秋から年末年始にかけて、旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。荷造りで悩むのが、持っていく洋服。動きやすくラクなものがいいけど、カジュアルすぎるのもつまらない。でもただでさえかさばる秋冬物、なるべく洋服の量は厳選して減らしたいですよね。

「少ないアイテムでも小物や組み合わせ次第で、シーンに合わせて着まわせます」と語るのは、人気スタイリストで、旅の達人でもある地曳いく子さん。ここでは、大人旅についてつづった新刊『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社刊)より、「旅のファッション三種の神器」にまつわる文章を抜粋して紹介します。

旅のファッション「三種の神器」

持っておくと安心な旅のファッションアイテム三種の神器、それは
・ワンピース
・フラットシューズ
・2種類のストール
です。

●旅の最強ファッションは…

まず声を大にして言います。ワンピース最強です。

なにしろコーディネートを考えなくていい。とくに海外旅行の初日、時差ぼけで回らない頭でいろいろとコーディネートを考えるのって面倒くさくないですか? それを解決するのがワンピースを基本にしたコーディネートです。

中に着る下着や、外にプラスするカーディガンやジャケットなどの羽織りもの、ストールで温度調整できますし、なんといっても基本の上下の組み合わせができているのですから、その先のコーディネートは簡単です。

着飾りたいときにもワンピースは大活躍。おしゃれしたいときはワンピースに大ぶりピアスやブレスをすればオペラにだって行けちゃいます。

某大物歌手の仕事でウィーンロケに行ったとき、コーディネーターの方に誘われて急にオペラを見ることに。仕事なのでいつものように私物は機内持ち込みだけの少ない荷物の旅でしたが、黒のジャージー素材の長めワンピースを持っていました。その黒のワンピースが大活躍、アクセサリーをつけてスカーフを巻いたら、オペラ観劇用コーディネートが完成。堂々とオペラハウスに行くことができました。

お手入れも簡単でシワになりにくいジャージー素材ワンピースは、季節を問わずおすすめです。国内外問わず、朝ごはんを食べに行くときや、朝ちょっと散歩に行くときなどにも便利。とくにホテル内のレストランでの朝食や近所のカフェなら、寝起きにワンピースをパッと着てメガネのままでも行けます。

前日に水をスプレーしてハンガーに半日吊っておけばシワが伸びます。小さな空のスプレーボトルを旅先に持って行くと本当に便利です。夜、シワになった服をハンガーに掛けて水スプレーすると、大概のシワは翌朝までに伸びています。小さいスプレーボトルは無印良品や百均で購入できます。

●小物でガラッとイメージチェンジも

ワンピースに合わせて活躍する靴はフラットシューズ、またはビルケンシュトックのアリゾナモデルなどのフラットなサンダルです。

海外では高級ホテル以外ではスリッパが備えつけられていない場合が多いですが、フラットな靴が1足あればスリッパ代わりの室内履きになります。ホテルご近所のカフェにもそのままふらっと出られます。かさばらないもの、フラットなもの、たとえビーサンでもいいので1足持っていくと便利です。

ストールは、薄手カシミアやシルクコットンなど、かさばらないものを2枚持っていきます。1枚は、グレー、ベージュ、黒など無地のものを、もう1枚はキレイな色か柄物を。

無地のものは小さく畳んで機内持ち込みして防寒対策に。キレイな色や柄物はシンプルなワンピースやトップスやコートの上に1枚たすだけで、ガラッとイメージチェンジできますし、気分も変わります。

『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社刊)では、荷造り、旅ファッション、ホテルや飛行機選びなど、大人ひとり旅のコツをたくさん紹介しています。