批判が出た。これに対し、今治のスタッフが3人を事情聴取したうえで指導を行い、鹿児島サポーターには不快な思いをさせたと頭を下げていたという。

また、別の鹿児島サポーターは、ジュニアユース選手らが試合中にずっと鹿児島側を煽り、試合後にも興奮する様子が見られたとX上で指摘した。選手がひたすら中指を立てるところも目撃したという。

ジュニアユース選手らがネット上でやり玉に上がったことを受け、FC今治は翌20日、「11月19日のホーム試合に関するお詫び」と題する謝罪文を公式サイトに出した。

それによると、クラブの運営スタッフが、現場で関係者に事実関係を確認した。「その結果、当該選手が、一部SNS上で取り上げられている直接的な挑発行為はしていないものの、試合中や試合後に挑発行為と捉えられてもおかしくない振る舞いをしていたことが確認されました」。そして、コーチが選手らを厳重注意し、選手らも、相手に対するリスペクトを欠く不適切な行動だったと深く反省しているとした。コーチにも監督不行き届きがあったとして、クラブとして深く反省し、振る舞いを正していくとしている。

「手の動きや身振りに特徴がある鹿児島の応援ダンスをマネ」

では、FC今治が否定した直接的な挑発行為とは、中指を立てていたとX上で投稿があったことを指すのだろうか。

この点について、クラブの広報担当者は11月21日、J-CASTニュースの取材に対し、そのことだと認め、「選手らに複数回のヒアリングを行ったところ、中指は立てていないとのことでした」と説明した。

挑発行為と捉えられてもおかしくない振る舞いについては、こう述べた。

「選手らは、バックスタンドの席にいて、試合中には、手の動きや身振りに特徴がある鹿児島の応援ダンスをマネしていたと聞いています。今治の選手がいいプレーをしたり、得点を挙げたりしたときにこの動作をしたようです。本人たちは、挑発的な意図はなく、目立ちたいからやったと説明していました。しかし、挑発的な態度と取られてしまっても仕方がない行為だったと考えています」

試合後には、鹿児島の監督がサポーターにあいさつする場面があり、地元テレビ局のクルーが監督を撮影し始めると、選手らは、カメラに映ろうと席を移動した。そして、ここでも目立とうとして、おちゃらけた応援ダンスをしていたという。

こうした挑発とも捉えかねない行為をした理由には、今治が逆転してうれしかったことがあるのではないかとした。鹿児島側にこうした行為を招いた原因があるかについては、「確認できていません」としている。

選手らに対し、厳重注意処分に留めた理由については、中学生であることを考慮したことや、挑発的な意図はなかったと聞いていることを挙げた。

なお、最近では、J1リーグの京都サンガF.C.の現役選手が9月、相手ベンチに向かって中指を立てたとして、Jリーグから1試合の出場停止処分を受けたほか、クラブも厳重注意と1週間のチーム合同練習への参加禁止の処分をしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)