「糖尿病」の症状・食事・原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!

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尿が泡立つとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
久高 将太 医師

琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

「尿が泡立つ」症状で考えられる病気と対処法

尿の泡立つ経験をしたことがある方も少なくないでしょう。
尿が泡立つ原因には尿の成分が関係していることがありますが、ほとんどの場合過剰な心配は無用です。
一方で、毎日繰り返し尿の泡立ちが気になる場合は、腎臓や尿路の病気の兆候である可能性があります。今回はどのような場合に病院を受診するべきなのか、解説していきます。

尿が泡立つ症状で考えられる原因と対処法

尿は勢いが強いと泡が立ちます。もちろんこれは正常であり病気ではありません。
しかし、泡が長時間消えない場合は原因を考えてみましょう。
尿が泡立つ一番頻度が高い原因は「脱水」です。脱水状態になると水分を体に保持するため、尿の濃度が濃くなります。尿の中には胆汁が代謝されて作られるウロビリノーゲンが含まれており、ウロビリノーゲンの濃度が濃くなると界面活性作用により尿がよく泡立つようになります。汗をたくさんかいた時、気温が高い時、空気が乾燥している時、水を飲んでいない時に尿が泡立つ場合、脱水により尿が濃くなっている可能性を考え水分を積極的に取るようにしましょう。
脱水以外の原因で尿の泡立ちが目立つ場合は、尿の中にタンパク質や糖分が含まれている可能性を考えなければなりません。
具体的には、膀胱炎や尿道炎、前立腺炎などの尿路感染症や、腎臓の病気、糖尿病などが考えられます。また、女性の場合は生理中にも血液中のタンパク質により尿が泡立つのを自覚される方もいらっしゃいます。
何日も尿の泡立ちが目立っている方は、泌尿器科や腎臓内科を受診し検査してもらうことをお勧めします。

朝、尿が泡立つ症状で考えられる原因と対処法

朝の尿の泡立ちの原因は脱水症が最も考えられます。
睡眠中は水分が補給されず、呼吸や汗で水分が排出されるのみとなるので、脱水症状になりやすいです。朝起きたら喉や口の中が強く乾いていることを自覚される方も多いと思います。また、脱水症で尿が濃縮されると褐色の濃縮尿になります。その場合は速やかな水分補給が推奨されます。
一方で、朝起きて体を動かす前の早朝尿は尿に含まれるタンパクを評価することに最も適しています。喉が渇いた自覚がなく、濃縮尿でもないのにも関わらず、連日朝の尿で泡立ちを自覚する場合は尿に蛋白質が含まれている可能性があります。腎臓内科で相談するのが良いでしょう。

冬に尿が泡立つ症状で考えられる原因と対処法

冬場の尿の泡立ちも同様に水分欠乏が原因であることが多いです。
空気が乾燥するため、意外と水分が欠乏しやすいのです。
冬場でも喉が渇く、口が渇く時には積極的な水分を心がけましょう。

女性で尿が泡立つ症状で考えられる主な原因と対処法

女性の場合、尿の泡立ちは膀胱炎などの尿路感染症の可能性も考えます。
女性は男性と比較して尿道が短いために、尿路感染症を起こす頻度が一般的に高いことが知られています。
膀胱に尿を長時間貯めることや、妊娠、性交渉なども感染の原因となります。
症状としては尿の泡立ちの他に、排尿時痛、頻尿、残尿感、下腹部不快感、尿混濁などを伴います。対処法としては水分摂取による利尿促進が有効であり、膀胱に長時間尿を貯めておかないようにすることが重要です。発熱などの症状を伴う場合は尿道を伝って腎臓まで感染が拡大した腎盂腎炎である可能性があり、さらに重症化しない為にも速やかな治療介入が必要になります。
医療機関、主に泌尿器科や内科を受診しましょう。飲み薬や点滴の抗生物質を使います。

