あえて割安な北側道路の敷地を購入した結果、明るくて気持ちのいい家づくりができた。そんな日刊住まいライターが、4年前にハウスメーカーで建てた注文住宅について語ります。南側にリビングがつくりやすい、外からの視線が気にならない…。北側道路の敷地のメリットに、ぜひ注目を。

最終的に選んだのは、分譲地の中の北側道路の土地

筆者は妻と子ども2人の4人家族。2019年にハウスメーカーで、2階建ての延床面積30坪ほどの注文住宅を建てました。

土地探しでは、明るい家にしたいという希望から、最初は南側道路の土地を中心に見ていました。しかし、ハウスメーカーと一緒に土地探しをするなかで、北側道路であっても吹き抜けを設けた間取りなら、明るい家が実現できることに気づいたのです。

そして最終的に選んだのが、50区画ほどの分譲地の中の、北側道路の土地です。この土地を選んだことで、家づくり当初からの希望であった、明るいマイホームを手に入れることができ、とても満足しています。

さっそく北側道路でも明るい家にできた間取りや、北側道路を選んでわかったメリットやデメリットについてレポートします。

 

東南部に吹き抜けをつくったことで明るいリビングに

わが家が北側道路でも明るい家を実現できたのは、吹き抜けの存在がとても大きいです。

写真の外観は、向かって右側(北側)が道路。正面上部にある2つの大きな窓は、リビングの吹き抜けにつくった高窓です。家の南東部に大きな吹き抜けと、高窓を設置したおかげで、リビングにしっかり陽の光が入ります。

家づくりをスタートした頃は、吹き抜けにすると「夏は暑い、冬は寒い」「電気代が高い」といった心配もありました。しかし、同じハウスメーカーで建てられた、大きな吹き抜けのある家を訪問させてもらったことで、その心配は解消されました。

実際に住んでいる方から話を聞いたり、実際の電気代を見せてもらったりすると「吹き抜けがあっても夏も冬も快適」「電気代が高くなるわけではない」ということがわかり、吹き抜けの採用を決めました。

実際に暮らし始めてみると、冬場でも晴れた日なら夕方5時ごろまでは照明いらずの明るさです。もちろん、夏の暑さや冬の寒さも心配なし。電気代も抑えられています。

また、わが家は建ぺい率と容積率の都合上、延床面積30坪ちょっとの家になりました。決して大きいとは言えないサイズですが、さほど狭さは感じません。これも大きな吹き抜けをつくり、開放感を感じられているからだと思っています。

日当たりがよくて、道路からの視線が気にならない!

実際に北側道路の土地に家を建てて実感しているメリットについてお話しします。

いちばん大きいメリットは、日当たりのよい南側をすべてリビングやダイニングに活用しやすいことです(もちろん、土地の条件によっては当てはまらないケースも)。

南側道路の土地の場合、玄関スペースが南側の一部を占めることが多いと思います。しかし、北側道路のわが家の場合、玄関や水回りが北側に集約され、南側すべてをリビングとダイニングとして活用できました。

もうひとつのメリットは、道路からの視線が気にならないことです。

明るい家にするため、南側に大きな窓を設置するケースが多いかと思います。南側道路の土地で道路側に大きな窓が設置されると、道路からの視線が気になるかもしれません。

しかし、北側道路の土地では、南側は道路と反対側になるため、大きな窓を設置しても視線は気になりません。

そのほか、分譲地だからこそ実感したメリットもあります。

わが家の場合、同じ分譲地内でも、南側道路と比較して北側道路の土地のほうが1〜2割ほど安かったです。

また、価格が多少高くても、分譲地内では南側道路の土地から売れていきました。逆に考えれば、同じ分譲地の土地でも、北側道路であれば残っている可能性大。安く手に入れることができる可能性も大きいということかと思います。

デメリットをあげるなら、道路側の外観がさびしいこと

その一方、北側道路の土地に対してデメリットも感じています。それはわが家の場合だと、道路から見た外観がさびしくなったことです。

わが家は道路側である北側に玄関や水回りが集約された間取り。

そうなると、道路側には大きな窓が設置されないため、どうしても外観がさびしくなります。よく言えばシンプルですっきりしているということなのですが、外構や植栽などでアクセントを加えないと、ちょっとそっけない印象になってしまうかもしれません。

実際、家づくりの際に外構をあと回しにしてしまったこともあり、引き渡しのときには外観がさびしい印象でした。そこで、暮らし始めてから約1年後にシンボルツリーのアオダモを植え、外観にアクセントを加えました。

道路側の外観がシンプルなため、アオダモがよく映えて満足しています。

家づくり当初から外構の計画も意識して進めていれば、北側道路であってももっとすてきにできたのかもと反省しています。