一森純、光った“予測”とチームを動かした“工夫”…「逃げずにトライ」する横浜FMの新守護神

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 2023年4月15日の明治安田生命J1リーグ第8節、一森純は横浜F・マリノスのGKとしてアウェイでの湘南ベルマーレ戦のピッチに立っていた。

 一森にとって、ここまでの今季序盤戦が例年にないほど慌ただしくなっていることは想像に難くない。横浜FMは新シーズン始動後の2月4日、昨季の明治安田生命J1リーグ全34試合に出場し、Jリーグベストイレブンも受賞して優勝に貢献した“絶対的守護神”の高丘陽平が、MLS(メジャーリーグ・サッカー)のバンクーバー・ホワイトキャップス移籍のためにチームを離脱した。クラブは自分たちのスタイルに適した後釜の確保に急ぎ、第1節の川崎フロンターレ戦を終えた後の2月21日に一森の期限付き移籍加入を発表。3月2日に登録が発表されると、翌日の3日には第3節のサンフレッチェ広島戦でゴールマウスを守っていた。

 JリーグYBCルヴァンカップも含めると、湘南戦は一森にとって横浜FMの公式戦でゴールマウスを守る8試合目。この試合の以前から、一森は“予測”に優れたGKだと感じていたが、湘南戦では特に一森の長所に目が奪われた。例えば開始11分に自陣でボールを奪われたところから湘南の決定機となったシーンでは、タリクにボールが渡った直前に1歩ほど間合いを詰めている。59分には敵陣に押し込んだ状態でのボールロストで湘南がカウンターのチャンスを迎えたものの、当たり前のように背後のスペースをケア。64分にも湘南の最終ラインでボールを持った杉岡大暉が背後のスペースへロングフィードを狙ったが、カバーリングした一森がダイレクトで味方へとパスを付け、チーム全体を前のめりに留めさせた。

 徐々に横浜FMのスタイルに馴染んできたことを印象付けている中、一森は周囲の選手との“信頼関係”が適応へのカギだと感じている。シーズン途中での加入となり、キャンプで周囲の選手との連携を深めていけなかったため、擦り合わせの場は日々のトレーニングや公式戦だ。「シン(畠中槙之輔)とかツノ(角田涼太朗)とか最終ラインの選手も、僕がいきなり入ってきて『どれだけ前に出られるか』を瞬時に理解するのは難しい」と話した一森は、自身の立ち位置の1つがチーム全体に影響を与えることを理解している。「彼ら自身もすごく勇気を持ってラインを上げている。ただ、そこで2~3メートル下がってしまうと、僕も予測しづらいですし、相手もやりやすいですし、シンたちも後ろに引っ張られながら前に行かなきゃいけなくなる」と語った後、「僕が勇気を出して行くことで、あいつらが前に集中できるように。DFラインが上げてくれると僕も行きやすいですし、僕が出るから向こうも(ラインを)上げられる。そこは今後もお互いに詰めていかなければならない部分だと思います」と今後を見据えた。