写真:つのだよしお/アフロ

 番組を見ていた視聴者は呆気に取られたのではないだろうか。

 7月2日に放映されたNHK『日曜討論』に出演した河野太郎デジタル大臣が、「(行政で使われている)マイナンバー制度と(国民向けの)マイナンバーカードが世の中で混乱している。次の更新でマイナンバーカードという名前をやめたほうがいいのではないか」と発言したのだ。次の更新とは2026年中にも実施するマイナンバーカードのデザイン変更のタイミングとみられる。

「番組で、日本総合研究所の岩崎薫里上席主任研究員らが『普及には国民の理解が不可欠だ』と意見しました。その際に出た発言です。なんとも突然の発言に出演者も驚いたようです」(政治担当記者)

 河野大臣の発言について、松野博一官房長官は3日の記者会見で「あくまで個人的な見解を述べたものであると承知している。政府として名称変更について検討しているものではない」と答えている。

 だが、河野発言にネットは即座に反応。

《名前変更しようが、本質は変わらないのでは?》

《ただでさえ現場が混乱しているのにさらに無駄な仕事を思いつきで増やそうとする大臣》

《先ずは出てきた問題・課題を改善してスムーズに運用出来るようにする事が一番大事であって名前を変えるとか論点をすり替えたところで更に混乱させてしまうだけではないでしょうか?》

 など、大量の批判が書き込まれた。

「政府はカード取得者向けサイト『マイナポータル』で閲覧できる全29項目の紐つけなどで誤りがないか総点検をしています。河野大臣も番組内で「(総点検は)徹底的にやる。秋をめどとするが、日程ありきではない」と強調していました。

 小池百合子都知事も『秋までというのは難しいのではないでしょうか』と指摘していましたから、長期戦になるのではないでしょうか」(同)

 先行きが思いやられるが、ここにきてマイナンバーカードを自主返納する動きが相次いでいる。2日、県庁所在地など52市区を対象とした調査で、マイナンバーカードの自主返納が5月以降、少なくとも318件あったと共同通信が報じている。

 松野長官は会見で「政府としてはマイナンバーカードの廃止数について把握しているが、理由の詳細までは把握をしていない」と述べるにとどまった。混乱はまだまだ続きそうだ。