「家に誘われるよりナイ」31歳女がドン引きした、デートで提案された2軒目の場所とは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「年収1,000万越えの商社マンなのに振られた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:年収1,000万超の商社マン。女を二軒目に誘ったら「明日、朝早いんです」と言われて…
恵比寿のイタリアンは、かなり美味しくて大満足だった。2軒目に行ったバーでも話は盛り上がった。
でも、すっかり寒くなった恵比寿の街角に立ちながら、私は思わず身震いをした。
今日のデートのためにヒールの靴を履いてきた自分が、笑えてくる。
大輔と、今日は二度目のデート。今日のデートで、私の気持ちはすっかり冷めてしまった。
「こんなことで冷めるなんて、私、結婚できないかも…」
そんなことを考えながら、ひとりタクシーに乗り込む。
寂しさを埋めるために、大輔といてもいいのかもしれない。でも、妥協できない自分がいた。
A1:最初から家に誘ってきたのが嫌だった
大輔とは、友達の紹介で出会った。初回は、その友人を交えて3人での食事だった。
とりあえず最初は、彼のことを褒めた。
「じゃあ大輔くんは商社マンなの?すごいね!」
褒められて嫌な人はいないと思うし、私としては会話を盛り上げるために、仕事の話を振っただけだった。
しかし大輔は、商社勤めだということを誇りに思っているようで、上機嫌になった。
「いやいや、そんなことないよ」
「どんな部署にいるの?」
「僕はエネルギー関係だよ」
「すごい、商社の中でも花形の部署じゃん」
「一応そうなるかなぁ。でも女性陣ってみんな好きだよね、商社マン」
― え…。別に全員が好きとは限らないけど?
でも、わざわざ大輔の自信を折る必要はないので、私はやんわりと冗談っぽく返す。
「それ、自分で言っちゃう?(笑)否定はしないけど」
大輔の商社自慢には少し引いたが、それ以降は、気に触るところもなく、話は盛り上がる。
「大輔くん、休みの日は何をしているの?」
「え?僕はそうだな…ジムへ行ったりキャンプをしたりかな。麻衣子ちゃんは?」
「私はヨガへ行ったり、友達と飲むことが多いかな。あとたまにゴルフも行くよ」
「アクティブだね」
食事の終盤で、大輔はデートの打診をしてきた。
「麻衣子ちゃんよければ今度、二人でご飯でもどうですか?」
「いいね。ぜひ」
そして初デートに、大輔は『CKJ』の席を押さえてくれた。
気になっていた恵比寿にあるモダンチャイニーズのお店だったので、私も思わず笑顔になる。
「大輔くんって、お店選びのセンスいいね」
「麻衣子ちゃんってさ、褒め上手だよね。モテるでしょ?」
「どうだろうなぁ。モテないわけではないと思うけど」
「絶対にモテるね。正直に言うと僕はかなり惹かれているもん」
「そうなの?」
あまりにもストレートな言葉にお互い恥ずかしくなってしまい、私たちは目の前にあるワイングラスに手を伸ばした。
― いい人だし、悪くないかも…。
「もうこんな時間だ。一旦お会計するね」
「ご馳走になっちゃっていいの?」
「もちろんだよ」
お会計もスマートで、ここまでの印象はかなり良い。
でも、お店を出た後の大輔の発言が引っかかった。
「この後どうする?良ければ…変な意味はないんだけど、家が近くて。僕の家で飲んでもいいし、もちろんどこかへ行っても!」
― いや…初デートから家に誘うって、なくない?
「変な意味じゃない」と言うが、下心なしで家に誘ってくる男性が、この世にいるのだろうか。
2軒目に自宅を提案されて、ホイホイ付いていく女性が大輔の周りにはいるのかもしれないが、私は行きたくない。
「ごめん、行きたいんだけど明日ゴルフで朝が早くて。また今度でいい?」
「もちろん!」
しつこくないのが救いだったけれど、初回から家に誘う時点で「体目的かも…」とがっかりしてしまった。
A2:「公園へ行こう」ってナニ?
