ヘッドライトの内側が濡れてる!これって大丈夫?

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晴天のドライブ日和、なぜか愛車のヘッドライトの中に水滴がついていたことはありませんか。

雨は降っていないし、洗車もしていない、水が入り込む理由が無い状況で、ヘッドライトの内部が濡れているのは、少し変に見えるかもしれません。

実は、ヘッドライトユニット内部の曇りや数滴の結露は、HIDやハロゲンランプのように、熱を多く発生するバルブで良く起こる事例です。

ヘッドライト内部に結露が発生する理由

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ヘッドライトは、外気温とヘッドライト内部の温度差で結露が発生することが多くあります。

外気温が低い状態でライトを点灯し長時間走行した場合、ライトユニット内の空気が暖められ、温度の上昇とともに空気が含む水分量が多くなります。

この状態で、エンジンを切り、ライトを消灯すると、ライトユニットが外気で冷やされ、ユニット内部の空気の温度も下がっていきます。すると、温度の下降とともに、空気の中に含むことのできる水蒸気量が下がっていき、空気がため込めなくなった水蒸気が水として現れるのです。

また、ヘッドライトバルブの根元にあるパッキンの劣化によっても同様の事象が発生することがあります。

通常はパッキンが正常に働くことで、ライトユニットの中に外気が入りにくくなっているのですが、パッキンの劣化で隙間が発生し、通常よりも多く湿度の高い空気が入り込むと、ライトの内側で水滴を発生させるのです。

ライトユニットも結露が発生することを前提に製造されており、予防するための通気口が用意されていますが、気候や気温によってはどうしても結露が発生してしまいます。

結露や少量の水滴なら自分で対策できるかも

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ヘッドライトの内側の結露は、少量であればあまり神経質になる必要はありません。しかし、ライトの内側が薄く結露している場合や、数えられる程度の水滴がある程度の状態なら、自身で対策を講じることができるかもしれません。

HIDやハロゲンバルブを搭載している車で結露が発生している場合には、ヘッドライトをしばらくの間点灯させて結露を取り除き、水分の多い空気をライトユニットの通気口から排出させてしまうのが、最も簡単な対策です。

日本車の多くは、高温多湿な日本の気候に対応するため、ライトユニットの通気口部分に工夫を凝らし、曇りや結露が起きにくいようになっています。

そのため、ライトが点灯する時間を長くすることで、ライトユニット内部の換気が行われ、曇りや結露の起きにくい環境にすることができるのです。

また、大きな熱源を持たないLEDヘッドライトを搭載する車で、ヘッドライト内部の水滴を確認した場合には、LEDバルブパッキンの劣化が疑われます。

バルブを新しいものに交換することで水滴の発生を防ぐことができるので、カーディーラーに相談し、部品交換を行いましょう。

雨や洗車の後に内部が濡れている場合は要注意!

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しかし、雨の翌日や洗車の後にヘッドライト内部に水が入っているという場合には、早期にライトユニット全体の交換が必要です。ヘッドライトは電装系部品です。水は故障の大きな原因となるため、放置することなく、修理業者へ相談してください。

通常、ヘッドライトユニットには車体とユニットを取り付ける際に、コーキングという防水処理が行われているため、雨や洗車時の水が入り込むということはありません。

しかし、コーキングは経年劣化するもので、長く使い続けた車では役割を失い、水がユニット内に侵入することがあります。

また、走行中の飛び石や、ヘッドライトを何かにぶつけたなどの理由で、ライトユニットが破損し、外気や水の侵入が起きていることもあるでしょう。

純正ライトユニット以外の社外品を使用している場合には、より水の侵入リスクが高くなります。筆者の経験上では、その多くの理由がコーキングの不良です。

ヘッドライト、テールライトをカスタマイズし、社外品を取り付けた場合には、十分かつ正確なコーキング処理が必要になります。ライトユニットのカスタマイズでは、取り付け業者の腕が大きく影響します。ですので、カスタマイズの際には、業者選びもトラブル回避には重要なポイントとなるでしょう。

ヘッドライトユニットの取付や交換は、安心できる業者に任せることが大切です。また、日ごろから愛車のヘッドライトをよく見ておき、内部の結露や水滴の発生に目を配っておくことが、愛車を長持ちさせる秘訣になります。