スタイリッシュなバーチカルブラインド。はたしてのその使い勝手は? あけ閉めの手間、目隠しとしての性能、そして気になるデメリットを紹介。リビングに採用して、実際に3年間使ってきた日刊住まいライターが、詳しく語ります。

バーチカルブラインドを選んだ理由

3年前、工務店で注文住宅を建てた筆者。壁紙や柱の色などにこだわり、理想としていたヴィンテージカフェっぽいLDKが完成しました。

しかし、カーテンに関しては、ちょっとしたドタバタ劇が。というのも、ある程度完成した内装を見るまで、カーテンのことが筆者から抜け落ちていたためです(カーテンは見積もりに入ってなかったので、打ち合わせもなく、完全に忘れていた)。

せっかく好みの渋いテイストのインテリアなのに。この雰囲気を台なしにはしたくない…。

そのとき感じたのは、「もし普通のカーテンにしたら、曲線のせいで、やわらかすぎる印象になりそう」ということでした。レースのカーテンをつけるとしたら、なおさらです。

では、ロールカーテンやブラインドはどうか? スッキリしたデザインは好みだけど、掃き出し窓にロールカーテンやブラインドをつけると、出入りの際にいちいち上まであけないといけないので、面倒かも…。

そう悩んでいるとき、縦型ブラインドのバーチカルブラインドをSNSで見つけました。デザイン性、機能性ともに理想的。

オーダー先は、昔からあるご近所の老舗カーテン屋さんにしました。ネットでオーダーして、自分で取りつければ、たしかにコストカットできます。しかし筆者としては、色や素材、種類など細かいことをプロに相談したかったのです(結果的に、これでよかった!)。

バーチカルブラインドのよかったところ

バーチカルカーテンのどんなこところがよかったのか。実際に住んでみて感じたことを、4つの視点からお伝えします。

 

●窓からの出入りがしやすい

窓と同じように、端からあけ閉めできる操作性のよさ。これが、筆者がバーチカルブラインドを選んだ理由です。

 

写真の窓の場合だと、左端から右端へ向かってあけることになります(閉める際は、逆になる)。これが一般的なカーテンだと、真ん中から開閉するケースが多いのではないでしょうか(もちろん、「左端から右端へ」と設置することもできます)。

そのケースだと、窓をあけて出入りするときは、カーテンは全開しないといけません。また、もしロールカーテンや横型ブラインドの場合なら、れる高さまでブラインドを上げる必要があるでしょう。

その点バーチカルブラインドは、端から開閉します。ブライドと窓の「開き」部分を連動させてすき間をつくれるのです。これが、人の出入りにとても便利。

最近、網戸に犬用の扉をつけた筆者。犬が通り抜けるスペース分だけバーチカルカーテンをあけられて、とても快適です。

 

あけ閉めや角度を変えるには、「バトン」という棒を使います。わが家の製品では左右にバトンがついていて、これをひねればよいだけ。ブラインドのように操作に重たい感じがなくて、とてもスムーズに動いてくれます。

 

●リビングがスッキリ見えるデザイン性の高さ

筆者がカーテンに求めたデザイン性は、インテリアのイメージを崩さないことでした。壁とひと続きになって、とても統一感があります。

直線的でスッキリ。不思議と高級感もあります。壁紙よりワントーン暗い、同系色のカーテンを選んだことも、スッキリと見える理由だと思います。

 

●少々すき間があっても外から見えづらい

実用的なメリットもあります。カーテン屋さんいわく、「バーチカルブラインドは通行人やクルマなど動いてる人から、室内が見えづらい」そうです。

室内から外を見ると適度な開放感があるのに、外から見える心配が少ない。この点が筆者のお気に入りです。

 

わが家のリビングの窓の先には、庭をはさんで道路があります。開放感が欲しくて、せっかくつけた大きな窓。一般的なカーテンだったら、常に閉めっぱなしで、残念なことになっていたのではないでしょうか。

 

バーチカルブランドだと、ルーバー(縦長の羽根のような部位)を閉じなくても(左写真の状態)、十分に目隠しに。開放感もちゃんと味わえます。

 

●ホコリがたまりにくい

バーチカルブラインドは、横型タイプと比べて、ホコリがほとんどたまりません。これは、羽根が縦方向だから。

掃除の手間がかからないのは、ズボラな筆者にはありがたい!

バーチカルブラインドの悪かったところ

逆に、ちょっとここは…と感じた部分を3つの視点からリアルにお伝えします。

 

●洗濯できるが面倒くさい

洗濯できなさそうなバーチカルブラインドですが、じつは、わが家のものは洗濯機で洗えるタイプです。ただ、洗濯方法を調べると、これがかなり面倒な模様。

一つひとつルーバーをはずして、ルーバーの裾についてるおもりもはずし…。さらに、洗濯機の中で、ぐちゃぐちゃにならないよう、束ねて洗わないといけないそうで。

筆者は多分、一生やることはないだろうと思いました。

とはいえ、わが家は夫が重度の花粉症。本当は定期的にカーテンを洗った方がいいんです。メンテナンス性を考えると、普通の布製カーテンは、さぞやラクだったろうなと思います。

もっとバーチカルブラインドの場合、汚れたルーバー1枚だけを取りはずして洗えるというメリットもありますが。

 

●風でパタパタ音がする

バーチカルブラインドは、風との相性がよくない印象。風が吹くと、ルーバーがパタパタと音を立てます。ルーバー同士がぶつかったり、窓に当たったり。

また、風によって、ルーバーの角度も簡単に変わってしまいます。

たとえば、わが家のコーナー窓の場合。片方の窓をあけると、風の影響でもう片方のバーチカルブラインドがズレたり角度が変わったりしてしまいます。

 

画像右側の窓をあけると、左側の窓のバーチカルブラインドの角度や位置がズレてしまうのです。

 

●犬が引っかかる

バーチカルブラインドの裾は、ひもでルーバー同士がつながれています。しかし、このひもに、犬がたまにひっかかるんですね。

ひもは簡単にはずれる仕組みになっています。ですので、犬がひっかかると、ひもははずれます。それをいちいち直すのが面倒。また、引っかかること自体、ちょっと危ないと思います。ペットを飼っていたり、小さい子どもがいたりする場合は、注意したいところです。

以上、バーチカルブラインドを3年使ってきた感想をリアルに語ってみました。