体目的疑惑は残ったまま、迎えた二度目のデート。前回は、「家へ来ないか」と言われたが、断った後はしつこくもなかったので、まだ彼とはありかもしれないという希望は抱いていた。
それに大輔はお店選びのセンスが良く、今回も私の好きな恵比寿にあるイタリアンだった。
「ここ、美味しいよね。私好きなんだ〜このお店」
私としては、褒めたつもりだった。でもわかりやすく大輔は落ち込んでいる。
「そっか、麻衣子ちゃん来たことあるんだ…有名店だからあるよね」
― え?間違えた?
そう思ったので、慌てて軌道修正をする。
「あ…ごめん!こういう時は、可愛く『初めて』って言うべきだったよね…ごめん」
「ううん!変なこと言ってごめん。気にしないで」
― プライド、高いんだろうな…。
初回時の「俺、商社マン」的な発言もそうだし、連れて行ってくれたお店が初めてでないと落ち込むあたり、大輔の性格が見え隠れする。
でも話していると楽しいし、気がつくとワインボトルが、一本空いていた。
「麻衣子ちゃんキャンプとかは行かないの?」
「あまり行かないなぁ」
「なんで?楽しいよ。今度行こうよ」
「虫とか来ないならいいよ。それより大輔くん、ゴルフはしないの?」
「ゴルフかぁ…。時間取られるのが嫌なんだよね。ほぼ丸一日潰れちゃうから」
「それは言えてる」
そんなふうに会話は弾んでいた。でもやっぱり、何かが違う。
「麻衣子ちゃんって、海外とか好き?」
「うん好きだよ。なんで?」
「商社マンって駐在とかもあるから。麻衣子ちゃんは、どういうタイプなのかな?と思って」
「そうだよね。海外転勤もあるもんね」
「でも麻衣子ちゃんなら、ついてきてくれそうだよね」
― なんで微妙に上から目線なんだ!?
そもそも、結婚して仕事を辞めてついて行くのは、ナゼ女性と決まっているのだろうか。
私は今の仕事が好きだし、仮に大輔と結婚したところで別居婚だってありうる。女性全員が駐妻になりたいとは限らない。
「仕事で海外に行けて、しかも住めるなんてだいぶラッキーだと思うけど」
そう流してみたものの、釈然としない。「商社マンの俺と付き合えるなんてよかったね」とも言われているようで、モヤっとする。
そして決め手は、またお店を出た後の言動にあった。
「今日も楽しいな〜。この後どうする?」
ここまでは、普通の流れだと思う。でも次の言葉に、思わず耳を疑ってしまった。
「今日も楽しいな〜。この後どうする?散歩しながら公園とかに行って話すとかどうかな?もちろんバーとかでもいいんだけど…」
― こ、公園!?しかも散歩?
目の前にはタコ公園がある。でもいい大人ふたりが、公園へ行って何をするのだろう。
しかも私は、先ほど「虫が嫌い」と言っている。そもそもワイン1本空けてほろ酔いなのに、この寒空の下、公園へ行って話すことなど何もない。
ヒールで歩くのも嫌すぎる。散歩するくらいなら、タクシーに一緒に乗ってその移動中に話せばいい。
― この人、絶望的にセンスないじゃん…。
公園や散歩を2軒目に提示された瞬間に、私の大輔に対する興味はゼロになってしまった。
「今日はヒール履いてきちゃったから、バーとかに行かない?」
「そっか、そうだよね。そうしよう」
最初から家へ誘うのもそうだし、商社マン勘違いもそう。そして2軒目に公園を提示してくるあたり、もはや気持ちが悪い。
― この人とは合わないな。
そう思い、私は早々にフェードアウトを決めた。
▶【Q】はこちら:年収1,000万超の商社マン。女を二軒目に誘ったら「明日、朝早いんです」と言われて…
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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