「○○君と一緒にいる時間が好き」と言ってきた女性。なのに3度目のデートでフラれたのはなぜ?
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:一人暮らしの男の部屋に行ったら、見つけてしまった“あるモノ”。これは白黒どっち…?
確実に、勝算があると思っていた。
「由香ちゃん、僕と結婚を前提に付き合わない?」
由香のここまでの態度は、かなり思わせぶりだったのだ。
最初は「勘違いしないように」と冷静になろうと思っていたけれど、これは勘違いなんかじゃない。
由香は僕のこと、多少でも絶対に好きだったはずだ。
それなのに、僕は今目の前の由香を非常に困惑させている。
「えっと…。洋平さん、えーっと…」
結局、この告白は1週間後に断られてしまった。
果たして僕の何がダメだったのだろうか…。
Q1:初デートから、確実に彼女からの好意を感じていたのになぜ?
由香と出会ったのは、友人である彩美からの紹介だった。
「彼女がいない、でも今年こそは本気で誰かを探す」と嘆いていた僕に、紹介してもらったのが由香だった。
まずは彩美と僕、そして由香の三人で『赤坂 おぎ乃』で食事をすることになった。
「由香ちゃん、すごく可愛くていい子なんだけど前の彼氏にひどい裏切られ方をして。だから洋平さんのような、優しい人がいいと思うんだよね」
そう言って紹介された由香は華奢な体型で顔も小さく、まさに“守ってあげたくなる”ような女の子だった。
「洋平さんは今自分で会社をやっているんだけど、とにかく優しくていい人なの」
彩美が僕の良さを力説してくれている間、由香がじっと僕のことを見つめてくる。
― これってどういう視線なんだろう…。
由香の視線にどう反応すればいいのかわからず、僕はとりあえず手持ちのレモンサワーを飲み干す。
「由香ちゃん、かわいいでしょ?」
彩美の言葉に、僕は強くうなずく。
「うん、めっちゃ可愛い。むしろ可愛すぎて緊張してきた」
すると、由香がふっと笑った。
「そんなことないですよ〜。洋平さんも、想像していた人と全然違いました」
「え?どういうこと?」
こうして楽しく夜は過ぎ、次は二人で会う約束をした。
初デートは僕のお気に入りの西麻布にある会員制のレストランバーにした。
「洋平さんって、いつもこういうお店に来られているんですか?」
「そうだね…まぁ多いかも」
仕事柄接待も多いので、会員制の店や予約困難店は一通り押さえている。
「さすがですね。洋平さんって何のお仕事でしたっけ?」
「僕はITコンサルの会社を経営していて」
「すごいですね!ちなみに、今洋平さんは彼女さんとかいらっしゃらないんですか?」
目をキラキラと輝かせる由香。しかも急に核心を突く質問で、僕のほうが少し驚いてしまった。
「え?もちろん。じゃないと紹介なんて受けないし…。由香ちゃんは?今好きな人とか彼氏とかいないの?」
「今はいないんです。なので探していたところ、彩美から『由香が好きそうな人がいる』って洋平さんのこと紹介してもらって」
「そうだったんだ」
「洋平さんカッコいいし、彩美に感謝です」
サラリと褒めてくれる由香の言葉に、思わず頬が緩む。
「嬉しいな…。由香ちゃんが嫌じゃなければ、また誘ってもいいかな?」
「もちろんです!」
この日は一軒だけで解散したけれど、ちゃんと次回の約束もした。
― このままいけば…!!
そう思っていたのは、きっと僕だけではなかったはずだ。
Q2:三度も真剣なデートをした後に振られた理由は?
こうして初デートを終え、二度目のデートも楽しく終えて三度目のデートを迎えた僕たち。
何となく、“三度目のデート”は特別なものだ。しかも二度目のデートから3週間くらい空いてしまった。だから今回も気合を入れて店を選んだ。しかも特別な感じが好きな由香のために、一応個室を押さえていた。
「相変わらず、洋平さんのお店選びのセンスって最高ですね」
「本当に?そう言ってもらえると嬉しいな」
そんな会話から始まったデートだけれど、僕の中ではそろそろ次のステップに進みたいなとも思っていた。
「由香ちゃんって、結婚願望とかあるの?」
「私ですか?すっごくあります」
その「すっごく」の力が強くて、僕は思わず笑ってしまう。
「そうなんだ(笑)。その熱量、伝わってきた」
「洋平さんは?結婚願望ありますか?」
「うん。僕も次に付き合う人とは結婚したいと思ってる。子どもも欲しいし」
「わかります!私も早く子どもが欲しくて。洋平さんと私って、結婚観似ていそうですよね」
結婚や家庭に対するゴールや熱量が一緒かどうかは、意外に重要な気がする。由香の言葉に、僕も思わず嬉しくなった。
「そうだよね!わかるな〜」
「洋平さんと一緒にいる時間、私好きなんですよね」
これは、もう僕の勘違いなんかじゃない。由香も確実に、僕に好意を寄せてくれているのだろう。
「由香ちゃん、今彼氏欲しいって言ってたよね?」
「はい」
「そっか、了解」
「了解ってなんですか(笑)」
本当なら、この時に言ってもよかった。けれどお酒が入っていると真剣さや誠実さが欠けるかなと思い、次のデートでは昼間に会うことを提案してみた。
「由香ちゃん。次は、昼会わない?お酒抜きで」
「もちろんです。そうしましょう」
こうして僕は覚悟を決め、四度目のデートは外苑前にあるお洒落な人たちが最近よく集っているホテルのカフェにした。
「昼間に会うの、なんか照れるね」
「そうですよね。新鮮です。洋平さんここのカフェよく来るんですか?」
「うん。打ち合わせとかにたまに使うよ」
「私も、ここよく友達とお茶しに来ていて。さっきも友達がいたんですよ」
「人気だもんね」
そんな会話は、正直どうでも良かった。今日は由香に話さなければいけないことがある。
オーダーを済ませ、コーヒーが運ばれてきたタイミングで、僕は由香に真剣に向き合った。
「あのさ。僕最初見た時から由香ちゃんのこといいなと思っていて」
「ありがとうございます」
「もう3回もデートしているし、そろそろ次に進みたいなと思っていて…」
「ですよね」
「由香ちゃん、僕と結婚を前提に付き合わない?」
久しぶりに、こんな真剣に誰かと向き合って告白をした。いわゆる一世一代の大告白だ。
しかし目の前にいる由香の反応は、僕が想像していたものとはまったく違った。
「えっと…洋平さん、えーっと…」
結果、見事に玉砕した僕。一体何がダメだったのだろうか…。
▶前回:一人暮らしの男の部屋に行ったら、見つけてしまった“あるモノ”。これは白黒どっち…?
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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女が男の告白にYESと言わなかった理由は?