動物保護団体により保護された、全身が真っ白なカラス。アルビノと呼ばれる先天的な遺伝子疾患を持っており、爪やくちばしも真っ白だった(画像は『Fox News 2023年7月24日付「Rare albino crow found in Connecticut unable to fly: ‘A special bird’」(A Place Called Hope)』のスクリーンショット)

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アメリカの野生動物保護団体が現地時間7月11日、白いカラスを保護したことをFacebookで公表した。真っ白なこのカラスの目はピンク色をしており、遺伝子疾患の1つであるアルビノであることが分かった。アルビノのカラスが誕生する確率は3万羽に1羽と言われており、「なんて美しいんだ」「魔法のよう」などの驚嘆の声が寄せられていると、米ニュースメディア『Fox News』などが伝えている。

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珍しいカラスを保護したのは、米コネチカット州キリングワースを拠点に活動する野生動物保護団体「A Place Called Hope」だ。現地時間7月11日のFacebook投稿で、「野生動物リハビリセンターで働いていると、どんな動物が助けを求めてやって来るのか、その時まで全く分からないので、毎日が冒険のようです。今日、私たちはアルビノのウオガラス(Fish Crow)を保護しました。専門家によると、アルビノのカラスは3万羽に1羽しかいない、非常に珍しい存在です」と報告している。

アルビノは先天的な遺伝子疾患の1つで、遺伝子変異によりメラニンの生成が不可能となる。これにより肌や目などの色を生み出すことができないため、全身が白いという症状が現れる。アルビノと似た症状に“白変種”と呼ばれるものもある。通常よりもメラニンの生成が少ないために白っぽく、体の色素が薄いのが特徴だが、目には色がある。ホワイトライオンや、ホワイトタイガーが白変種としてよく知られる。なお、カラスの1%は白変種だとされる。

アルビノと白変種の大きな違いは、目の色である。アルビノは目を黒くするための色素を生成できないため、赤っぽい色になる。通常のカラスは爪の先まで黒いはずだが、今回保護されたカラスの写真を確認すると、爪先や足、くちばしも全て真っ白であることが分かり、ピンク色に近い目をしていた。このことから同団体は、このカラスが真のアルビノだとし、希少な動物に出会う恩恵を受けることができて非常に光栄だと語っている。

このアルビノのカラスは若鳥で、飛べずに地面に倒れているところを発見され、ケガをしている可能性があるとして保護されたという。レントゲン検査では骨折しているような箇所は見つからなかったが、さらに詳しい検査を行うと、羽の軟部組織が損傷していることが分かった。

また獣医による診察で、カラスの視力が非常に弱いことも判明した。通常なら保護した動物は野生にかえすのが最終目的であるが、複数の要因を考慮し、自然に戻すことは最適ではないとスタッフらは判断した。その代わりにこのカラスを同団体で飼育し、アンバサダーとしての役割を担ってもらうことにした。

同団体の代表であるクリスティン・カミングスさん(Christine Cummings)は「アルビノのカラスは、新しい安全な環境にとても満足しています。視覚障害があるので野生にかえすことは難しいため、私たちがケアを続けていくことになるでしょう」と説明している。

現在、このカラスを人間の保護下に置きアンバサダーとして飼育する許可を得るため、米国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)に法的書類を提出しているところだという。

珍しいアルビノのカラスの姿がネット上で公開されると、「これは凄い。何か良いことが起きるサインかもね」「なんて美しい」「これは絶対に特別なカラスだよ」「まるで魔法のようだ」など驚きの声があがっている。

クリスティンさんは「このカラスは特別な鳥で、我々の目標である『希望と呼ばれる場所』の癒しの象徴として、私たちのもとに来てくれたのだと感じています」とコメントを残した。

なお今年6月には中国で、野生では世界に1頭と言われているアルビノのパンダが撮影され、その珍しい姿が大きな話題を呼んでいた。

画像は『Fox News 2023年7月24日付「Rare albino crow found in Connecticut unable to fly: ‘A special bird’」(A Place Called Hope)』『A Place Called Hope 2023年7月11日付Facebook「Every day is like an adventure when you work in the world of Wildlife Rehabilitation.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)