スピード感あるタフなプレイが魅力のサッカー選手・長友佑都さん。専属シェフの加藤超也さんは、10月に『今日もお疲れさま!超回復めし』(主婦の友社刊)を出版。そのレシピは、毎日忙しく疲れを溜めやすい主婦にとってもうれしいポイントが満載です。

アスリート専属シェフに聞いた!だれでも簡単にできる「超回復めし」

今回は加藤さんに、著書に込めた思いやおすすめのレシピなど、貴重なお話を伺いました。

●疲労回復のポイントは「高タンパク×良質の脂質」

一般的に年齢ともに多くの人は疲れやすくなり、パフォーマンスが低下しますが、その体を立て直すのが、加藤さん提案の「高タンパク×良質の脂質」の「超回復めし」。現在37歳の長友選手が、筋肉系の大きなケガもなく、高いパフォーマンスを維持するためには、料理も大切な要素のひとつ。

「毎日の食事で体がきちんと整えば、サプリメントに頼らなくてもいいのでコスパにもなります。仕事の疲れが抜けない、体がしんどい、スタミナをつけない人こそ『超回復めし』がおすすめですね」(加藤さん、以下同)

<「超回復めし」のポイント>

タンパク質を含む肉や魚、大豆製品を過不足なく摂取する 青魚などに含まれるオメガ3系の脂肪酸や新鮮なオイルなど良質の油を選ぶ 腸内環境を悪化させないためにも野菜や海藻を食べる 老化を進ませる「酸化」や「糖化」を招きにくい食材を選ぶ 血糖値の乱高下を招く糖質はほどほどにする  …など

●子どもも大人も大好きなあのメニューも!

疲労回復には、タンパク質がとても重要。個人差はありますが、厚生労働省によると18歳以上の成人であれば、男性は65g、女性は50g程度のタンパク質を摂取することが推奨され、効率よく食べるにも工夫が必要になってきます。

しかし、日常生活で“タンパク質”を意識したメニューを考案するのは難しいですよね…。そこで加藤さんに、忙しい主婦とモリモリ食べたい育ち盛りの子どもにぴったりのレシピを伺いました。

「『低糖質高たんぱくなプロテイン餃子』ですかね。このプロテインギョーザは、皮の代わりに油揚げを使用しているので、肉と大豆のタンパク質がダブルで摂ることができます。また、油揚げなので油をひかずそのまま焼いて問題なし。1個ずつ皮に包む手間も省け、時短にもなる一皿ですよ」

●低糖質高たんぱくなプロテイン餃子

【材料(2人分)】

豚ひき肉 150g
キャベツ 1/6個
ニラ 1/2束
油揚げ 2枚
A[鶏ガラスープのもと小さじ1 しょうゆ小さじ1/2 オイスターソース小さじ1 砂糖小さじ1/2 ショウガのすりおろし小さじ1/2]

【つくり方】

<下準備>

・油揚げは縦に2等分する
・キャベツとニラはそれぞれあらいみじん切りにする

(1) あんをつくる

ボウルにキャベツとニラを入れ、塩少々(分量外)を加えて塩もみし、しっかりと水気をしぼる。そこに、ひき肉とAをすべて加え、粘りけが出るまでよく混ぜ合わせる。

(2) 油揚げにあんをつめる

油揚げの切り目を開き、(1)の1/4量をつめる。残りも同様にする。

(3) ふっくらと焼き上げる

フライパンを熱し、(2)を入れて、ふたをし弱火で5〜10分蒸し焼きにする。上下を返し、さらに5〜10分蒸し焼きにする。全体にふっくらとしたら火を止め、食べやすい大きさに切って器に盛る。

 

●コツは「良質な脂質を含む、魚もバランスよく食べる」こと

タンパク質は、お肉だけでなく、お魚もバランスよく食べることを加藤さんは推奨します。

「個人的には、日本人ならもっとお魚を食べてほしい、という思いがあります。魚って、焼き魚や煮魚くらいの調理法しか浮かばない…という人も多いですよね? 食卓に取り入れる難しさは、お肉よりあると思います。

ただ、栄養学の視点から見ても、魚のタンパク質と脂質は体に合う方が多いですし、疲労回復食として優秀なので、積極的に食べてもらいたい。取り入れる意識があるだけでも食事内容は変わってきますよ。僕は現在、週の半分は長友選手の食事のサポートをしていますが、長友選手の最近のリクエストはほぼ決まってお魚です」

著書では、育ち盛りの子どもでも食べやすいよう、骨離れのいい魚のほか、食べやすい魚介類を使ったレシピも多々紹介されていて、「調理が難しそう」、「魚料理がマンネリ化してしまう…」といったあるあるの悩みも解消できます。

●主婦の毎日の献立づくりと元気を応援したい

さらにうれしいポイントが、家庭での再現性を考えて、めんつゆや中華だしなどスーパーで手に入りやすい食材や調味料でつくれるメニューで構成されているということ。

「機能性を追求しただけの食事は、おいしくないし、心の栄養にならない。それよりも毎日つくりたくなるような手軽さだったり、おいしさだったり、つくってみたい! と思わせるレシピを考案しました。『超回復めし』はどれも簡単なので、できるだけ多くの人に実践してほしいと思っています。

僕がアスリート専門のシェフだから、その視点からの話になりがちですが、“食”は、だれにとっても大切なもの。年齢を重ねても動ける体は長友選手だけでなく、だれもが求めるものだと思います。運動習慣がない方にも、仕事で疲れている方にも役立てほしいです。

長友選手の専属のシェフになって気づいたことは、家族の食を支える主婦の方ってすごいな、ということです。僕は専門性と探求心を持ち、仕事として料理に向き合っていればいいですが、日々の食事づくりは連続性のあるもの。

毎日食事を提供しながらも、家族を満足させるレシピを考えなくてはならない。そんな大変な仕事を担う方を手助けするために、この本では多くのバリエーションを紹介しています。できるだけたくさんつくってほしいですね」

部活動で体を動かす中高生のお子さんにも、疲労感がなかなか抜けないビジネスマンにも、元気よく毎日を過ごしたい女性にもピッタリ! 加藤さんが考えたおいしい食事で、疲れにくい体に整え、毎日元気よく乗りきってみてはいかがでしょうか。