50代から、自身のオンラインセレクトショップ「羽田甚商店(はだじんしょうてん)」をスタートさせた女優の羽田美智子さん。いくつになってもやりたいことを行う原動力や、年齢を重ねることを肯定的に捉える秘訣を聞きました。

羽田美智子さんのすてきに年を重ねる暮らし方

「年をとるにつれて、だれかと比較することがなくなりました」と話す羽田さん。50代から新たな挑戦も行う羽田さんの、年齢を重ねることとの向き合い方とは?

●「これでいいのだ」と変化する自分を受け入れる

「今朝ストレッチしたばっかりなのに、もう体がかたくなってる!」

カメラの前でくるりとポーズを変えながら、声を上げた羽田美智子さん。続けて、「年々、肌の乾燥はひどくなるし、目は見えにくくなるし(笑)。年を重ねるごとに、いろいろな変化が起こりますよね」とも。しかしその表情は明るく、悲観した様子はありません。

「若い頃は、なぜか自分だけは年をとらないと思い込んでいたんです(笑)。でも、だれでも平等に年はとるもの。『天才バカボン』のパパじゃないけれど、『これでいいのだ』と、変化する自分を受け入れられたらと思っています」

ただし不調は放置せず、体からのサインに耳を澄ませて、未病のうちに防ぐことを意識しているそう。

「たとえば、3日睡眠不足が続いたら4日目はたっぷり睡眠をとるなど、こまめな体調リセットを心がけています」

●年をとってうれしいことは「自分は自分」と思えたこと

体だけでなく、考え方にも変化があったという羽田さん。

「昔は、人と自分を比べて、自分の欠乏感と向き合うことが苦しかったんです。だけど、気がつけばそういう感情ともサヨナラできた。もちろんたりないものはいっぱいありますが、そんな自分も『これでいいのだ』って(笑)」

そんなふうに考えられるようになったきっかけのひとつに、植物がくれたある気づきがあったのだそう。

「アロマテラピーの勉強中、植物はどんなに過酷な状況でも、自分の置かれた場所で精いっぱい命をまっとうしていると習ったんです。そのとき、自分次第でどこでも幸せに生きていけると気がついて。現代では、なにごとも上を目指すべきという風潮があるけれど、そんなことはない。自分を受け入れつつ、今いる場所で幸せを探しながら、自分が満足できる暮らしをしよう。そう思えるようになってから、心がラクになった気がします」

●人生は有限。やりたいことは先延ばしにしない

自分が満足できる暮らしを送るため、羽田さんが心がけているのが、「どんなことも楽しむ」ということ。

「昔はどんなことも『やらなければいけないこと』だと捉えていました。でも、どうせなら楽しんだ方がいい。たとえば、庭の草むしりも面倒だと思わずに『やりたいからやっている』と意識を変えてみたり。ときには声に出して自分をほめながら、なにごとも楽しむ生活を送っています」

やりたいことは先延ばしにしないことも、羽田さんのマイルール。

「40代で入院した際に、やり残したことはないかと考えたら山ほどあって。最期を迎えるときに、あれをすればよかったと悔やむ人生はやめようと思ったんです。オンラインのセレクトショップ『羽田甚商店』をオープンしたのも、そんな思いから。50代での挑戦でしたが、そのときの気持ちが原動力になりました」

羽田さんには、まだやりたいことがたくさんあると言います。そのひとつが、「羽田甚カフェ」の実現です。

「私にとってなにがいちばん幸せかと考えたら、人を笑顔にできたときだなって。『あそこに行くと元気になれるよね』という交流の場所を、50代のうちにつくれたらと思っています」

「50代、人生まだまだ楽しみます!」

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