生理中に尿が泡立つ症状で考えられる原因と対処法

生理中にも尿が泡立つことがあります。
尿に血液が混ざる事が原因です。血液はタンパク質を含みます。
生理が終われば尿の泡立ちは無くなるはずなので、この場合は特に心配する必要はなく、医療機関受診の必要はありません。

妊娠中に尿が泡立つ症状で考えられる原因と対処法

妊娠中の尿の泡立ちには複数の原因が考えられます。
まずは膀胱炎などの尿路感染症です。前述のように妊娠は膀胱炎のリスク因子であり、特に排尿時痛や頻尿、残尿感などの症状を自覚する際には注意が必要です。
また、妊娠糖尿病は尿糖を、妊娠高血圧症候群では尿蛋白を伴う場合があり、時に緊急性が高い状況も存在します。検診時に相談するのも良いですが、症状が明らかな場合はかかりつけの産科で早めに相談しましょう。妊娠中は使える使用薬剤が限られる上に治療が難渋することも少なくないため、産婦人科専門医のもとで治療し安全な妊娠を継続することを第一に優先しましょう。

すぐに病院へ行くべき「尿が泡立つ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

むくみを伴う症状の場合は、腎臓内科へ

最も注意すべきは尿の泡立ちと同時に足のむくみが出てきた、酷くなった場合です。
ネフローゼ症候群や腎炎の可能性も考えられますので、腎臓内科への受診をお勧めします。
可能であれば、受診時には過去の検診や病院受診での血液検査、尿検査の結果を持参しましょう。
また、普段飲んでいる薬がわかるようにお薬手帳も持参しましょう。

受診・予防の目安となる「尿が泡立つ」ときのセルフチェック法

・尿が泡立つ以外に足がむくむ症状がある場合

・尿が泡立つ以外に尿の色が赤い症状がある場合

・尿が泡立つ以外に発熱や尿の混濁がある場合

「尿が泡立つ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「尿が泡立つ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

ネフローゼ症候群

尿に多量の蛋白が混ざる、ネフローゼ症候群という疾患群があります。
尿の泡立ちを自覚し、下肢を中心としたむくみが出現した場合、ネフローゼ症候群の可能性があります。
ネフローゼ症候群は腎臓で尿に蛋白質が漏れ出してしまう病気で、治療法は原因によって異なります。尿の泡立ちに体のむくみを伴う場合は腎臓内科を受診して原因を調べてもらいましょう。

蛋白尿

腎臓病でも感染症でもなく、脱水でもない、健康な方にも蛋白尿はでます。
例えば運動後やストレス、寒さなどが原因で一過性に蛋白尿が出ることがあります。
立ち上がった時に物理的な原因となる起立性蛋白尿、というものもあります。
いずれも一時的なもので大きな心配は要りません。
繰り返し尿が泡立つかどうか、朝起きてすぐの体を動かす前の尿が泡立っているかどうかを確認しましょう。

腎臓病

腎臓で炎症が起きている時、尿に蛋白や血が混ざることがあります。
尿の泡立ちに加え、肉眼的血尿(真っ赤な尿)が出る場合、腎臓の炎症、腎炎が起きているかもしれません。内科、腎臓内科を受診して検査しましょう。

糖尿病

糖尿病は、病名の通り尿から糖が出ることがありますが、主な病態は血糖値の上昇です。
遺伝要因や生活習慣などの環境要因により血糖値を下げるホルモン「インスリン」が不足することで発症します。
尿が泡出つことに加えて甘い臭いがする時は、血糖値が高いことで尿が糖に漏れ出てしまっている、所謂糖尿病の可能性があります。
糖尿病は放っておくと目の網膜症、腎機能の障害、手足のしびれなどの神経症、動脈硬化の進行といった取り返しのつかない合併症の発症につながります。酷いケースでは血流障害から下肢の切断に至ります。速やかに内科、糖尿病内科で相談するようにしましょう。

膀胱炎

膀胱炎は膀胱の炎症性疾患であり、主に膀胱内に細菌が感染することで発症します。
主な原因として水分摂取不足、尿を我慢すること、妊娠、性交渉などが挙げられます。
症状としては、排尿時痛、頻尿、残尿感、下腹部不快感を認め、尿が白く濁ることで分かる場合もあります。対処法としては水分摂取による利尿促進が有効であり、膀胱に尿を貯めておかないことが重要です。発熱などの症状を伴う場合は医療機関、主に泌尿器科や内科を受診しましょう。飲み薬や点滴の抗生物質を使って治療することで改善します。

「尿が泡立つ」の正しい対処法は?

