イスラム教のラマダン(断食月)の期間中には毎晩礼拝が行われるが、その最中に1匹の猫が迷い込んでしまった。猫は聖典を暗唱していた導師に飛び付き、その様子が動画に収められた(画像は『BBC News(World) 2023年4月5日付Twitter「Moment cat jumps on imam leading Ramadan prayers」』のスクリーンショット)

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イスラム暦において、最も神聖な月であるラマダン(断食月)。長期間の断食を行うことで知られているラマダンの礼拝中に、猫が乱入し話題を呼んでいる。導師は猫に飛び乗られながらも礼拝を中断せず、聖典を暗唱する姿を捉えた動画が、多くの人を笑顔にしているとインドの日刊英字紙『The Times of India』などが伝えた。

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猫が乱入したのは今月3日、アルジェリア北部ボルジ・ブ・アレリジにあるモスクで、当時はラマダン中の礼拝が行われていた。ラマダンとはアラビア語でイスラム暦の第9月を指す言葉で、イスラム教では最も神聖な月である。ラマダンの期間中は断食を行うほかに、慈善活動、聖地メッカへの巡礼などが行われ、毎晩モスクで“タラウェ(Taraweeh)”と呼ばれる礼拝も行われる。

このタラウェにおいて、信者たちの前でイスラム教の聖典であるコーランを暗唱していたのは、ワリド・メフサス導師(Walid Mehsas)だった。その様子はライブ配信されており、ワリド導師はスタンドマイクの前に立って目を閉じ、両手を胸の前で重ねていた。

粛々と礼拝が進められていたのだが、突然1匹の猫がワリド導師のお腹に飛びついた。ワリド導師は猫の行動を予想していたのか、特別驚いた様子は見せず、猫が落ちないよう支えるために手を添えた。人懐っこい猫はそのままワリド導師の体をよじ登り、肩にのるとワリド導師の顔に体を摺り寄せた。この猫の行動には思わず笑顔になってしまいそうだが、ワリド導師は表情をピクリとも変えず、言葉を止めることなく礼拝を続けた。そして猫が飛び降りた後、ワリド導師と信者たちが深くお辞儀をし、その足元を猫が通過したところで映像は終わっている。

イスラム文化においては、猫が崇拝の対象であり、穢れのないその清潔さから神聖なモスクの中にも入ることが許されている。また一部の信者の間では、猫を飼うことで家に天使がやって来るとも信じられており、イスラム教の創始者である預言者ムハンマドも猫好きであったという言い伝えがある。

可愛い猫に飛びつかれたにもかかわらず少しも動じないワリド導師の姿を捉えた動画がネット上に投稿されると、各SNS上で瞬く間に拡散され、「なんて可愛いの!」「何回も動画を見返しちゃう」「この集中力は尊敬に値するね」「この導師の飼い猫なのかな?」など様々な反応が寄せられている。

ちなみに今年2月にはブラジルの教会で、礼拝中に現れた2匹の犬が神父の説教を遮ってしまう様子を捉えた動画が笑いの渦を巻き起こしていた。

画像は『BBC News(World) 2023年4月5日付Twitter「Moment cat jumps on imam leading Ramadan prayers」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)