夜は良かったのに…。昼デートで女が興ざめしてしまった、男との本当の“相性”とは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「ボディタッチ激し目の女の態度が急変した理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:女性からのボディタッチの意味は?手もつないだのに、四度目のデートで急に女が冷たくなった理由
― やっぱり何度かデートをしないと、相手のことって見えないものなのね…。
デートを終えた帰り道。月を見上げながら、しみじみとそう思った。
優と出会ってから四度ほどデートをした。最初は楽しかったし、久しぶりに心がときめく人かもと思った。
けれども今日のデートで、すっかり興ざめしてしまった。
今日は初めて、彼と昼からのデート。
夜だと見えてこないものが、日中の明るさとともにわかってしまったのだ…。
A1:酔うと距離が近くなるから。
優と出会ったのは、友達から呼ばれて参加したホムパだった。穏やかそうな笑顔が印象的で、しばらく話した後に連絡先を聞かれたので交換した。
すると翌日、早速デートに誘ってくれた優。
スピード感のある誘いに、私は快く応じた。そして初デートは銀座にある『薪焼 銀座おのでら』まで予約してくれていて、かなり期待値が上がる。
「有紗さんからOKもらえると思わなかった(笑)」
「本当?私そんなにも高飛車なタイプじゃないよ」
しかも私のことをだいぶ良いと思ってくれているのか、優は眩しそうに私を見つめてくる。
「有紗さんって、どんな人がタイプ?」
「私は自分を持っている人かな。あと優しくて誠実な人」
「それは大事だね」
「優さんは?」
「僕は明るくて笑顔が可愛い子かな」
ご飯も美味しいし、会話もスムーズにどんどん進む。
「ちなみに有紗ちゃん、年上とかって大丈夫?」
「むしろ年上の人のほうが好きかも。優さんって何歳?」
「僕は40歳だよ。有紗ちゃんは?」
「私は32歳になるよ」
年齢は関係ないし、8歳差なら気にならない。優は肌も綺麗だったし、年齢よりも若く見える。「太刀魚 ズッキーニ 塩レモン」を食べながら、私は美味しくワインを飲んだ。
「この後どうする?」
気がつけば、ワインは2本も空いている。すっかり楽しくなってしまい、私たちの距離はどんどん近くなる。
「もう一軒行こうよ」
もちろん2軒目への誘いも快く応じた。
私はお酒を飲むのが好きだけれど、優もなかなか強い。移動した2軒目でも、ハイペースで私たちはお酒を飲み進めていく。
「こんなに飲むの久しぶりかも…」
「私もだよ。でも楽しいから、つい飲んじゃうよね」
そう言いながら、気がつけば優の肩にしなだれかかっていた。私の悪い癖で、酔っ払うと人との距離が近くなる。
つい優にもやってしまっていたが、彼は嫌な顔はしていなかった。
「有紗ちゃん、それ男全員にやってるの?」
「まさか。やらないよ。好きな人にしか」
お互い見つめ合い、静かな時間が流れる。このまま彼とはうまくいく気がした。
A2:お酒が入っていない時のギャップが辛かった。
初回に続き、二度目も三度目のデートも楽しかった。
「優くんといると、本当に楽しい!」
「僕も。有紗ちゃんとこうやって飲む時間、好きなんだよね」
毎回2軒目までしっかり行くし、会話も尽きない。かなり相性がいいように思えた。
でも一点だけ気になっていたことがある。いつも、つい飲み過ぎてしまうことだった。
「ちなみに…。優くんって、毎回ちゃんと全部記憶あるの?」
「あるようなないような…。有紗ちゃんは?」
「私も同じ感じ(笑)。楽しくてつい飲み過ぎちゃうから」
「一緒だね(笑)」
飲みすぎて、ふんわりと“楽しい”としか覚えていないところも多々あった。そして結果として、この曖昧な記憶が問題だったのかもしれない…。
四度目のデートは、映画を観に行くことになった私たち。
初めてのお昼デート。夜だとレストランの照明の力を借りられるので多少ごまかせるけれど、太陽光の下だとそうもいかない。自分の肌のコンディションが露骨に出るので、「毛穴とか大丈夫かな」と思いながら、私は待ち合わせ場所へと向かう。
「なんか…。変な感じ。お昼から優くんに会うなんて」
「だね。でも今日のデート楽しみにしてた!」
つるっとした綺麗な肌の持ち主の優は、日中でも見た目は良かった。しかも映画のチケットも予約してくれており、スムーズにデートは進んでいく。
「有紗ちゃん。映画といえばやっぱりポップコーンだよね」
「え?でもこの後ご飯行くよね?」
「でもやっぱりポップコーンは外せないよ」
そんな会話をしながらポップコーンに加えて大きなサイズのドリンクも買って、私たちは映画鑑賞をした。
ここまでは良かった。問題は、この後だった。
映画を見終わって外へ出るとまだ明るくて、時計の針は15時半を指している。
「夜ご飯までかなり時間あるね…。どうしようか?」
「どうしようかな…。有紗ちゃん、何かしたいことある?」
― あれ…?
どうしよう。何だか嫌な予感がする。優と私の間に、微妙な空気が流れる。
「うーん。買い物って感じでもないし…。お茶でもする?」
「お茶か。さっき大きいドリンク飲んじゃったからな」
「優くんも何かしたいことある?」
「この時間って微妙だよね…どうしようかな」
そう言って、黙りこくってしまった優。
私は、気がついてしまった。
毎回お酒を飲んでいるから気にならなかったけれど、お酒がないと会話が盛り上がらない。
しかもいつも優が仕切ってくれていたと思っていたけれど、何も決めないし動かない。だから私のほうから提案するしかない。
「それか…早いけど、飲み始めちゃう?天気もいいしテラス席とかで」
「それいいね!」
結局近くのbarで飲み始めると、いつも通りになった。
でもこの四度目のお昼からのデートで、悟ってしまった。
優とのデートはお酒の力があったから楽しかった。逆を言うとお酒がないとたいして盛り上がりもせず、気まずい沈黙が流れる。
「今日も楽しかった〜。有紗ちゃんこの後どうする?」
「今日はもう帰ろうかな」
「そっか…帰っちゃうか。OK」
いい人だけど、お酒が入っていない時の優との時間はあまり楽しくはない。
― これって…今後付き合うとかになったら致命的だよね?
一度冷めてしまうと、女の気持ちはなかなか変わらない。
夜デートよりも難しい昼デート。
次からは、早めにお酒ナシのデートをして相手との相性を確かめようと決意しながら、私は四度目のデートを終えた。
▶【Q】はこちら:女性からのボディタッチの意味は?手もつないだのに、四度目のデートで急に女が冷たくなった理由
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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