まず1分程待ってみて、泡立ちが残っているかどうかを確認します。
泡立ちが残った場合は尿の成分に異常があると考えます。
脱水や軽度の膀胱炎の場合は水分を積極的に摂取すると改善することが多いです。
しかし、連日繰り返しの泡立ちが見られる場合、足のむくみを伴う場合、尿の色が明らかに赤い場合、発熱や排尿時症状を伴う場合は腎臓の病気や尿道の感染症の可能性があります。
市販薬は腎臓に負担をかけ、さらに悪化させる成分が含まれている可能性があるため、この場合は使用しない方が良いでしょう。医療機関を受診して検査してもらい、医師のアドバイスに従いましょう。

「尿が泡立つ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿が泡立つ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

尿が泡立つのは病気ですか?

久高 将太 医師

多くの場合は病気ではありません。尿の勢いにより発生する泡を気にかける方も多くいらっしゃいます。尿の勢いが原因でない場合においても、最も頻度が高い原因は水分不足です。しかし、泡立ちが連日続く場合、体の浮腫みを伴う場合、肉眼的血尿(赤い尿)を伴う場合、排尿時の違和感や残尿感がある場合は医療機関への受診をお勧めします。

どの程度尿が泡立つと病院に行ったほうがいいですか?

久高 将太 医師

泡立った尿を1分間眺めてみてください。泡が消えない場合、尿中に蛋白や糖が含まれている可能性を否定できません。速やかに泡が消える場合は、単に排尿時の勢いで泡立っている可能性があります。

特に注意すべき尿の泡立ちはありますか?

久高 将太 医師

尿が白く濁っている場合は尿路の感染症である可能性があります。尿路の感染症は、排尿痛や違和感、残尿感を伴うこともあります。発熱を伴う場合は早急な治療が必要な場合もあるため、速やかに泌尿器科や内科を受診しましょう。足や全身の浮腫、肉眼的血尿(真っ赤な尿)がみられる場合は腎臓病の可能性がありますので、早急に内科、特に腎臓内科への受診を検討してください。臭いを確認すると良い場合もあります。尿に糖が含まれている場合は甘い臭いがするかもしれません。糖尿病の可能性があるので、内科や糖尿病内科への受診をお勧めします。

まとめ

尿の泡立ちは多くの場合心配いりません。
物理的な泡立ち、水分不足、問題のない一過性の蛋白尿が原因であることがほとんどです。
ですが、長時間尿が泡立つ状態が毎日、特に朝一番尿でみられるとき、もしくは真っ赤な尿や足のむくみを伴うときには注意が必要です。
ご心配であれば悩まずお近くの医療機関で相談してみてください。

「尿が泡立つ」症状で考えられる病気

「尿が泡立つ」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

腎臓内科の病気

腎盂腎炎ネフローゼ症候群

泌尿器科の病気

膀胱炎

糖尿病内科の病気

糖尿病

多くの場合には、物理的な泡立ち、水分不足、問題のない一過性の蛋白尿が原因です。

「尿が泡立つ」に似ている症状・関連する症状

「尿が泡立つ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

血尿がある

尿の色が白い

尿の匂いが強い

尿痛血尿尿漏れ頻尿

「尿が泡立つ」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「腎盂腎炎」「ネフローゼ症候群」「膀胱炎」「糖尿病」などの疾患の可能性が考えられます。長時間尿が泡立つ状態が毎日、特に朝一番尿でみられる場合や、真っ赤な尿がある場合、足のむくみを伴う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・JAID/JSC 感染症ガイドライン2015 -尿路感染症・男性性器感染症-